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短編小説とエッセイ

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短編小説もどき(断片小説)と日記とエッセイを不定期で書いています。 『だれかが見つけていても、じぶんのことばで』
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#小説の種

花も幹もなく根だけが

食べるよりめんどくさいが勝るときないでしょうか? 時間は溶けるように早く過ぎていくのに、…

まさき
1年前
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レジャーシート

ひとりでいることは平気なはずなのに、涙が出そうになった。 保育園に通い初めの頃、みんなが…

まさき
1年前
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間借り

ずっと自分の場所じゃないところにいる気がしている。 電子音が鳴る。 また客が自動発券機で注…

まさき
1年前

褒め言葉

きっと馬鹿だと思われている。 褒めれば私の動きが矯正されるとでも思っているのかもしれない…

まさき
2年前

和音

いつもなら部活がない日はサッカーのこと忘れて、自転車で買い物に出かけたり、音楽を聴いて過…

まさき
2年前

「自分の家だと思ってくつろいでくれていいぞ」 松岡は速水部長の言葉を聞くなり、部屋の奥に…

まさき
2年前

幕さえ上がれば

「あるじゃん?お店についたら、お腹空くかもしれないなーっていう。そういうノリだったわけ」 恋人として僕を選んだことをそう振り返る、吉野さんの声のトーンは別れ話に相応しくない朗らかさだった。 「でも結局お腹空かなかったままだった」 例え話しのまま、僕とこれ以上付き合えないことを告げる。 この半年、けっこうお互いの時間を共有したけれど、吉野さんの胃袋を刺激する何かを僕は自分の中から発することは出来なかったみたいだ。 吉野さんは、25才で大学時代から付き合った彼氏と別れて、そこ

答え合わせ

自分で決めて生きているのに、振り返ってみると自分の選択が不可解に思えるのはなんでだろう。…

まさき
2年前
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