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今週のTop Tier VCニュース!#123(2024/7/1週)

7/4(木)が米国独立記念日だったためか、非常に落ち着いた1週間でした。
今週は投資案件のピックアップはスキップし、2024年上半期の簡単な振り返りをご紹介します。


投資環境

2024年上期のVC市場速報

  • 世界レベルでは、インフレ・金利・マクロの不確実性が投資活動を抑制

  • 2024H1の投資総額は$169.6Bとなり、2024Q2の$94.3Bは2023Q1以来の$90B越えで大きく貢献したものの、ディール件数は減少しており、大型の資金調達が貢献していることがわかる

  • 世界レベルのVCによる資金調達総額は$80.5Bと、2015年以来最低のコミットメント総額となっている。米国VCによる資金調達総額は、長引く減速の影響を示しており、2024H1のコミットメント額はわずか$37.4B。これもAndreessen Horowitzの$7B、Norwestの$3Bのコミットメント金額など大手VCが牽引している

  • 世界のベンチャー市場から姿を消したのは、中・大型のM&A案件であり、買収件数は比較的高水準で推移しているが、その大半は小規模なものであり、2024H1のEXIT総額は$75.6Bに留まる。2021Q1、Q3、Q4は四半期毎にそれぞれ$300B以上のEXIT総額であったため大幅な減少が続く


2024年上期に女性によって設立されたスタートアップへの資金提供は近年と比べて激減

  • 女性創業者が1人以上いるスタートアップは、2024年上半期までに1,487件の取引で$15.4Bを集めたが、これは2020年以来、上半期に調達された資本の最低額です

  • 米国のVC資本が女性のみの創業企業に向かうシェアは比較的安定しているが、男女両方の創業者を持つスタートアップのシェアは前年同期の26%から14.8%に減少。女性共同創業者のOpenAIとAnthropicの異常に大きな資金調達額を除くと更に減少幅は大きくなります

  • 今年これまでの注目すべき案件には、Scale AIの$1.0BのSeries G、バイオ医薬品会社Alumisの$259MのSeries Cなど


2024年上期の米国ハイテク企業のレイオフ状況

  • 2024年上期に米国を拠点とするハイテク企業で働く少なくとも57,172人が職を失った。2023年は191,000人、2022年は93,000人であった。

  • 直近ではカリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするスタートアップ・アクセラレーターのYコンビネーターが、レイオフの第2弾として、コミュニケーション部門と財務部門で非公開のポジションを削減した。Yコンビネーターが前回のレイオフは2023年9月で、その時は17人、スタッフの20%の規模であった


2024年 Midas List

  • AIスタートアップの評価額の急上昇と新旧のIPOの散見は、Forbesが選ぶ世界トップのベンチャーキャピタリストランキング「Midas List」において世代交代の始まりを示唆しています

  • 23回目となる2024 Midas Listでは、SequoiaのパートナーであるAlfred Linがトップに返り咲きました。2020年に上場したAirbnbと2024年に新たに上場したReddit、OpenAIの評価額上昇などが貢献

  • $86Bの評価額となったOpenAIは、Vinod Khoslaをはじめとする7人の投資家をMidas Listに押し上げました。Vinod Khoslaは、今年のリストで驚異的に76ランク上昇し9位となりました

  • 他にもAnthropicやCohereといったAIの注目株がリストに散見されますが、Elon Muskの宇宙事業SpaceXの評価額の急上昇が、DFJ GrowthのRandy Gleinを5年ぶりに14位に復帰させました

  • 2024年のMidas Listには、2021年の記録に並ぶ13人の女性投資家が含まれています


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