見出し画像

今週のTop Tier VCニュース!#28(2022/8/8週)

今週ピックアップした投資案件は1件のみです。
シリコンバレーをはじめとするVCシーンの情報を毎日無料で提供しているStrictlyVCが「We've got to tell you, it's a little slow out there at the moment.(今、ちょっと動きが鈍いですね)」と2022/8/12付NewsletterのトップコメントにしているようにVCの投資活動が沈静化しているようにもみえます。また、UberやDidiといったスタートアップへの派手な投資でベンチャーキャピタルの世界を覆したSoftBank Vision Fundが、2022年4-6月期に$23.1Bの損失を計上したニュースは日本のみならず世界を騒がせています。
このような状況下において、守りに徹するのか、攻めるのか、Top-Tier VCが今後どのような動きをみせるのか要注目です。

今週の投資先ハイライト

企業内カスタムツール開発PFの"Superblocks"が$37Mを調達

主な投資家

  • Kleiner Perkins

  • Spark Capital

概要

Superblocksは、Kleiner Perkins, Greenoaks, Spark Capital, Meritechがリードし、TwilioのCheif Executive, OktaのCOO,  InstacartのCo-founder, AngelListのCEO, YelpのCEO, DocuSignのFounde, ConfluentのCo-founderなどTech業界の大物が追加出資したEarly Stageラウンドで$37Mを調達しました。 

企業向けに特注の社内アプリやワークフローを作成するためのプラットフォームを提供するSuperblocksは、開発者がドラッグアンドドロップのインターフェースを使って、カスタムメイドの社内アプリケーション、ワークフロー、スケジュールジョブを作成するための、プログラム可能なビルディングブロックを幅広く提供します。このプラットフォームの設計により、開発者は、ゼロからアプリを構築するのにかかる時間のほんの一部で、社内ツールを迅速に作成することができます。

また、このプラットフォームでは、開発者チームが Git などの一般的なバージョン管理リポジトリに直接接続できるため、保守も容易になります。さらに、完全な継続的デプロイと統合、または CI/CD パイプラインのための統合も近々導入される予定です。デプロイ後、SuperblocksはDataDog、Elastic、Grafanaなどの観測可能なプラットフォームと統合することができます。

ツールを作成する際、開発者はREST、GraphQL、gRPCのアプリケーションプログラミングインターフェース認証により、あらゆるデータベースに接続することができます。これにより、SaaSベンダー、社内API、Googleシート、その他のサードパーティーソースからアプリに簡単にデータを流し込むことができます。

このプラットフォームを利用することで、開発者はReact、HTML、CSSのスキルがなくても、アプリを迅速に作成でき、しかも見た目も使い勝手もよくなります。ワークフローの自動化により、API の作成は、データを照会し、ビジネスロジックに適合する JavaScript または Python コードを記述して実行するのと同じくらい簡単です。Scheduled Jobs を使えば、Slack やメールへのレポート送信など、面倒な定期的イベントを API 経由で自動化することができます。

Superblocksは、Motive、Payhawk、Clearco、Payapa Global、Alchemyといった資金力のあるスタートアップを含む数百社がカスタム社内ツールの構築に使用していると説明しています。



投資環境

2022Q2 US VC Valuation Report

  • 米国のベンチャーキャピタルのValuationは、ある意味で市場全体の不確実性を反映し始めていますが、一部のスタートアップが価値創造の可能性を示すことができるように、特定のステージやセクターは驚くほど回復力があることが証明されています

  • Early-stageのプリマネー評価額の中央値は縮小の兆しを見せ、第2四半期には16%減の$52Mとなり、前四半期比で2年以上ぶりに減少を記録

  • Seed-stageは他のステージよりもよく持ちこたえ、案件数と規模は依然として高水準で、プレマネー評価額の中央値は2021年比で33%増加

  • 非伝統的な投資家は、より慎重な行動を市場のトップエンドに集中させており、ディールサイズと評価額の上位4分の1は、いずれも上半期に13%以上減少したが、中央値ではそのような落ち込みは見られていません

  • 評価額$1B以上の企業の上場は、2021年の100件以上に対し、6月30日まででわずか10件であり、上場市場の環境が引き続きExit評価額に圧力をかけています


2022Q2はFintechへの投資が沈静化

  • 2022年Q2にFintech企業へのVC投資は前四半期から17.8%減少し、2018年第3四半期以来最大の減少率となりました

  • IPO活動が停止する中、Exitも停滞しており、アナリストは、FintechスタートアップがM&Aの機会を探している既存企業の注目を集めると予想しています

  • 米国で普及が遅れていたモバイルウォレットは、成人の利用率がパンデミック前の約30%から2020年には58%、2021年には68%に急増しました。

  • ロックダウンで退屈したこともあり、個人投資家がモバイル取引アプリに殺到し、2021年10月の米国株式取引量は前年比34%の急増につながりました

  • こうした業界の追い風を受け、今後も未公開・公開を問わず、Fintech企業への投資資金が流入することが予想されます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?