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首下がりを改善させるSHAiRプログラム


はじめに

パーキンソン病や多系統萎縮症において首下がりに課題を感じる場面があると思います。従来、頸椎カラーを装着する、頸部周辺のトレーニングをすることが一般的でした。今回は首下がりに対して効果がありそうな介入プログラム(SHAiRプログラム)について紹介します。

文献

Igawa, Tatsuya, et al. "Establishment of a novel rehabilitation program for patients with dropped head syndrome: Short and intensive rehabilitation (SHAiR) program." Journal of Clinical Neuroscience 73 (2020): 57-61.


要約

対象は頚部痛と水平注視が困難な患者を取り込み基準とした10人の首下がり症候群。5人ずつシェアプログラム群とコントロール群に分け、7.5ヶ月間追跡した。介入は1日50分を2週間実施し、3ヶ月毎に評価を行った。評価項目は眉顎垂直角(CBVA)、頸部痛 (NRS)とした。 SHAiRプログラム群は眉顎垂直角(CBVA)、頸部痛 (NRS)ともに改善した。

SHAiRプログラム

プログラムの構成運動は以下の5つであり、その他には頸部の負担にならないように生活指導が含まれていた。

  • 頸部傍脊柱筋の運動、頸部と胸部のモビリゼーションを伴う可動域運動

  • 頸部深層屈筋運動

  • ヒップリフト運動

  • 骨盤前傾運動

  • 歩行運動

学んだこと

我々は症状が生じている場所に焦点を当てることが多い。しかし、今回のように、腰椎や胸椎に介入の糸口があるかもしれないことを学べた。患者のADLによってはシーティングで変化するかもしれないし、臥位であればポジショニングで変化するかもしれない。1つの症状に対して多角的に診て、どこに介入ができるのか考えていきたい。

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