見出し画像

NHKスペシャル 中流危機を超えて 第2回

シリーズの第2回が放送されました。少し考えたことを書きます。

第1回では、日本人の賃金が低下した理由が取り上げられていました。

第2回では、賃金アップの方策を、他国の事例も交えつつ紹介していました。ドイツは技術革新が凄くて…とか労働者がリスキリングでITを学んで…というのは予想通りの内容でした。意外であったのは、成功例としてオランダが登場したことでした。

オランダはパートタイマーでも時間あたりの賃金水準や福利厚生は正社員と遜色ないとのこと。私の勉強不足でした…

番組では、夫が時短(フルタイムの9割)、妻がパート(フルタイムの6割)で、夫がフルタイム時、妻が専業主婦の場合の給与に比して1.4倍の給与になるという事例が取り上げられていました。この働き方なら両親が子供と接する時間も確保できます。

元々はオランダも、日本と似たような構造であったところ、不況時のパートタイマー急増時に、労働組合がパートタイマーを取込み組織を強化し、政府・企業との交渉を行ったことが背景にあるそうです。

なぜ、日本でこのような改革が進まなかったのか…私見としては、高度経済成長期時に作った社会の仕組みが成功しすぎたことがあるように思います。労働組合でいえば、日本は企業別組合が多いですが、組合経験がキャリアパスになるような会社もあるほどです。企業と戦っていく会社が多くないことは想像に難くありません。

また、鶏と卵の関係になってしまいますが、経済成長ができないことは女性進出や同一労働・同一賃金の進展も阻害してしまう気がします。日本は正社員の夫の賃金が一時的に減少したとしても、妻が補って子育てすればいいという社会ではなかった。また、正社員・パートの差異が縮小しても、経済が伸びて賃金が年々増加すれば気にならなくなっていくはずです。

色々と日本の循環が悪いほうに回っていった30年であったのかと、今更気づいているわけです。

後半では、パートタイマーに管理職を務めさせる日本企業の事例が出てきます。登場されたパートさんは、気合の入ったいい顔をされていました。この人にたった1.2倍の給与払うとこんなに仕事してくれるの?というお得感がすごいです。

私の自省にもなりますが、日本という国は専門性云々より、リーダーシップが低いことに問題があると思います。政治・企業・コミュニティ…あらゆるところで、個々人のリーダーシップが底上げされる必要があると感じます。

諸外国を参考にリスキリングをやればいい、という短絡的な話に堕すことなく、人生を主体的に生きていく中でリスキリングを選び取る人をたくさん産み出す国になることが必要ではないかと感じました。まずは自分・子供・会社・勉強会あたりから頑張ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?