声劇台本「嫉妬」
お題で台本「嫉妬」
※男性キャラは男性、女性キャラは女性推奨ですが、強制ではありません。
※キャラクター自体の性別改変はNGです。
※ネタに走りすぎるようなアドリブや改変、著しく雰囲気を壊すようなお芝居はNGです。
※名前「」表記はセリフ、なしはト書きです。
松永 隼人:可愛い彼女ができて浮かれている男。自分に好意を寄せている遥を邪魔に思っている。
長谷川 翔:隼人と遥とは幼馴染。遥の気持ちをわかってはいるのだが遙が好き。
舞浜 遥:隼人に片思いしていたが、素直になれずにダラダラと幼馴染をやっていた結果、隼人に恋人ができてしまった。4人で遊ぶことも多くなったが、カレンを邪魔だと思っており、普通に嫌がらせもする。早く別れさせて自分が後釜になろうという魂胆。
大谷 カレン:隼人の恋人。バイト先が同じ。4人で遊びに行くこともあるが、遥の行動から気持ちに気付いているものの、悪意を平気で露わにできる部分を軽蔑しているため、恋人の座を譲ろうとは一ミリも思っていない。
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遊園地 女子トイレ
遥「ねえ、あんたどういうつもり?」
カレン「え?何が?」
遥「普通に混ざってきてさ」
カレン「だって、隼人くんが幼馴染に紹介したいって言ってくれて、みんなも受け入れてくれて、だから一緒に遊ぶようになって今に至るわけでしょ?何か変なことある?」
遥「図々しいよね、あんた」
カレン「へ?図々しい?」
遥「私たちの関係に土足で入ってくるような感じよ。ホント気持ち悪い」
カレン「あー、なるほどね。うふふ」
遥「何笑ってんの?」
カレン「いやぁ、わかりやすいなぁって」
遥「は?」
カレン「図々しいとか、私たちの関係とか、とりあえず文句言いたいんだよね?私が隼人くんの恋人だから」
遥「!」
カレン「隼人くんからのプレゼント、小物系がやたらなくなるなぁと思ってたけど、遥ちゃんだよね?」
遥「は?何その言いがかり!」
カレン「いや、流石に遥ちゃんじゃない方が無理があるよ。私の不注意にしても頻度が多いし、何よりみんなと遊ぶときに決まってなくなるんだよ?で、翔くんはそんなことする動機はないし、遥ちゃんしかいないじゃない?」
遥「なんで私が……」
カレン「ずーっと幼馴染で好きだった人をぽっと出てきた私に掠め取られたと思ってるから」
遥「な!!」
カレン「違うの?」
遥「……!」
カレン「私ね、みんなの関係って素敵だなって思ってる。幼馴染同士、ずっと仲良くていいなぁって。私は引っ越しが多い家庭だからそういうのなくてね、正直憧れる。羨ましいなぁとも思った。だから我慢してるの」
遥「我慢?」
カレン「遥ちゃんからの嫌がらせも、明らかな敵意も」
遥「は!何それ、脅し?」
カレン「脅しっていうか、交渉かな。コレっきりで上辺だけでも仲良くしてくれて、変なことしないでくれるなら私はそれでいいのよ」
遥「無理だね。今あんたと話してて、合わない女だなって心底思ってるし。とっとと居なくなってほしいしね」
カレン「そっかぁ。残念だな。隼人くんに迷惑かけたくないし、翔くんは何も悪くない。遥ちゃんが暴走しただけなんだけど、仕方ないよなぁ」
スマホを操作しているカレン
遥「仕方ない?あんたが隼人と別れて、私たちに関わらなければいいことでしょ?」
カレン「んー?なんで私がそんなことしないといけないの?私は隼人くんが大好きなのよね」
遥「へぇ、そう」
カレン「隼人くんも私が大好きだもの」
遥「は?気持ちわる」
カレン「今、邪魔なのって誰だろうね」
遥「あんたね!」
遮るように
隼人「おい!ちょっとお前ら出てこい!」
翔「流石にコレは良くないと思うな。もう用は済んでるよね?出てきてくれる?」
遥「は?ちょっとあんた何したの?」
スマホを見せるカレン。音声メッセージが送信された履歴がある。
遥「あんた、まさか」
カレン「ね、2人呼んでるよ?でよっか、遥ちゃん」
遊園地 カフェ
翔「さっきの音声、聞いた」
隼人「俺も」
翔「遥、隼人のことが好きなのはわかってるけど、カレンさんを責めて何になるんだよ」
遥「……」
カレン「隼人くんには、軽く相談してたんだけどね」
隼人「幼馴染として、信じたくなかった……」
翔「え?お前それは……」
隼人「うん、カレンに悪いことした。ごめん」
カレン「いいよ。幼馴染だもん、信じたいのは当然だったと思うし」
隼人「ごめん」
翔「遥、お前はどうなの?」
遥「え?」
翔「恋人のカレンさんがお前のこと相談してもさ、幼馴染として信じてくれてたんだよ。でも、結果的にお前はカレンさんに嫌がらせしてたわけだし、なんなら今日の暴言だろ?そもそも、カレンさんは何も悪くないんだよ。隼人と付き合ってるだけ」
遥「……」
カレン「私が遥ちゃんに何かした事実はないよ。誓って言えるけど」
隼人「わかってるよ。カレンはそんな子じゃない」
翔「それに、する必要もないしな。好きな奴の恋人だからって攻撃して良いはずないだろ」
遥「そうね」
翔「じゃあちゃんと謝るとかしろよ」
遥「……で」
隼人「どうした?」
翔「ん?」
遥「なんで私がコイツに謝らなきゃいけないのよ!」
カレン「えー……」
隼人「はぁ?」
翔「お前さぁ、いい加減にしろよ」
遥「そいつが邪魔なんじゃん!いきなり隼人と付き合い出してさ!私たちの関係にズカズカ入ってきてさ!」
隼人「えぇ……」
翔「お前、本気で言ってるの?」
遥「本気で言ってるよ!あ、隼人には悪いと思ってるよ、勝手に好きになったことも、こんなことしてるのも。その女には一個も思わないけどね」
カレン「うん、まぁ仕方ないね」
隼人「カレン?」
カレン「邪魔なのは私なんだもんね」
遥「そうだよ!」
翔「いやいや、カレンさんは何も悪くないよ」
カレン「私帰る。もう関わらない」
遥「そうして!」
隼人「じゃあ、俺ももうみんなと遊べねえわ」
遥「は?」
隼人「俺はカレンの恋人だし。幼馴染は大切だけど、流石に彼女にこんなことされて幼馴染だから遥取るとかあり得ないから」
翔「まぁ、そうなるよな」
カレン「隼人くん……」
遥「どうして……?」
隼人「俺、性格悪い女無理だわ」
遥「!!」
翔「……とりあえず、解散しよう。隼人とカレンさんは先帰りな」
隼人「翔……」
翔「まぁ、後で連絡するって」
カレン「ごめんなさい、楽しく遊ぶはずだったのに」
翔「むしろ、そのはずだったのに辛い思いしたのはカレンさんでしょ?マジで気に病むことないと思う」
カレン「ありがと……」
カフェを後にする隼人とカレン
2人向き合って座る翔と遥
遥は啜り泣いている
遥「アンタは行かないの?」
翔「1人になりたいって話なら1人にするけど。今そんな感じじゃないだろうし、1人にすると何するかわからないなぁってさ」
遥「何?1人になったら、あの女に追撃でもすると思ってる?」
翔「いや、そんな気力もないと思ってる。どちらかと言うといなくなっちゃいそうな気がしてる」
遥「いなくなった方がいいんじゃない?私みたいな性格の悪い女」
翔「そんなわけ無いだろ。性格が悪かろうと、俺は好きだし」
遥「は?」
翔「お前、全然気付かないんだぜ?俺がどれだけ隼人に嫉妬してたと思ってんだよ」
遥「そう……なんだ……」
翔「そうだよ。お前はカレンさんに嫉妬して、その気持ちを抑えずに嫌がらせして、で、このザマだけど」
遥「……」
翔「俺、気付いてたんだよね。お前がカレンさんに嫌がらせしてるの」
遥「え……」
翔「泳がせちゃった」
遥「どういうこと?」
翔「カレンさんから相談受けたのもあるし、都合も良かったんだよ」
遥「翔……?」
翔「こうすれば、お前は1人じゃん?」
遥「え?」
翔「俺しかいないでしょ?」
遥「あっ……」
翔「はは、その性格だから俺らしか友達いないし、ここが瓦解したら俺しかいないじゃん?」
遥「……し、翔、これ、全部」
翔「そ、こんなに上手く行くと思ってなかったけど、お前も思った通りに動いてくれるし、助かったよ」
放心状態の遥
そこにスマホが鳴る
隼人からの連絡
翔「あ、隼人じゃん」
遥「え……?どうして?」
翔「どうしてだろうね?」
通話をスピーカーモードで応答する翔
翔「おお、隼人?」
隼人「あーそっち上手く行った?」
翔「おん、いい感じなところかなぁ。お前は?」
隼人「んーまぁ、良いところにいる感じ」
翔「よかったな、カレンさんと上手くいきそうじゃん」
隼人「お前ってホント怖いよなぁ、俺の弱みまで握ってきてさぁ」
翔「ホイホイ浮気すんのが悪いだろ?証拠消しもアリバイも手伝ってやったんだから許せよ」
隼人「ま、そうだな。流石親友って感じだ」
翔「ちゃんと遥に矛先も向けて綺麗にブッチ。完璧だろ?」
隼人「いやぁ、そのどメンヘラ引き取ってくれたのまじ感謝だわ。幼馴染だし、切るに切れないし、カレンはこの関係素敵〜とか言ってるから俺が壊すわけにも行かんじゃんね」
翔「とはいえ、ここまで上手く行くなんて思わなかったわ」
隼人「ま、騙しやすい女たちで超助かるじゃん?」
翔「お前もクズだなぁ」
隼人「絶対お前には言われたくないけどな」
翔「それはそうだわ。んじゃ今度飯行こうぜ」
カレン「隼人く〜ん、まだ〜?」
隼人「おう!今行くー!……んじゃ今度、女なしでな!」
翔「はいはーい、じゃあな」
通話が終了して、ニヤニヤしながら遥に向き直る翔
遥「あ……あ……」
翔「ぜーんぶ、上手くいったって感じ」
遥「どうして」
翔「えー?お前が好きだから。それだけ」
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クズだらけの大運動会!!カレンちゃんだけが無害かもしれない!!!!
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