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【Some Flowers制作日記 その6】

2月19日は、”ズカルフツアー2023 Heart of Iridescent”
柏デスカマッジでのライブでした。

ズカルフでのデスカマッジ公演は昨年の4月以来。
約10ヶ月ぶりのライブでしたが、デスカマッジでのライブはもっと昔のような気もしたなぁ。

コロナ禍の影響はまだ色濃く残っていて、特にぼく達のように小規模なライブを行っている連中は、未だにコロナによる打撃を受け続けていたりもする。

この日はレコ発ツアーの二本目で、初日の自由が丘マッカートニーでのセットリストを見直して、少し曲目曲順を変えて行った。

セットリストを見直したことで、流れも選曲もスムーズになり、新曲を演奏することにもだいぶ慣れて来た。

デスカマッジでのライブが終わった後、隣接する撮影スタジオで、ぼくのソロアルバム「Some Flowers」のジャケットの撮影をしていただいた。

ライブが終わったばかりで、まだテンションが高いうちに写真も撮ってしまいましょう!という、カメラマンでデザイナーの竹田さんからの提案だった。

ぼくは今回のジャケットには、わりと明確なイメージがあって、そのことを事前に竹田さんに伝えておいた。
頭脳明晰な彼女は、ぼくの意図することをすぐに汲んでくれて、そこから更にぼくのアイデアを膨らませた形での、彼女なりのイメージを説明してくれた。

ぼくもそのアイデアは素晴らしいし、尚且とても面白いと思ったので、竹田さんの描くイメージに全面的に乗っかることにした。

竹田さんから、予めそのイメージに合った衣装を用意して来て欲しいとのことだったので、ぼくは何点が服を持参して来た。

ズカルフのライブが終わり、ファンの方との交流を終え、楽器を片付けてから、地下にあるデスカマッジから地上に出て、今度は隣接した撮影スタジオに移動する。

撮影スタジオ「スタジオアップルトマト」は、建物の二階部分にあって、階段を登って中に入り、正面にある重い扉を開くと、そこにすごく広いスタジオがドーン!と現れる。

ぼくは衣装やなんやらをアレコレと担いで、更に階段を登り、三階部分にあるドレッシングルームで着替えを済ませると、再び二階へと降りて撮影スタジオの中に入った。

スタジオの中には撮影機材が所狭しと置いてある。
そこには音楽用のスタジオとはまったく違う、撮影スタジオ独特の空気が流れている。

ぼくはスタジオの隅の椅子に腰掛け、さっそく竹田さんと衣装と髪型の確認や、ポージングの確認等、諸々打ち合わせを開始する。

段取りが決まるとぼくは白バックの前に置かれた椅子に座り、竹田さんのリクエストに応えながらいろんなポーズを取って行くのだが、これが何とも不得意というか苦手なのである。

モデルでも何でもない、ただのミュージシャンのぼくが、いきなり「はい、笑って」とか「次はカメラ目線でキメて」とか言われても、ただただ顔がひきつるだけで、でもこれも仕事の一環と自分に言い聞かせ、得意じゃないポーズや表情をいろいろと変えていく。

その後も何パターンか髪型も変えながら、ドンドンと撮影して行った。
メガネの有る無しや、サングラスのバージョン等、いろいろとパターンを変えてなおも撮影は続く。

約一時間ぐらい撮影が続き、もうかなりの枚数も撮ってもらったし、そろそろおしまいかなぁ?とぼくが思っていると、竹田さんから提案が。

「板さん、今度はオールバックで撮りましょう!」「エェ!?オールバックすか?」ぼくは突然の竹田さんからの提案に、驚きと戸惑いを隠せなかった。

もう何十年もオールバックになんてしたことなかったし、昔に比べてオデコもかなり上がって来てるし、なかなかオールバックにする勇気が出てこない。

でもまぁ、どう撮って貰おうと、泣いても笑っても今年で67の身だし、無理に若作りすることも無いし、そのままの今の自分を撮って記録して貰えれば本望だと思い、まな板の上の鯉の気分になった。

と、そう思ったら、何だか俄然楽しくなって来た!
自然とぼくは撮影しながら踊りだしていて、勝手にいろんなポーズをするようになっていた。
その時の写真がこれ↓

何十年ぶりかのオールバック

これは遊びで撮ってもらったカットなので、おそらくジャケットには採用されないけど、これはこれで結構好きかも(笑)。

最後のオールバックでの撮影も終わり、これで約1時間半のジャケット撮影もすべて終了。

竹田さんの思い描くアイデア通りのジャケットになれば、すごく面白くて格好いいCDジャケットになるはず。

撮影を終えてスタジオの外に出ると、もうすっかり夜になっていて、さっきまでのライブの喧騒も熱気も、何だか遠い過去のことのように思えて来た。
しかもこの日はすごく暖かくて、上着も無くていいぐらいだった。

デスカマッジのスタッフの皆さんにお礼を言って、慌ただしくスタジオを後にする。
撮影が終わるのを車の中で待っていてくれた、エンジニアの玄ちゃんに詫びて、ようやく一息つくと、どっと疲れが襲ってきた。
でもライブも撮影もすごく楽しかったから、全然苦にならなかった。

玄ちゃんの運転する車で深夜に帰宅。さすがにもう何もする気になれず、お風呂に入って即撃沈。

CDのジャケットの完成が今から超楽しみだなぁ。
もちろん音の方も楽しみだし、ジャケットに負けないサウンドにしたいと改めて思った。

どんなジャケットになるのか、皆さんも楽しみにしていてくださいね!

続く。

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