ちょっとだけ寂しかったこと
ズカンフル罪のツアーも終わり、また自分のソロレコ発ツアーの日々が始まった。
先日、ズカンフル罪の名古屋公演のライブ終了後に、グッズをお買い求めいただいた方へのお礼の一環として、サインと写真撮影をしていた時のこと。
サイン会の列に並んでいた方から不意に声をかけられた。
「あのぅ、クラブサーフ&スノーバウンドに参加してた人ですか?」は??もう一度聞き返してしまった。
「クラブサーフ&スノーバウンドに参加してた人ですか?」
「は、はいそうですけど」
一瞬、何を聞かれているのか分からなかった。
まぁ、たしかに参加はしてるけど(笑)。
その方の態度と雰囲気から察するに「この町支、古村と一緒に並んでにサインを書いている男は、どっかで観たことや聴いたことはあるような気がするけど、今ひとつ誰なんだかよく分からない。あ、でもそういえば浜田省吾のクラブサーフ&スノーバウンドに名前と写真が載っているヤツに似ていないこともないな、ちょっと本人に確認してみようかな」
というようなことだったのではないかと推測される。まったく悪気は無い感じで尋ねてきたので、本当にぼくのことを知らなかったのだろう。
でもその言葉を聞いて、ぼくは軽いショックを受けた。
「そうか、ズカンフル罪なんて名前を付けて、浮かれて(別に浮かれていないけど)楽しそうに(楽しかったけど)ライブをやっても、1990年以降に浜田省吾さんのファンになった方からしてみたら、ぼくの存在などはその程度の認識なのだな」
まぁ、今も現役の浜田バンドのメンバーと、35年以上も前に浜田さんのバンドを離れている元メンバーの自分では、認知度が段違いなのは当然のことだよな。
ぼくはまだ自分がみんなに認知されているのだと、少し思い上がっていたのかもしれない。
古村くんとぼくのユニット「ズカルフ」と、町支さんと古村くんのユニット「カンフル罪」が合体して、それぞれのレパートリーを一緒にコラボしたら面白そう、しかも3人は元The Fuseのメンバーでもあるし、町支さんがソロとしてデビューした時のツアーのメンバーでもあったのだから。
そしてサプライズで当時のFuseの曲をやったらみんな喜んでくれるのでは?などと言うことも企だてて、東京、神戸、名古屋とツアーをやったのだが、なんだか最後の最後に現実を思い知らされたような気がして、ぼくはちょっとだけ寂しかったのであった。
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