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『おかえりモネ』 楽曲解説

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NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』のオリジナル・サウンドトラック楽曲解説です。
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『おかえりモネ』 楽曲解説 6

いよいよ最後の6枚目。 百音が気仙沼に戻ってからの楽曲がメインです。 (この後、追加集として「7」「8」を11月末に配信のみでリリース予定です。CDに入りきらなかった曲をほとんど全て収録しましたのでお楽しみに!) 1. かがやき- ハミング (歌:アン・サリー) Kagayaki - Humming 18曲目に収録した『かがやき』という曲のハミング・バージョンです。 歌詞ありかなしかの違いなのですが、間奏部分のアンさんの歌が素晴らしく、どうしてもこの曲から始めたくて収録

『おかえりモネ』 楽曲解説 5

サントラ5枚目の解説です。 百音たちが地球規模の気候変動による次々と襲い掛かる未曾有の自然災害に気象予報士としてどう対応していくのか、シリアスな曲も増えていきます。 1. はじまりの道 Beginnings 百音のテーマ曲『あすなろ』のバンド・バージョンです。 バンドは、岡田寝具の3人。 4つ打ちでエレキギターをかき鳴らす、ちょっと懐かしいアレンジにしたいと大まかな方向性だけお伝えして、細かなアレンジはバンドにお願いしました。 僕が思春期に映画や音楽から受けた影響が素直

『おかえりモネ』 楽曲解説 4

サントラ第2集、4枚目。 前半は、百音が東京に出て羽ばたいていく前向きな曲を集めました。 後半は、汐見湯でのゆったりとした日常を。 1. 空の物語 (歌:坂本美雨) The Story of Sky 東京篇の大きなテーマとして、「空」が掲げられていました。 (登米篇では、「循環」「山」「海」というテーマでした) 「空」というのは、山と海をつなぐ空であり、百音が気象予報士として東京で羽ばたいてゆく、希望に満ちた空です。 登米篇で作っていた『あすなろ』というメロディー

『おかえりモネ』 サウンドトラック 第2集

NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』、最終回を迎えましたね。 素晴らしい作品に関われて、幸せだったとしか言いようがありません。 音楽制作は、昨年8月頃から作曲がはじまり、今年の8月に録音ミックスが終わるという丸々一年をかけたプロジェクトでした。 サントラ第2集は「東京篇」と「気仙沼篇」の楽曲を中心としています。 第1集が既に3枚組だったのですが、再び3枚組という、、。 4枚目、5枚目、6枚目という呼び方にしましたが、これでもまだ収録しきれなかった楽曲が溢れていますので、追

『おかえりモネ』 楽曲解説 3

3枚目のテーマは、「山」。 1. あらたま(歌:太田美帆、小松陽子、根本理恵、森ゆに) Aratama 坂本美雨さんが歌ってくれた『天と手』にコーラスをつけていただいたのですが、そのコーラス部分のみを切り取って曲にしました。 美雨さんの歌声を見守るように自由に歌っていただきました。 2. 生にゆだねる Believe in Life 『環』のピアノ・バージョンは幾つかあるのですが、そのひとつです。 ピアノは弾くたびに変わってしまうので、録音していないと何を弾い

『おかえりモネ』 楽曲解説 2

サントラ2枚目の楽曲解説になります。 2枚目のテーマは、大きくは「海、命」。 1. 来光(歌:高木正勝) Raiko 「海」のテーマ曲です。 ドラマで使われているのは、アン・サリーさんが歌うバージョンなのですが(第2集に収録予定)、こちらは僕のデモになります。作曲した時のそのままの録音です。 どういう曲なのか、アンさんに送った文章があるのですが、そのまま載せてみます。 震災の話がでてきます。 あれから10年経ちましたが、あらためて当時の映像などを見返すと、とても

『おかえりモネ』 楽曲解説 1

まずは、サントラ第1集の1枚目から。 1枚目は、百音をイメージした曲を中心に集めました。 1. 環 Tamaki 『おかえりモネ』の音楽を作るにあたって、いくつか大きなテーマが用意されていたのですが、一番のテーマは「循環」です。 循環には、いろんな意味合いがあります。 ひとつは、山と海と空を水がめぐりめぐる自然の循環。 もうひとつは、主人公の百音の小さな羽ばたきが、やがて大きな風になり、いろんな人たちを変えていく、そしてまた新しい風になって戻ってくる。人が生み

『おかえりモネ』 サウンドトラック

NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』オリジナル・サウンドトラックの簡単な解説をしていこうと思います。 既に発売されたサントラ第1集は、いきなりの3枚組。これらの曲は、物語の三分の一、登米編の脚本だけを元に作った曲たちです。 第2集も準備しているのですが、そちらも3枚組の予定です。こちらは、東京編、そして気仙沼編の音楽がメインになっています。 全部でCD6枚。 それでも入りきらない曲がたくさんありまして、よく作れたなとびっくりしています。 ものすごい曲数になりましたが、