バルバッティン『転校生』編
1:1台本
役表
レイ♂:
バルバッティン♀:
レイM:
ひどく疲れていた。
まばたきをすると、一瞬意識が遠のくほど、疲れていた。
まぶたの裏に、星が飛ぶ。
それでも働いているのは、結婚するため。
おれには、父母がいない。
かわいい、かわいいと手塩にかけて育ててくれたのは、
祖父母だった。
そんな恩人も、もうこの世にはいない。
「お嫁さん、もらうんだよ?
この世につないでもらえるのは、家族だけだからね。」
そう言われて育ってきた。
それが正しいと信じて、生きてきた。
だから、おれは、働く。
家族をもつために、働くのだ。
雪のちらつく屋上から、
この『学校』という小さな箱庭を見つめる。
遠くでチャイムの音がする。
さあ、午後の授業を始める時間だ。
バルバッティン:「先生。…先生。」
レイ:「…ん?なんだ、なにか用か?」
バルバッティン:「屋上、立ち入り禁止ですよ。」
レイ:「なんだ…見てたのか。」
バルバッティン:「うふふ…見ちゃいました。」
レイ:「先生には言うなよ?…内緒だぞ?」
バルバッティン:「先生には言うな?じゃあ、先生はなんなんですか?」
レイ:「〈声をひそめて〉だから、ほかの先生には言うなよってことだよ。」
バルバッティン:「屋上で、たばこでも吸ってたんですか?」
レイ:「いや…べつに。なんでもないよ。」
バルバッティン:「たばこはやめたほうがいいですよ。
お父さん、肺がんで亡くなったんでしょ?」
レイ:「なんでおまえが知ってるんだよ?」
バルバッティン:「そんなの、自分が話したんじゃないですか。」
レイ:「先生、そんなこと言ったかなあ。」
バルバッティン:「ふふふ…自分で自分のこと、
先生っていうの、癖なんですか?」
レイ:「ああ、先生なんだから。間違いじゃないだろ。」
バルバッティン:「わたしがここで、制服脱いだら、どうします?」
レイ:「おい、なに馬鹿なこと言ってるんだよ!」
バルバッティン:「先生。あわてないで。脱がないから。」
レイ:「おまえ、どうかしてるんじゃないか?
先生をからかうもんじゃないぞ。」
バルバッティン:「わたしね、この学校に来て、
よかったって思うこと、みっつある。
そのひとつは、先生を見つけたこと。」
レイ:「ああ。そういえばおまえ、転校生だったな。」
バルバッティン:「そういうの、無神経に言うの、どうかと思いますよ。」
レイ:「『転校生』って、無神経かなあ。最近の言葉狩りには参っちゃうよ。」
バルバッティン:「先生だって、
『新任教師』っていつまでも言われたら、いやでしょう?」
レイ:「いや、それはいやだけども。
『転校生』って、なんかこう、青春じゃないか。」
バルバッティン:「ああ、言葉使いがちょっと違ったりして、
こっちの方言なんかわかんなかったりして。
ミステリアスなんでしょ?」
レイ:「そう…まあ、そういう面もあるな。」
バルバッティン:「妙に都会っぽい雰囲気出してたりしてね。
しかも、親の都合で転校なんかしてるもんだから、
どっか大人びて見えるんだよね。」
レイ:「…よくわかってるじゃないか。自分のこと。」
バルバッティン:「自分のこと?何言ってるんですか。
先生。わたし、もう新しい転校生来たから、その役割は終わったのよ。」
レイ:「転校生?何組だ、そいつ。」
バルバッティン:「7組の、ミヤモトヒビキちゃん。先月転校してきたんだよ?
そういうのって、先生、知らないんですか?」
レイ:「ごめん、10クラスもあるんだ。まだ全員覚え切れなくてな。」
バルバッティン:「じゃあ、わたしの名前は?」
レイ:「おまえはわかってるよ。いつも昼休み、ひとりで化学室に行くよな?」
バルバッティン:「べつに、化学になんか、興味ないですけど。」
レイ:「いや、昼休みに理科棟に来るなんて、変わってるなあって思ってたんだ。」
バルバッティン:「そこからだとね、職員室の話がよく聞こえるんです。」
レイ:「職員室?なんで職員室なんか、興味あるんだ?」
バルバッティン:「わたし、子供だと思ってたら大間違いですよ。」
レイ:「いやいや、大人ではないだろう。職員室覗くなんて、先生に失礼だぞ。」
バルバッティン:「わたしね、汚い大人にはならないんです。
だから、大人の人に興味があって。」
レイ:「子供じゃないとか、大人じゃないとか、いったいどっちなんだ。」
バルバッティン:「わたし、もうすぐ、いなくなるんです。」
レイ:「え、おまえ、また転校するのか?お父さん、転勤族か?」
バルバッティン:「またそうやって決めつける。
名前もろくに覚えてもらいないまま、
わたしはいなくなるんです。」
レイ:「そうか…。すまん。なにか、相談があったら、先生にいえよ?」
バルバッティン:「その『先生』って、どっちの先生ですか?」
レイ:「どっちって?」
バルバッティン:「自分のことなのか。ほかの先生なのか。」
レイ:「先生は、おれに決まってるだろう。」
バルバッティン:「また自分のこと『先生』って言ってる。」
レイ:「わかりきったこと、聞くな。」
バルバッティン:「先生、次の授業、行かないんですか?」
レイ:「午前の最後が体育の上、午後の一限目が数学だぞ。大半寝てるだろ。」
バルバッティン:「先生は、なんで眠くならないの?」
レイ:「眠く…ならないことも、〈あくびをする〉…ない。」
バルバッティン:「先生…?顔色悪いですよ。どうしたんですか?」
レイ:「なんか…ちょっと疲れててな。」
バルバッティン:「ねえ、ちょっと、保健室行こう?本当に気持ち悪そう。」
レイ:「大丈夫、大丈夫。さあ、おまえも授業、行くんだぞ?」
バルバッティン:「なに言ってるの。わたしは先生を守るの。
ずっと、一緒にいよう?」
レイM:
渡り廊下の途中で、突然おれは抱きすくめられた。
チャイムの残響も鳴り終わり、午後の授業は始まっている。
廊下は、静まりかえっていて、おれは、彼女を止めることができた。
なのに、しなかった。
疲れていたのだ。あまりに疲れていた。
試験の採点も期限が迫っていたし、受験生の面談も控えていた。
とにかく、やることが山積みで、
おれはあまりにもいっぱいいっぱいだったんだ。
そう、いいわけをしておく。
彼女のふわっとした腕に包まれたとき、一瞬目を閉じた自分がいた。
なんて心地いいんだろう。
こころが折れる瞬間は、優しさに触れたときだ。
おれは、あきらめて、保健室へ行くことにした。
そうしないと、あまりにも、決まりが悪かったからだ。
バルバッティン:「先生。先生?…どうしちゃったのよ。」
レイ:「…いや、疲労がたまってただけだ。
こんなの、寝れば、すぐによくなる。」
バルバッティン:「寝れば、…ね。もう3時間半寝っぱなしでしたけど。」
レイ:「え!今何時だ?」
バルバッティン:「もう、午後の授業、終わってますよ。」
レイ:「…そう、か。
〈大きなため息をつく〉…そんなに、寝てたか。」
バルバッティン:「どのくらい、寝てなかったんです?」
レイ:「最近、睡眠時間削ってたから〈大きなあくびをする〉」
バルバッティン:「だけど、ふふふ。
先生、かわいい寝言言ってましたよ。」
レイ:「おまえ、まさか、ずっとここにいたのか?」
バルバッティン:「はい。とくに興味のある授業がなかったもので。」
レイ:「だからって、先生をいいわけに授業サボるもんじゃないぞ。」
バルバッティン:「それ、やめたら?」
レイ:「え?なにを?」
バルバッティン:「おれって言うときの先生のほうが、なんかいい。
自分で先生って言うと、なんか、…かわいそうで。」
レイ:「おまえ、けっこう失礼なこと言ってるぞ。」
バルバッティン:「わかってます。ねえ、先生。
先生のこと、名前で呼んでいいですか。」
レイ:「はあ?なに言ってるんだ、おまえ。」
バルバッティン:「今だけ。今だけ、ここだけ、ほかの先生には言いません。」
レイ:「だめに決まってるだろ。」
バルバッティン:「…先生、覚えてないんだ?」
レイ:「なにを?…あ、寝言か!?」
バルバッティン:「かわいかったなあ。思わず、レイくんって呼びたくなるような。」
レイ:「名前呼びって、下の名前かよ…。勘弁してくれ。」
バルバッティン:「先生。いや、レイくん、大丈夫、ばあばはここにいるよ。」
レイ:「おれ、『ばあば』なんて言ってたのか!?」
バルバッティン:「うふふ…。参っちゃうでしょ。」
レイ:「おまえさあ、なんか面白がってるだろ。」
バルバッティン:「いいえ。とんでもない。
先生にだって、レイくんだった時代があるって、
ちゃんとわかってますよ。」
レイ:「おまえは…あれだ。転校生だからな。
そういうの、大人びてるって言うんだよ。」
バルバッティン:「わたしが大人びてるって言ったのは、
ミヤモトヒビキちゃんのことなんだけど。」
レイ:「おまえのほうが、たぶん、おれより、
…大人びてるよ。」
バルバッティン:「先生。いや、レイくん。」
レイ:「だから、その呼び方やめろ!」
バルバッティン:「覚えてる?
この学校にきて、よかったって思うことが、
みっつあるって言ったでしょ?」
レイ:「ひとつめは、おれ。あとふたつは?」
バルバッティン:「ふたつめは、制服が軽いから。」
レイ:「なんだ、はは!そんなことか?」
バルバッティン:「そんなことじゃないですよ。大事なことです。
女子の制服って、思ったより重いんですよ?
プリーツとか、布が多いし、長くないと、校則違反だし。」
レイ:「だけど、そんなの、どこの学校もそう変わらないだろ。」
バルバッティン:「あとね、制服には意味があるの。
大人は手出しできませんって。ね?罪が重いと思わない?」
レイ:「あはは…確かに、女子高生の制服って、なんか、重いな。
いろんな意味で。」
バルバッティン:「レイくん、この制服、脱がせてみない?」
レイ:「ちょ、おまえ!しー!なんてこと言うんだ!」
バルバッティン:「なにエッチなこと考えてるんですか!
私服のわたし。
見たくないですか?」
レイ:「…それはそれで、問題あるだろ。」
バルバッティン:「先生。わたしはいなくなるって言ったでしょう?
本当に、もう、この制服、着なくなっちゃうんです。」
レイ:「え…。おまえ、学校、やめる、…とか?
そういう話か?」
バルバッティン:「うふふ、大丈夫。わたし、タフだから。」
レイ:「家の事情か?なんだ?
高校も出ないで、どうするって言うんだよ?」
バルバッティン:「結婚するんです。」
レイ:「…はあ?」
バルバッティン:「古い家でね。許嫁(いいなずけ)、みたいなのがいて。
しきたり…的なものがあるんです。」
レイ:「そんなの、今の時代、個人の意思の問題だろう。
おまえは、それでいいのか?」
バルバッティン:「はい。それで、いいんです。」
レイ:「…みっつめ。みっつめは、なんだ?」
バルバッティン:「え?」
レイ:「この学校に来てよかったこと。みっつめは、なんなんだよ?」
バルバッティン:「…ミヤモトヒビキちゃんに会えたこと。」
レイ:「…?それって、仲良くなったってことか?」
バルバッティン:「やだなあ。…先生。察してよ。」
レイ:「…察してって、いや、まったくわからないんだが。」
バルバッティン:「…わたしの、初恋。」
レイ:「…ミヤモトヒビキって、男なのか?」
バルバッティン:「だから、…察してよ。」
レイ:「いよいよわからないんだが、
それって、いいことなのか?」
バルバッティン:「すっごく、いいことだよ。
ミヤモトヒビキちゃんを、
ちゃんと女として好きになれたこと。
誇りに思ってる。」
レイ:「だけど、おまえは、嫁に行くんだろ?」
バルバッティン:「先生。思い出って、きらきらしてない?」
レイ:「思い出…?きらきら?…そうだったっけな。」
バルバッティン:「わたし、変わり者みたいに言われるの、慣れてるけど、
ずっと、自分が変わり者だってこと、恥じてたんだ。」
レイ:「それが、ミヤモトに出会って、変わったのか。」
バルバッティン:「そうだよ。あとね。
さっきも言ったけど、先生に出会ったことも。」
レイ:「初恋は、先生じゃなかったか。はは!
そこまでベタじゃないよな。」
バルバッティン:「(声をひそめて)先生はね、
わたしと同じなんだって、知ってるよ。」
レイ:「え…?それって、よくわかんないな。」
バルバッティン:「先生は、片桐先生に恋をした。」
レイ:「…おまえ、ちょ、なに言ってんだよ?」
バルバッティン:「片桐祐介先生。もう、先生は祐介って呼んでる?」
レイ:「呼んでるわけないだろ!
…片桐先生は、年上だし。」
バルバッティン:「…だし?」
レイ:「結婚、してるし。」
バルバッティン:「…るし?」
レイ:「片桐先生は、男だ!」
バルバッティン:「だから、わたしと同じだって言ったでしょう。
もう、見てたらわかるんだから。」
レイ:「どこまで知ってる?うわさ話か?みんなにばれてるのか?」
バルバッティン:「落ち着いて、先生。わたしは誰にも言わないし。
もう一生この言葉は口にしない。
先生の目線は、片桐先生しか追ってないよね。」
レイ:「…うそだ。これはなにかの間違いだ。」
バルバッティン:「わたしはね、先生を見つけたとき、どきっとした。
鏡を見てるみたいだったから。」
レイ:「おれですら、よくわかってないこと…。
おまえは簡単に言うんだな。」
バルバッティン:「つらそうだったから。
先生、具合が悪くなるくらい、我慢してたんでしょう?」
レイ:「ただの、睡眠不足だって言ってるだろ。」
バルバッティン:「寝言。『ばあば』なんて、嘘だよ。」
レイ:「おまえ…!ちょっと待て待て、その先は聞きたくない。」
バルバッティン:「『ゆうすけ』って。片桐先生の夢、見てたんでしょう?」
レイ:「…ばか。おまえは意地が悪い。」
バルバッティン:「はい。わたしは、ときどき、意地悪をします。
うふふふ」
レイ:「なんで、そんな、笑ってられるんだ?」
バルバッティン:「だって、わたしはもう初恋を知って、
先生の気持ちが痛いほどわかるから。」
レイ:「おまえ、本当にこのまま結婚しちゃうのか?
そんな生活、耐えられるのか?」
バルバッティン:「…嘘つきは死ねばいい。」
レイ:「え?」
バルバッティン:「ミヤモトヒビキちゃんが、言ったんです。
転校したてのとき、ちょっとしたデマを流されたみたいで。
怒ってみんなに言ったんです。
嘘つきは死ねばいいって。」
レイ:「死ねばいいなんて、簡単に言うもんじゃない。」
バルバッティン:「だったらさ。先生、わたしに死なない魔法をかけて。」
レイ:「落ち着いて。大丈夫。おまえは、死なない。」
バルバッティン:「先生の口から、言ってほしいの。
わたしは結婚できませんって。
わたし、どうしても、自分で言う勇気がない。」
レイ:「…やっぱり、無理してたんだな。」
バルバッティン:「先生もでしょ?
倒れるまで人を好きになるって、どういうこと?」
レイ:「死ぬ覚悟で、結婚しようとしてるやつが、
なに言ってんだ。」
バルバッティン:「うふ…うふふふふ。」
レイ:「まったく…ふふ…ふふふふ」
バルバッティン:「先生、わたしを今日、送って行ってくれませんか。」
レイ:「そうだな。もう遅いし、車、出すよ。」
バルバッティン:「そんなのいや。先生と帰る、最後のチャンスだもん。
わたしの自転車で、送って。」
レイ:「年明けたっていっても、まだ2月だぞ。寒いよ。」
バルバッティン:「先生だけ、車なんて、ずるい。」
レイ:「だから、一緒に車で帰ろうって言ってるんだよ。」
バルバッティン:「じゃあ、明日わたしを迎えに来てくれるんですか?」
レイ:「うっ…。わかったよ、送ればいいんだろ、送れば。」
レイM:
外に出ると、羊雲に夕焼けが胸を打つほど懐かしかった。
ああ、こんな時間に、自転車で二人乗り。
もちろん、思い出の中のそれは、男友達となんだけど、
なんだか、泣きだしたいような、せつない気持ちだった。
制服だった頃、そうだな。制服は、重かった。
男子と女子。ひと目でわかるだけに、重い鎧だった。
バルバッティン:「先生、お待たせ!」
レイ:「おまえ、カバン取ってくるっていつまで待たせる…」
バルバッティン:「…どうかな?似合う?」
レイ:「似合うって、おまえ、制服はどうしたんだ。」
バルバッティン:「うふふ、捨ててきちゃった。」
レイ:「なんで、そんな…明日から、どうするんだ?」
バルバッティン:「ジャージ。ジャージでいいよ、しばらく。」
レイ:「あのなあ、おまえ、私服持ってきてるなんて、聞いてないぞ。」
バルバッティン:「え…?みんなやってるよ。
制服だと、入れないとこも、あるし。」
レイ:「この不良娘!」
バルバッティン:「先生だって、不良じゃん。」
レイ:「なにがだよ。」
バルバッティン:「二人乗り。禁止になったの、知らないの?」
レイ:「あのなあ、だったら車で帰ろうぜ?」
バルバッティン:「あと、屋上の喫煙。
先生がたばこ吸わないことくらい、知ってるよ。
なのに、無理して片桐先生に付き合ってさ。
見てらんないよ。」
レイ:「そんなとこまで…見てるなよ。」
バルバッティン:「うふふ、職員室の会話、
化学室からつつぬけだって、言ったでしょ?」
レイ:「あーもう、おまえはめんどくさいなあ。
早く乗れよ。」
バルバッティン:「あー!いち番星。」
レイM:
ふと、目を上げると、北の空に、ひときわ輝く北極星が輝いていた。
遠いなあ。
こりゃ、帰るころには、どっぷり日が暮れてるな。
レイ:「おい、早く乗れよ。」
バルバッティン:「乗ってますよ。」
レイ:「…おい。なにやってるんだ。」
バルバッティン:「先生。こっちですよ。」
レイM:
声がするほうを振り返ると、そこには、小さな小さな生き物が、
自転車の前かごに乗っていた。
バルバッティン:「ごめんね。わたし、バルバッティン。
こんな箱庭、二人で壊して逃げちゃおうよ。
どこまでも行こう。
どこまでも、一緒に。」
レイM:
そのとき、わかったのだ。
本当はおれはどうしたかったのか。
おれは、自転車のライトをつけると、
北極星へと向かってこぎ出した。
バルバッティンを前かごに乗せて、
それは、未知への旅立ちだった。
END
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