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【短歌鑑賞】白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 牧水

近代短歌の鑑賞記事も増やしたい!

と、最近思っているmasajyoです。今のところ俳句鑑賞の記事が多く、百人一首や和歌なども日本古来の味わい深い文学作品で取り上げたいものたくさん!ですが、正岡子規大先生以降の近代短歌もたくさん取り上げたいと思います。現代短歌よりも情景描写が優れていると個人的には思っていますから、是非味わっていただきたいと思います。

教科書の短歌で覚えている短歌

白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 

若山牧水の歌。国語の教科書でも載っていたので諳んじれる方も多いことと思います。この短歌の凄いところは白鳥に自身の心情をたくしつつ、その状況を自然を使って表現しているところ。

空の青、海のあをにも染まらない白鳥は、悲しいんだろうか。いや、でも自分をもって自分の道を飛んでいるようにも思えます。歌を詠む側の人間がもし、何かの岐路に立たされていれば、白鳥の気持ち、よくよく感じうることでしょう。

若山牧水という人はどんな人だったんだろう。

暗記のためにお名前を憶えていたという何とも失礼なお話ですが、この白鳥の名歌を作った牧水とはどのような人であったのでしょうか。

明治18年から昭和3年までを生きた歌人。宮崎県日向市のお医者さんのお家にお生まれになりました。早稲田大学時代には北原白秋とも友人関係を結んでいたそうな。晩年は千本松原に魅せられて静岡県沼津市で過ごした。旅と酒を愛した人間であった。全国各地で歌を詠んでいる。

詩歌雑誌「創作」を26歳の時に創刊するが、文筆活動だけで生計をたてていたのだろうか。

白鳥は「はくちょう」ではなく、「カモメ」らしい

思いっきりイメージ写真を白鳥にしてしまいましたが、牧水の歌は「しらとりはかなしからずやそらのあお」と詠むので、カモメのことらしいのですね。カモメとなると旅情感も出てきますね。

筆者もよく心が疲れたら海へ行きます。今度浜辺で海を眺めるときは牧水の歌が脳裏をよぎることでしょう。ちなみに、歌の「しらとり」は決して孤独ではないと私は思います。みなさまは?

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