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中国語検定HSK6級とHSKK高級を受けてみた

試験を受けるまでの経緯

僕は彼女が中国人で、大学4年生になる年である2018年の3月から中国・深圳という都市に住んでいます。最初の1年間は大学の交換留学プログラムを利用し深圳大学で中国語を初歩から学びました。1年間の留学が終わる前にHSK5級に合格していました。

その後は現地で就職し、2022年2月までは現地企業で日本語と英語(たまに中国語)の翻訳の仕事をしていました。当時属していた部署が外国人のみだったので、基本的に英語でやり取りしていました。そのため、中国で働いていましたが、それほど中国語を使う機会がなく、ある程度聞き取れてもそこまで自信をもって話せませんでした。

2022年3月から深圳でアメリカ系の監査法人で働いています。中国オフィスにいる外国人は自分だけですので、やり取りは基本中国語です。上司の説明をしっかり聞いて、わからないときは積極的に質問しないと、いつまで経っても仕事が終わらないので、間違っていてもいいので中国語でコミュニケーションを取り、かなり専門的なことのみ英語でやり取りしています。
初めは大変でしたが、1年半も働いていると慣れてきました。この仕事を通して監査や会計の専門知識がついたのはもちろんのこと、中国語の能力がかなり上がったと思います。

もう5、6年深圳にいるのでそろそろ別の場所に移るのもありかもと考えており、中国を離れる前にHSK6級まで取っておこうと思い今回受験に参加しました。
ネットで調べてみると、12月の頭に年内最後の試験があり、申込日がちょうど翌日までだったので、すぐに申し込みしました。

ちなみに、2019年1月にHSK5級を取得して以降は、仕事や日常生活で中国語を使う以外に特に中国語の勉強はしていませんでした。

HSK6級 & HSKK高級

HSK6級は聞き取り、語彙・読解、作文の3部分に分かれています。試験時間は聞き取りが40分弱、語彙・読解が50分、作文が45分で、配点はそれぞれ100点です。また合格点は60%以上ですので、合計で180点以上で合格ということです。調べてみると今はHSK7-9級までありますが、7-9級は中国語の通訳者など向けのようですので、依然として一般的な中国語学習者の場合、HSK6級が最上位のようです。

もともとHSK6級を受験するつもりで申し込みを進めていると、支払いのページで手が止まりました。事前の調べでは、HSK6級は650元くらいのはずでしたが、表示されている金額は1,200元です。試験を選び間違えたかもと思い、もう一度試してみましたが、やはり1,200元です。

そこでよくよく見てみると、HSK6級とHSKK高級がセットになっており、HSK6級のみを受けることはできないみたいです。

ここでHSKKについて説明します。こちらは中国語の話す能力を測る試験です。初級、中級、高級となっており、HSK6級に対応するのが高級です。試験の形式はパソコン形式で、問題文が中国語で読まれ、2.5分など決まった時間内で答えを中国語で答えますが、それがパソコンに録音され、採点されます。人と話すわけではないので緊張感はありませんが、自分が話していることに対する反応がないので、話していることがあっているのかわからないですね。試験時間は30分弱です。

HSKの勉強方法

申込日から試験まで10日ほどしかなかったので、まずは過去問を解いてみました。聞き取りは初めてで7割近く取れ、語彙・読解は初めてで7.5割くらい取れました。やはり中国語を仕事で使っているからか思ったよりも出来がよかったので、基礎の勉強はせず、過去問を使って勉強することにしました。

本格的に勉強を始める前に他の人がどうやって勉強しているかをネットで調べてみました。過去問については以下のYouTubeの動画で入手できました。おすすめです。

以下HSK6級の聞き取り、語彙・読解、作文のそれぞれの勉強法を書いていきます。

まず聞き取りについて、過去問を解いて採点し、その後テストで流れた音声のスクリプトを見ながらもう一度音声を聞き、聞き取れなかった箇所を確認しました。音声の中で知らない単語が出てきたら意味と発音を調べるようにしました。

続いて語彙・読解について、調べてみると第一問の语病(4つの選択肢の中から間違えているものを1つ選ぶ問題)は難易度が高く、高得点を狙わないなら捨ててもいいと書かれていたので、そこまで力を入れて勉強しませんでした。语病は全部で10問ですので、すべて捨てても20点です。この语病の厄介なところは答えを見てもなぜそれが間違いなのかわかりにくいところです。そのため、僕は中国人の彼女に見てもらい、どこがおかしいのか教えてもらいました。僕が解いた過去問では、主語と動詞のつながりがおかしいもの、同じような意味の単語が2回出てきているもの、目的語などが欠落しているものなどがありました。
语病の次の第二問は文章の穴埋めで、4択問題です。ここは文章の前後の関係からある程度推測できます。単語の勉強をしていないのでけっこうわからない単語が出てきましたが、消去法で解いていました。試験まで時間がなかったので、この文章の穴埋めもわからない単語の意味と発音を調べるだけに留めました。
第三問と第四問は読解問題です。第三問は文章のうち5か所が空欄になっており、5個の選択肢からそれぞれの空欄に当てはまる文章を埋める問題です。5個の空欄に対して5個の選択肢なので一つでも間違えると、最低でも2か所は間違えてしまいます。第四問は単純な読解問題で、文章が5つほどあり、それぞれの文章ごとに4問ほど質問がついています。基本的に内容は難しくないので、時間さえあれば高得点が狙えます。僕は4回過去問を解きましたが、平均すると9割ほど取れていたと思います。第三問と第四問にもわからない単語は出てきますが、その単語がわからなくても問題は解けることが多いので、重要そうな単語だけ抜き出して意味と発音を調べました。

ちなみに僕はiPadを使って単語の意味を調べていましたが、読み方が分からない単語がある場合、手書き入力できるので便利でした。iPhoneでも手書き入力は可能ですが、画面が小さいので書きにくいです。

最後に作文ですが、まず10分間与えられ、1,000字程度の文章を読み、その内容をできるだけ暗記します。そして、10分間の準備時間の後、35分間与えられ、その文章の内容を400字程度にまとめます。
僕が思うに、この作文パートの攻略法は最初の10分間でできるだけその文章の内容を覚えられることです。メモを取ることが禁じられているのでけっこう大変です。僕は登場人物の名前、場所、時間、何をしたのか、結論は何かに注目して読み、暗記していました。また作文に題をつけないといけないので、その文章の中で題に使えそうなキーワードを見つけるようにしていました。
実際に作文していく上では、覚えたキーワードを入れつつ、自分が間違いないと自信を持っている文法を使って書くようにしていました。また、元の文章の段落分けに応じて、作文する際も段落に分けました。注意ですが、中国語の文章の書き出しは2文字分空けるそうです。

HSKKの勉強方法

今回初めてスピーキングのHSKKを受けるので、まずはネットでどのような形式か調べてみました。

高級の場合、問題は3つのパートからなり、第1パート听后复述は30-40秒ほどの音声を聞き、1分30秒ほどでその内容を説明するものです。全部で3問あります。第2パート朗读は中国語の文章の音読です。時間制限は2分間です。第3パート回答问题はある話題について2分30秒間自分の考えを述べる問題で、2問あります。

まず第1パートの听后复述が僕的には一番難しかったです。この問題はそもそも音声の内容が聞き取れないと、全然説明できないので、いかに音声の要点を押さえるかが鍵です。各問題ごとに音声が流れる時間を含めて2分ほど時間があるので、僕はできるだけ頑張って1分20-30秒は説明するように心掛けていました。聞き取れなった問題は音声のスクリプトを見てもう一度聞いて、その後で説明する練習をしました。HSKKについてはメモすることが認められているので、キーワードを日本語かピンインでメモするといいと思います。

第1パートの听后复述が終わると第2パート朗读と第3パート回答问题の準備のために10分間与えられます。僕は2分以内に第2パート朗读の準備を済ませ、残りの時間で第3パート回答问题の準備をするようにしていました。

第2パート朗读について、内容自体は難しくありませんが、それを中国語で流暢に読むとなると簡単ではありません。練習の際に毎回3、4個は読み方が不明確な単語がありました。とりあえずわからない単語があっても一回自分で読んでみて、その後彼女に読んでもらって自分が読めなかった単語の読み方を確認しました。それでもう一度自分で読んで、彼女に合っているかどうか確認しました。

第3パート回答问题について、話題は日常生活や社会問題に関するものなど幅広いです。2分30秒の時間が与えられており、準備時間の間に何を話すかきちんと決めておかないとなかなか2分30秒も話せません。
僕の準備方法ですが、1つの話題に対して3点から話すようにしていました。例えば、家を買うなら、貯金して買うか、それとも借金して買うかという話題があったとします。僕の立場が貯金して買うである場合、僕は①借金は精神的にきつい、②借金は経済的に重荷、③結婚して夫婦で貯金すれば負担が減る、という3点から説明します。このように1つの話題に対して3点準備しておけば、2分30秒話すのがそこまで難しくなくなりました。おすすめです。

また上記の問題1-3全ての練習に言えることですが、自分が話すのを録音することをお勧めします。そして、可能であれば、中国語ができる人に聞いてもらい、どこを改善すればいいか教えてもらえるとすごくいい勉強になります。

試験本番

前は深圳大学で受験できたのですが、今回の受験会場は深圳北理莫斯科大学で龙岗区にあり、僕の住んでいる宝安区からだかなり遠かったです。
当日は朝6時15分に起き、7時ごろにタクシーに乗って試験会場に向かいました。だいたい1時間かかり、110元くらいかかりました。

HSKの試験は9時からで、8時半から試験会場に入ることができました。

まず聞き取りの部分ですが、けっこう難しかったです。試験という緊張感もあり、1回しか音声が流れないので、かなり集中力がいります。いつもより出来は悪そうでしたが、60-70点は取れたかと思います。

続いて語彙・読解の部分ですが、この部分は時間配分が肝です。语病の部分はパッと見てわからない場合が多いので5分で切り上げました。次の空欄補充問題も結構難しく、わからないものは適当に選びました。この語彙の部分は合計で40点あるみたいですが、15-20点取れていれば個人的には大丈夫かなと思いました。
読解部分ですが、37、38分時間を残せたのでかなり楽でした。一部迷った問題もありますが、最低でも8割、上手くいけば9割近く取れたかと思います。そのためこの語彙・読解の部分も合計では60-70点は取れているかと思います。

最後の作文の部分ですが、文章の内容はそれほど難しくありませんでしたが、いくつか固有名詞が出てきており、10分以内に覚えきれない固有名詞がありました。35分もあるので時間的には余裕で、425字書きました。結論部分が若干不足していますが、基本的な内容はきちんと覚えられたので、70点くらいは取れているかと思います。

全体で見てみると、練習の時ほど楽ではありませんが、それでも合格点の6割(180点)は取れているかと思います。一安心です。

11時半までに試験が終わり、HSKKの試験は午後4時半からでしたので、5時間も待たなければならず、この時間が苦痛でした。
とりあえず持ってきていたパンを食べて、kindleで本を読んで、外に出て散歩に行き、音楽を聴いて時間を潰しました。

試験2時間前くらいにもう一度これまでやった過去問の話題について話練習をしてから試験に臨みました。

第1パートの听后复述ですが、難しい問題もありましたが、ある程度聞き取れたので、それを頑張って少しでも多く話しました。受験生全員が同じ部屋で受けるので、問題によっては他の人がすでに話し終えていますが、気にせず時間のかぎり話すようにしました。個人的にはなかなかの出来だと思います。

第2パート朗读について、ぱっと文章を見た感じ、読み方が分からない単語もあまりなかったので1分30秒くらいで簡単にない内容を確認してから、第3パート回答问题の準備に取り掛かりました。2題ともけっこう準備しやすい内容でした。

第2パート朗读ですが、少し詰まった部分もありますが、きちんと2分以内に読み終わることができたので、とりあえず合格点はもらえているかと思います。

第3パート回答问题について、きちんと準備できたので自信をもって臨むことができました。途中で少し時間が余りそうだったので、その場で内容を付け足しました。何度か言い直したり、文法的に間違っていることもあったと思いますが、2分30秒しっかり話すことができたかと思います。

試験結果

HSK6級とHSKK高級の結果が出ました。


HSK6級はリスニング63/100、リーディング64/100、ライティング65/100でした。HSK6級では公式に何点以上で合格か公表されていないようですが、他の級と同じく60点以上で合格と考えると、全項目60点を超えているのでなんとか合格できていました。リスニングとリーディングは思ったよりも点数が低く、ライティングはだいたい予想通りでした。

HSKK高級は68/100で、公式に60点以上で合格とされているので、合格です。けっこう練習したのでその成果が出てよかったです。

今回HSK6級とHSKK高級に合格でき一安心です。またこれまでよりも自信を持って中国語を使っていけると思います。

これで中国語の試験を受けるのは最後になるかと思いますが、今後は中国語のニュースを見たりして中国語の語彙力を増やしていきたいです。




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