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第73回税理士試験 - 財務諸表論

問題構成

財務諸表論は、理論問題が2題、総合計算問題が1題となっています。
総合計算問題の内容と範囲は簿記論と同じなので、簿記論を通して計算問題の練習をすれば、財務諸表論の総合計算問題対策になります。

理論問題は選択肢から答えを選ぶものと、記述するものがあり、記述する問題については理論をある程度暗記していないとできません。

勉強方法

基本的には簿記論と同様にSTUDYingという有料のコースを受講して勉強しました。計算問題はSTUDYingの講義を受けて、練習問題や確認テストを繰り返し、慣れてきたら時間を計って過去問を解きましたが、この方法できっちり対策できました。

理論対策としては、紙の本の方が便利だと思って野で、市販のTAC『税理士受験シリーズ 2023年度版8 財務諸表論 理論問題集 基礎編』を買って読みました。

このTACの理論集の使い方としては、まずSTUDYingの財務諸表論に理論の記述練習問題がついており、僕はこの問題に入っている論点が狙われやすいのかなと思い、出題されている論点をTACの理論集で確認するようにしました。

またSTUDYing独自の答案練習やTACの全国模試で出題された理論の問題を見てみると、引当金、退職給付、減損、棚卸資産などよく出ている論点があるとわかったので、試験前は頻出論点を中心に復習しました。

財務諸表論の理論暗記は一言一句丸暗記でなくてもよいとのことなので、TACの理論集を読んで、内容を自分の言葉で説明できる程度まで暗記しました。

試験本番

午前中の簿記論の試験が終わってから午後の財務諸表論の試験までは1時間半くらい時間があったので、おにぎりとパンを食べて、少し休んでから理論集を確認しました。

簿記論は総合計算問題が思うようにできず、落ちたかもと思っていたので、財務諸表論では簿記論のことを引きずらないようにするため、理論問題をできるだけ早く解いて、少しでも時間を多く総合計算問題に残そうと決めて試験に臨みました。

まずはさっと全ての問題に目を通してから、第一問から解き始めました。
第一問は、記号で答える問題が多く、記号問題は内容もけっこう簡単でした。財務報告の目的や資産・負債、収益・費用の定義に関するもので、テキストにも載っているものなのでサクッと解けました。第一問の記述問題は、固定資産の減損に関するものでした。臨時償却、回収可能価額、資産のグルーピングについての出題でした。回収可能価額についてはきちんと覚えていたのでほぼ満点の解答ができたと思います。臨時償却については、言葉としては聞いたことがありましたが、内容はわからないので、悩み過ぎず適当に書きました。そして、資産のグルーピングと減損の関係については聞いたことがなかったので、適当に連結会計との関連性から答えて、第二問に移りました。第一問に費やした時間は17分でした。

第二問は自己株式及び新株予約権と会計上の見積りの変更についてでした。問1の自己株式及び新株予約権の問題について、初めの自己株式の取得価額を求める問題で、取得にかかった手数料を加えていいのか迷い、最終的には加えませんでしたが、予想解答を見てみると、取得価額に含めるべきでした。理論の記述問題が2題ありました。自己株式を純資産の部において株主資本の控除項目として表示する理由については、しっかり覚えていたのでほぼ満点の解答ができました。次に、新株予約権を貸借対照表上どのように表示するかについては、少なくとも7割は取れる解答が書けたと思います。最後の株主資本の増加額に関する問題は、予備校によって回答が分かれているようで、僕の解答は106,000円で、ある予備校の解答と一致していました。問2の会計上の見積りの問題は記号選択問題、理論の論述問題、計算問題があり、記号選択問題と計算問題は満点でした。落ち着いて解けばとける簡単な問題でした。論述問題は見積りの変更についてプロスペクティブ法、つまり将来にわたって会計処理を行う方法が支持されている理由を答えるものでした。ここも時間をかけすぎず、大体6-7割もらえたらいいなという解答を書きました。第二問は、簡単な計算問題が出題されており、簡単であるがゆえに計算ミスのないよう慎重に計算したので24分かかりました。

さて、いよいよ第3問の計算問題です。当初の目標では85分残したかったのですが、79分残してスタートです。
まずは焦らず全ての問題にさっと目を通し、解くべきものにA、後回しでいいものにBと印をつけました。計算ミスさえしなければ2-3分で解ける問題が結構含まれているので、そういう問題から手を付けていくことが大切です。
今回は個別注記表が出題されており、内容はかなり簡単なものでアからエまでは計算なしですぐにわかるものだったので先に答えました。
また、事前に計算問題の解答用紙に目を通しておくことも大切です。解答用紙からどの部分の計算が必要なのか(例えば、退職給付の場合、貸借対照表の退職給付引当金の金額が求められているのか、それとも損益計算書の退職給付費用の金額が求められているのか)、どのような科目が使われているのかわかります。
僕はいつも得意な退職給付や従業員賞与から解き始めるようにしています。まずは自分の得意なところでしっかり点数を取ることで、いいリズムが生まれ、緊張感がほぐれます。
一回問題文を読んでよくわからない部分に時間を取られすぎるといけないので、飛ばしてすぐにわかるところからどんどん解いていきました。
貸倒引当金のところは答えを合わせるのが難しいので、破産更生債権等に該当するものだけを答えました。破産更生債権等については通常問題を見ればすぐにわかるようになっています。
時間配分がうまくいき、自信をもって解ける問題をすべて解いたので、そのあとは解いた部分の見直しをしてから、まだ手を付けていない問題に挑みました。

自己採点

計算問題が練習通りでき、理論の記述問題も見たことがあるものはある程度かけたので、合格したという手応えがありました。

自己採点してみると、第一問と第二問はともに14点前後、第三問は35点以上ということで厳しめの採点で、Net-Schoolのボーダーラインを超えていたので、合格かなと思っています。

今年は2023/11/30に結果発表があるので、結果が分かりましたら、また記事にしたいと思います。

ちなみに、以下は簿記論と法人税法についての記事です。


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