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楽しい記憶と【アレ】

『師走?』と勘違いしてしまうぐらのスピードで9月が過ぎていく。
前回の【LAMPフェス】の記事から2週間。長野から戻って平日は院に勤務して先週末は群馬県で開催されたニューアコへ。

ニューアコの記事も書き出したが、書き終える前に次の週末へ突入。今年のニューアコは台風接近で全日雨予報がまさかの全日晴れor曇り。奇跡的な全日開催でした。
ニューアコはテント泊なのでなんせ荷物が多い。駐車場から会場への道は坂道だらけで荷物を運ぶのがなんせハード。大人でも協力しないと運べないレベル。
インスタの投稿だけ見てれば最高な部分しか見えてこないが、SNSでわざわざそんなところをピックして書く人はいないので会場に来た人以外は分からない『しんどさ、大変さ』だと思う。【アレ】を除けば本当に最高のキャンプフェスだ。ただ【アレ】があるから最高の思い出になるとも言える。

ニューアコ会場は芝生が多く過ごしやすい
(普段はゴルフ場)
TOSHI-LOWさんへ元気に挨拶するともらえるシール
 夜のHEREステージ
昼間はTシャツ短パンで気持ちいいぐらいの最高の気温

『毎年参加しているニューアコ』


から大阪に戻り平日は院勤務のルーティン。         
そしてまた週末になると夜行バスに乗り込み地方へ。この週末は

『初めて参加するりんご音楽祭』へ。    

https://ringofes.info

長野県松本市で2009年から続く野外音楽フェス。
去年の11月に初めて訪れた長野県松本市、色んな縁があり今回マッサージのpopupで参加させてもらう事になった。

会場は松本市にある【アルプス公園】

アルプス公園の橋を渡るといきなり小さなステージが現れて一気に空気感が変わる。
この橋が『日常』と『非日常』の境目になっているようだった。大袈裟に聞こえるかもしれないが、一度会場に行ってみればこの表現がしっくりくると思う。
今回は長野全域の色んな店が集まり【パワーファミリー】というブースの一角でスタッフのケアをメインとしたpopupをさせてもらった。

ベッドはブース横に設置
DAY1の朝は霧が多く幻想的でした

台風15号の影響で初日は昼過ぎから撤収まで延々と雨が降っていた。至る所に泥濘みができて酷いところは田んぼみたいになっていた。

1日降った雨で会場が泥濘みだらけに

こういうとき、野外フェスに来ている人は
長靴みたいな【完全防備派】とサンダルで泥まみれ前提の【潔い派】に分かれる。
1人1人と喋る訳ではないが性格を表しているようで見ていて何か面白い。真夏であれば後者でもいけるが今回は9月末の長野、足が冷えると身体も一気に冷えるので今回は前者の防備派で挑みました。

向かいのブースだった京都の梅湯ブース
ユウキ君とアンディーは【潔い派】
ドリンクブースでりんごが買えるのも
りんご音楽祭ならでは(一個¥100)

夜になると気温も下がり『できたら着たくない』と思って持ってきたアウター達が大活躍した。
仕事しては合間にLIVE見に行って(そばステージならマッサージしながら音は聞けた)の繰り返し。
DAY1のラストは冒頭に書いたニューアコでたまたま知り合ったMONONO AWAREを見にりんごステージへ。
降り続いた雨で泥濘みエリアが広がり対策しても追いつかず場所によってはアーティストの動線が一般開放されたりもしていた。対応力のあるフェスだなと感じた。

MONONO AWAREのLIVE前

出会って1週間だけど色んな曲を聞いた。
『東京』の歌詞が凄く良かった,

撤収の時間まで雨は降り続き、心身共にクタクタ。
宿に荷物を置いて近くのスーパー銭湯へ。
疲れたら疲れるほど気持ちいいお風呂、準備は万端。

松本市内にあるスーパー銭湯『瑞祥』

りんご音楽祭〜瑞祥ステージ〜ぐらい出演者含めりんご音楽祭のお客さんで溢れていた。
『フェス』+『仕事』+『雨』の最強コンボで疲れ切った身体がお風呂で昇天。
宿に帰ってパワーファミリーメンバーで打ち上げ開始。
今回は松本市内にあるゲストハウス『tabi-shilo』をチームで貸し切って宿泊していた。

去年の11月に初めて松本に来た時に泊まった宿で、全ての繋がりが生まれた大事な場所。

どんどん人が増えていく

寝たい人は寝る、飲みたい人は飲む、こっからアフターパーティーに行く強者もいた。
何時まで飲もうが遊ぼうが起きる時間は皆同じ、8時に起床し会場へ。DAY2は雨はあがり曇りスタート。
それでも昨日降り続いた雨で泥濘みは改善せず。
朝からスタッフで協力して店前の環境を少しでも良くしようと試行錯誤。みんな楽しみながらやってた。

2日目登場したブースまでの一本道

天気も回復しDAY2スタート!

一発目のENTHが始まる頃には晴れてきた

パワーファミリーメンバーでもある、柿次郎、くうしんさん、大阪のロマン君によるトークショーもりんごステージ横で1日2回開催。これも他のフェスでは見かけない光景だ。音楽の話から松本のオススメディープスポットまで幅広い話をしていた。

りんご編集者ズトリオ
Huuuuの代表柿次郎は自伝
『おまえの俺をおしえてくれ』を出版したばかり

DAY2は友人知人もたくさん出演しておりLIVE前後にケアしに来てくれたのも嬉しかった。

スサシのチヨ

DAY2はDAY1の経験もありよりスムーズに、なんせ雨が降っていないだけでこんなにも快適なのかとお天道様の有り難みを感じる1日となった。
2日目の夜は宿に泊まってないメンバーや新しく泊まるメンバー含め総勢20人ぐらいで近所のお店へ。
全国色んな場所へ行くが『ローカルの事はローカルに聞け』これだけはほんまに間違いないです(価値観が近い人に限る)

台湾料理『香根』

タビシロに今日だけ泊まる『まいちゃん』という女の子がいて会場から帰りの車で初めましてやったんやけど話してたらなんと日を跨げば23歳の誕生日!
みんなでご飯行くから一緒に行こうと誘って0時前になったら近くのコンビニでカップケーキとロウソク(仏壇用)買ってサプライズ。
40オーバーのおじさん達に囲まれたサプライズ、色んな意味で記憶に残る誕生日になったんじゃないかな?笑

23本のロウソクを無理矢理刺したカップケーキ
火事レベルに燃えました
おじさんに囲まれて誕生日を迎えた23歳のまいちゃん

3時間前に出会った子の誕生日を祝おうって思えたのもりんご音楽祭マジックなのか、なんせ楽しくて印象的な時間だった。
そっから宿に戻って、りんご音楽祭『夜の部』という名の後夜祭へ。金土日と3日間全て本編にプラスして夜の部があるという電波少年的な顔も見せてくるりんご音楽祭。

土曜日行ったけど金曜日のタイムテーブルが貼られていた
スタッフの疲れを垣間見た瞬間

連日の飲みに流石に疲れ帰ろうと外に出たら知り合いのバンドマンが外で酒盛りをしていた。
疲れてたのに好きな人に会うとなんか元気出ちゃって『かんぱ〜い!』ってなっちゃい気付けば4時半。

最高だった松本ストリート飲み
ENTHを怖いと言い続けてたヤマトパンクス。笑

タビシロに帰ったのが5時前。さっきも書いたけどどれだけ遅く帰ってこようが出発して時間は変わらない…

タビシロの玄関
合宿所みたいな雰囲気

DAY3は晴天!
なんとか気合いで起きて目を覚ます為に外に出たらスタッフのハルキが靴の泥を落としているところだった。

タビシロ外観とスタッフのハルキ

Huuuuという編集社の社員であり今月長野市内にオープンした夜風というスナックの店長もしている。

他にもHuuuuの長崎やタビシロで助っ人として3日間働いていたケンタ、20代前半のスタッフが凄くいい。
初日から薄々気づいていたが3日目で確信に変わった。
3日間通して思った事をたまたま同郷の友人が同じタイミングで記事にしていたので貼り付けておく。

晴天になってりんごステージから松本市内が綺麗に見えてやっと山の上でやってるんだなと実感した。


DAY3りんごステージからの景色

良くも悪くも『慣れ』が出て1日のスピード感が増していく。仕事して遊んで気がつけばもう夕方。そしてすぐ陽が沈む。

夕方には綺麗なウロコ雲も見れた
毎日終演後に花火が上がった

りんご音楽祭(昼の部)が終了し、2日目の夜ぐらいからちょっと嫌になってきた【撤収の時間】。
ニューアコ同様、りんご音楽祭も坂道だらけ。故に荷物を持っての移動が続く。冒頭に書いた【アレ】の時間だ。
急勾配の坂道と階段の往復、そこそこ運動している自分でも脚にくる。
満身創痍の身体に鞭を打ちみんなで撤収を終えた。

パワーファミリーで出店していた小島さん
クタクタでもカメラを向けるとこの笑顔
この後長野市まで戻って(車で1時間)更に1人で降ろし作業…

ここまで小学生の日記みたいに長々思い出を綴ってしまったが、やっと今からタイトルにある【アレ】の話になる。
人によって個人差はあると思うが『楽しい記憶』に絶対セットになってる【アレ】は『しんどいや大変だった』という思い出。
実際この2日間も打ち上げや飲みの席でもみんな『初日の雨が大変でさ〜』とか『荷物持って坂道がしんどくて〜』とかそういうエピソードを話してる時間の方が確実に長かった。

ただ単に【楽しい】より
大変やしんどいをみんなで乗り越えての【楽しい】
方が確実に記憶に残る

思い出してみてほしい。学生時代も含めて、昔からの友達や知人と飲んだりする時も絶対に『失敗談』や『しんどかった』思い出の割合の方が多いはず。
ただ単にラクして楽しかった〜みたいな話はあまり出てこない。そしてそういう話は記憶にも残らないしなんか薄っぺらくて聞いてても面白くない。笑
そう考えたらしんどい時や大変な時も少しは楽しんで行動できると思う。そしてその『しんどい』や『大変』に参加しない人は後でその話にも参加しにくいし記憶にも残っていないはず。
だから自分の用意や撤収が終わったら積極的に周りを手伝う、より楽しい記憶にしたいから。
そういう意味では来年のりんご音楽祭でも『去年の雨は大変でさ〜』なんていいながらお今回のメンバーでお酒が飲めると思う。

そんな事を思いながらの最終日、しっかり後夜祭にも顔出して初参加のりんご音楽祭を終えました。

りんご音楽祭主催のsleeperさんが営む瓦レコード
ここが最終日の後夜祭会場だった

【番外編】

りんご音楽祭翌日の夜行バスで大阪に戻った。
松本最終日の昼はタビシロのキヨさん、奥さんのトモコさん、元スタッフのケンタと4人でTheSauceDinerへ。
松本を語る上で外せないお店。タビシロと同じく沢山の繋がりができた場所。

そっから風呂入って、急遽タビシロでマッサージpopupさせてもらった。バスまで時間があったのでタビシロに置いてたあった『スタッフオススメのお店』が書かれたファイルを見て気になった居酒屋に向かった。

アルプス口にある居酒屋『みっちゃん』

お店は繁華街とは逆サイドのアルプス口。
店も殆どなくて看板の電気は付いているが暖簾は中に入っている。でも話し声はする。
窓が開いていたので少し中を覗いてみると常連さんらしき中年男性が1人カウンターに座っていた。
せっかくなので扉を開けて『すいません、まだいけますか?』と聞くと窓から見えた常連さんが『ママまだいけるー?』とキッチンに向かって声をかけてくれた。
すると『まだ大丈夫ですよ』と優しそうなママがキッチンから出てきた。
店内に入ると声をかけてくれた常連らしき中年男性はテーブルでお酒を飲みながらたまごの殻をむいていた。
自分が食べるというような量ではない。確実に【仕込み】を手伝っている。僕がテーブルに座ると中年男性はその仕込んでいたたまごをそっと端に寄せた。
そこから2人で色んな話をした。年齢を聞くと62歳というのでそこからは『お父さん』と呼ぶことにした。
仕事引退したらスペインでサッカーを見ながら老後を過ごしたいという夢を聞いてなんか素敵だなと思った。
ママさんは次の日に入っている宴会の仕込みを黙々としていた。
それでも突き出しをがっついていた僕に『お腹空いてるの?』と気を使ってくれた。めちゃくちゃお腹空いてので正直に『はい!めちゃくちゃ空いてます!』と伝えると『ちょっと待っててね』とキッチンへ戻っていった。
しばらくお父さんと話していると『あまり物で作ったやつだけど』と炒飯が出てきた。

ママさんが残り物で作ってくれた炒飯

お腹空いてたからってのもあるけどなんかママの気持ちが嬉しくて炒飯たべながら泣きそうになった。(スラムダンクで晴子さんの焼きうどん食べる桜木みたいな)
ママさん、常連のお父さんと再会を約束し松本を後にした。

心身共に疲れ、そして心身共に充実した松本の4日間。
夜行バスに乗って気絶するように寝て起きたら大阪に着いていた。
そしてまた院勤務して平日が走り去るように過ぎ去っていく。

帰ってきたばかりだが、
また【アレ】を経験しに色んな場所に行きたくなっている。


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