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若くないから

2023年、大晦日。
実家で朝ごはんを食べながらテレビを見ていた。
芸人が旅する番組で出演はぐっさんとウドちゃん。
2人ともマスクをしていて、食事する時はパーテーション越しだったのでおそらくコロナ禍に放送された番組だ。
みんなが気にして、あれだけ徹底していたこともたった数年で滑稽に見えてしまう。
食事のシーンでぐっさんが言っていた。

やりたい事が多すぎて
一生かけてもできない事がもう分かってる
だから毎日楽しい

地元伊勢で仕事納めする為に実家から市内へ向かう車内で聞いたラジオで武田鉄矢が言っていた。

人は14歳の感性で一生生きていくと言ってもいい
14歳の時にで出会った音楽、言葉、アート、憧れの人が
一生脳を元気にしてくれる

2つともたまたまやったけど、2023年最後の日に、これからも大事にしたい言葉と出会った。

大晦日の夜は楽しみにしていた紅白歌合戦。
紅白を『楽しみ』にしていたのは生まれて初めてかも。
10-FEETが紅白に初出演。
大ヒットした『第ゼロ感』を演奏中、後ろのモニターには映画THE FIRST SLAM DUNKやW杯の名シーンが流れる。そして先日天国へ旅立ってしまったチバさんの名前をTAKUMAさんが叫んだ。続くように『スラムダンク』や『井上先生』の名前も出てきた。

そして…

『大阪籠球会リスペクト!』

ほんまに信じられへんくてちょっとの間放心状態。
メンバーや家族から『ヤバい!』『凄い!』とすぐLINEがきたのをみて初めて実感した。
嬉しかった。
紅白に連れて行ってもらった気持ちになった。

さっき2つって書いたけど、2023年最後の日。
大事にしたい言葉がもう一つ増えて3つになった。

2024年1月1日

地元や帰省中の友人とスケボーして遊んでいる時に地震が起こった。
スマホで情報を集める。津波警報も出ている。
遊んでいた南伊勢町も南海地震が起こればかなりの被害が予想される地域だ。
もし今地震が来たらどこへ逃げるか話し合う。
実家、自宅、職場、この3つはハザードマップをチェックした事はあるがどこで被災するかなんて分からない。
あっという間に色んな情報が溢れかえった。
情報は大事やけど、辛い情報は集め過ぎると自分がしんどくなってしまう。

 東日本大震災の時に尊敬する先輩から 
『サポートする俺たちが潰れたら終わり』
と言われてハッとした事がある。
体力、メンタル、お金。
どれか一つでも無理を続けると  自分がダメになってしまう。

自分達ができる事を。
すぐに伊勢にあるFOLKFOLKの代表みちや君に連絡して
3日にチャリティーPOPUPをやることになった。

 FOLKFOLKに募金箱を設置して、俺はマッサージ、みちや君はエスプレッソ、スタッフのショウがシルクスクリーンで、急遽初対面の鍼灸師も協力してくれた。

1日で15万以上のお金が集まった。
愛知に住んでいる友人からPayPayでお金が送られてきた
メッセージで『3000円は子どもたちから』とあった。
お小遣いとお年玉から絞り出してくれた3000円。
しっかり繋げました。

イベント終わってから、みちや君、スタッフのまりなと3人でラジオを録った。冒頭少しふざけてますが、今までの経験含め色んな想いを喋ってます。


2024年1月8日

ちょうど1年前ぐらいに銭湯のイベントで出会った
『just peace girls skateboarding』という20代の女の子達で構成されるcrewの本がイベントで先行発売されると聞いて神戸へ向かった。

どっかで会うことはなかったけど、SNSで活動を追いかけていた。去年の夏には『出演者もお客さんも女の子だけ!』というジェンダーレスが叫ばれる時代に面白いイベントを開催。
スケートの上手い下手はよく分かんないけど、なんせスケートを通して【楽しんでいる】のが伝わってきた。
イベントは深夜まで開催されていたけど、俺は終電で帰宅。

JUST FOR

帰りの電車で本を見た。
なんでか分からんけどめっちゃ泣いた。
なんか一本の映画を見終えた感覚。
みんなめちゃくちゃキラキラしてて、嫉妬さえ覚えた。
きっと『今』の彼女達にしか表現できない写真や言葉。
『今』の俺には表現できないモノが詰まってた。

先日、石井さんという大好きなライターさんがLIVEレポートの中でこんな言葉を書いていた。

『若くないから滲み出るピュアもあるのだ』

若くない『今』だからできる事、滲み出るモノ。
彼女達が嫉妬するぐらい楽しんで刺激し合えるぐらいになったら最高やな。
その時はみんなでハグしよう。



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