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建国の精神を大事にするスイスと日本との違い〜自給自足カレッジ61

今回二泊三日のスイスチューリッヒ滞在で、昨日新しい取引先になりそうな企業訪問をいくつかした中で、面白い会社名「1291」という所に訪問しました。
これはスイスの建国の年だそうでWikipediaで調べると、

「1291年8月1日 - ウリ、シュヴィーツ、ウンターヴァルデンの原始3州が、既得権益であった自由と自治を守るため、誓約同盟を結成。この日がスイス建国の日とされている。」

とあります。

ここに出てくる「自由と自治」というのが、今日のノートの主題です。

スイスの国としての成り立ちを見てみると、この「自由」と「自治」という事が、日本との対比においてかなり際立っています。

例えば、2200程度ある市の規模ですが、最大の市がチューリッヒの43万人ですが、なんと最小の市=コラビエッティは、2021年時点で人口が15人程度とあります。その解説では、

「コラビエッティは、山がちな地形に囲まれた小さな村で、石造りの家々が特徴的です。このような人口の少ない市では、行政やサービスの提供が大きな課題となりますが、独自の文化や歴史を保ちながら地域の魅力を発揮しています。」

コラビエッティ(Corippo)

この村=市では、観光を目玉にして、コラビエッティホテルを核にして何とか村の伝統や文化を喧伝しながら、コミュニティのアイデンティティを維持しているようです。

驚く事は、スイスでは2200程度ある市ごとにかなり所得税率が異なっており、最高税率が17%〜45%程度(常に変わるようで個人個人でネゴシエーションするケースもあるそうです。)で、この15人程度のコラビエッティ市も独自の徴税制度を持っているようです。
相続税も市毎にかなり大きく違います。

上記のコラビエッティのような2200の市は、直接民主制を取るところも多いようで、徴税権含めて独自に自治権を行使出来るようになっており、逆に、連邦政府の権限は、日本と比較するとかなり限定的になっています。

その憲法に規定された連邦政府と州=カントンの権限の分割について調べてみると、

「スイス憲法では、連邦政府とカントンの権限が明確に分割されています。連邦政府は主に国防、外交、通貨や金融政策、関税、国境管理などの分野で権限を持ちます。一方、カントンは教育、警察、医療、土地利用計画、社会福祉、交通などの分野で権限を持ちます。」

スイスの国としての強さは、連邦政府の権限を国防や外交等に限定して、各州や市にかなり「自由」に権限が残る形になっていて、それぞれの自治体が良い意味での競争をしているところにあると思います。広い範囲での「自治」が行なわれ、それぞれの地方自治体がかなり独自の文化や制度、システムを住民主体で決めていて、それぞれの自治体が、競争しながらも共存しているようです。

日本も江戸時代では、今と比較すると各藩毎にかなり広い自治権を持っていて、地方毎の独自性も高かったと思いますが、明治維新以降中央集権化が進んで、地方毎の違いがかなり平準化されて無くなっています。スイスのように地方自治体毎にかなりの自由度を持って制度上の競争するという事も少なく、それが地方の活力を削いでいるようにも思います。

大前研一さんは、「平成維新」という本で、この中央集権制度を分散させて、「道州制」の導入を提唱していますが、なかなかこういう議論を真面目に考えている人も少ないように思います。

今後日本が進む方向性としては、もっと自由に地域の多様性を認めて、より地域に即したバライエティな自治のあり方を模索していくようにすれば、もっと個人個人が自由な発想で楽しく生きられるのではないか、と久しぶりにスイスに来てみて思いました。

(日本でも北海道のニセコ町のような独自の取り組みをしている自治体もあるので、興味のある方は、下記の私のFacebookへの投稿を見てみてください。)

自給自足カレッジでは、1/4クォーターファーマー(1日8時間のうち2時間だけ農作業をして、残りの6時間は自分の好きな事をする)として、まず自分の食べ物を自給し、余ったものは人と分かち合いながら、フラットで人に優しいコミュニティ作りを目指しています。個人では出来ない事を、コミュニティで共同してするという感じでしょうか。その発展系としての地方自治体であり、国になるという方向性です。

自給自足カレッジでは、4月からは本格的に自給自足が学べる講座が、毎月第一第三週の週末(土曜日曜)に開催されています。

次回は、来週4月15日か16日の土曜日或いは日曜日になります。

5月以降は、5月6日(土)・7日(日)・20日(土)・21日(日)
6月・・・ 3日(土)・4日(日)・17日(土)・18日(日)
7月・・・ 1日(土)・2日(日)・15日(土)・16日(日)

今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。

下記は、自給自足カレッジの紹介ビデオです。
見ていると気持ちが何となく落ち着いてくる気がします。

YouTube動画(3分)

https://m.youtube.com/channel/UCQHHMH2_WGr_RzMKyLtDPQA

体験会等について詳しくは、下記のホームページをご覧ください。

https://self-sufficient-life.jp

自給自足カレッジ
小柴正浩


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