自給自足カレッジ46
今日は、天才賞マッカーサーフェローにも選ばれたデビッド•モントゴメリーの土3部作のうちの第二作=「土と内臓」から、「根と大腸は同じ働き」というテーマについて書いてみたいと思います。
植物の根の働きで一般的に認識されているのは、土から、窒素、リン、カリ、等の栄養分を吸収するというところだと思います。もう一方で、人間の腸の働きも同様に、糖質、脂質、タンパク質等の栄養素を食べたものを消化して吸収するところが、根の機能と似ています。
しかし、デビッド•モントゴメリーは、これらの一般的な認識とは別に、根と腸が粘液や滲出液を出してその中で微生物群を養っていて、養われた微生物群は、代わりにその植物や人間にとって有益な栄養素を作り出して供給したり、根や腸にとって有害となる種類のウィルスや細菌から、根や腸を守っているというところに、その相似性を見ています。
つまり、根も腸も、微生物群とかなり密接な「共生関係」を結んでいるというところを、これまでの生物学では見逃してきているというところを強調して書いています。
お腹の具合が悪くなったり体調が悪くなったら、ウィルスや細菌のせいにして、抗生物質を多様して、仲間であるはずの微生物群まで殺してしまったり、野菜を育てるのに病気にかかってはいけないと、すぐに農薬や抗菌剤に頼ったりしている現状に警鐘を鳴らしています。
例えば、婦人科の分野でも、膣のマイクロバイオーム(膣内細菌叢)の乱れが、女性が医者にかかるもっとも一般的な理由の一つで、細菌性膣症の名で知られているこの病気には、現代では女性の3人に1人の割合でかかっていると推定されています。これに対して大半の医者は抗生物質を処方するようですが、いったん収まっても再発する確率がかなり高いとあります。それに対して、プロバイオティクス療法として乳酸菌の一種であるラクトバチルスを膣内で増やせば、抗生物質を使うよりも劇的に再発率を下げられると書かれています。これはラクトバチルスが膣の内壁の細胞に貼り付いて病原体の席を奪い、膣の局所環境を酸性に傾け病原体を抑制する。また、膣の免疫細胞と情報交換して、程よい免疫反応を起こさせる。また、ラクトバチルスは、自ら抗生物質に相当する過酸化水素とその他数種類の抗菌物質を作り出し病原体を撃退する。その対価として膣は、糖を食べ物としてラクトバチルスに与えているという「共生関係」を結ぶかたちになる。
この辺りの事をデビッド•モントゴメリーは、以下のように書いています。
「微生物の集団が宿主の生存に欠かせない二つの要素ー食物を手に入れることと、敵から身を守ることを助けているのだ。見返りに微生物は、望みうる最高の生息地である、常に食物が豊富で安全な空間―微生物が繁殖し、快適に暮らす上で理想的な場所を手に入れる。
植物の中であれ人体内であれ、宿主と小さな借家人の双方に有益な協力関係を築く微生物に対して、進化は有利にはたらいてきた。これはおそらく偶然ではない。 この世に登場して以来、人間は共生生物を身体に住まわせてきたのだ。私たちの内なる土壌に棲むのと同じ種類の微生物は、土壌中にもいて植物の病気を抑えるのに役立っているものがいる。この単純だがこれまで注目されなかった事実が、農業と医療をどのように再構築するかの根本である――つまり、太古からの友の協力をあおぐのだ。」
根と腸と微生物の共生関係を如何に構築するかという方向性が、今後の農業と医療を再構築する上で重要だと書いています。
自給自足カレッジでは、無肥料無農薬栽培=自然栽培によって、根と微生物との間で良好な共生関係を構築する形でのお米や野菜の作り方を教えています。是非一度、VISON農園に来てその在り方を見てみてください。
4月からは本格的に自給自足が学べる講座が、毎月第一第三週の週末(土曜日曜)に開催され、無料見学会も行います。
次回は、4/1か2、15か16の土曜日或いは日曜日になります。
今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。
自給自足カレッジのプロモーションビデオがYouTube上に公開されましたので、下記のURLから良かったら見てみてください。
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自給自足カレッジ
小柴正浩