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自然農法の父 福岡正信翁〜カレッジ座学第8講〜自給自足カレッジ122

福岡正信翁は、その著書「わら一本の革命」でグローバルに名を馳せている哲学者であり農学者でもあり、自ら無為自然を基本にした自然農法を実践した農業者でもあります。

正信翁は、自然が本来持つ力で作物を育てる自然農法を提唱し、その四原則「不耕起(耕さない)、無除草、無肥料、無農薬」という独自の思想を農園で体現した農哲学者です。

世界各国を歴訪し、自ら考案した「粘土団子」で砂漠緑化に取り組んだ人物としても有名で、1988年、ロックフェラー兄弟財団の出資で発足したフィリピンのマグサイサイ賞の受賞もされています。

正信翁のお孫さんの福岡大樹氏の対談記事より


私も30年以上前に正信翁の著書を読んで、大変感銘受けたのを覚えています。

奇跡のりんごで有名な木村秋則さんも福岡さんの弟子に当たり、私の友人で熊本で奇跡の蜜柑を育てている池田道明さんも若い時に愛媛にある正信翁の農園を訪れた事があると言います。

自給自足カレッジで教えて貰っている村上眞平さんも、生前正信翁に師事されており、グローバルに自然農法を一緒に広めた間柄になります。

自然と戯れる正信翁

以下の「わら一本の革命」の序文を読むと、その思想の片鱗が感じられます。

「序にかえて

地球的規模での砂漠化、緑の喪失が深刻化している中で、かつて風光明媚を謳われた日本列島の緑も、今、急速に枯渇しようとしている。
しかし、それを憂うる者はあっても緑の喪失を惹起した根本原因を追求し撃破する者はいない。
ただ結果のみを憂い、環境保護の視点から緑の保護対策をとなえる程度では、とうてい地上の緑を復活させることはできない。
飛躍しすぎた言葉ともとれようが、地球の砂漠化は、人間が神なる自然から離脱して、独りで生き発展しうると考えた驕りに出発するものであり、その業火が今、地球上のあらゆる生命を焼き亡ぼしつつある現象だと言えるのである。
生命とは、宇宙森羅万象、大自然そのものの合作品である。その意味 (過去)と意志(未来)を知らないまま自然の対立者となった人間は自らの手で自然を利用して、生命の糧、食物を作り、生きようとした。
このときから人間は、自ら母なる大地に反逆し、これを破壊する悪魔への道を進んだのである。焼畑に始まる農業の発達、人欲に奉仕する農法の変遷、文明発達の歴史が、そのまま自然破壊の歴史となっているのも当然であろう。
自然に流転という変化はあっても、発達はない。 始めもなく、終りもない自然が、 しぜんに亡びることはないが、自然は愚かな人智によって、いとも簡単に亡びてしまう。
自然破壊は、自然の生命と一体化した人間の生命の自殺行為であり、人間による神々の破壊、死をも意味する。
神が人間を見捨てることはないが、人間が神を捨てて、滅亡することはたやすいのである。
無明の悪魔の背をふりかざして、緑を失った大都市の上に築いた虚構の人間文明が、文字通り砂漠の空に描かれた蜃気楼として消え失せる日は近い。
今、人間は帰るに所なき宇宙の孤児に転落するか、反転して神の園に還るか、その岐路に立つ。
人類の破局を救う道は他にない。
先頭に立って自然を破壊してきた驕慢な人や耕人たちが、今反転して、森の守護人となり、緑を復活出来るか否かにかかる。
が、自然は本来人間の容喙(ようかい)を許さない。
神が天地万物創造したのでもなく、まして人が差配できるものではない。
大自然の万物の心が合体して、生命を創り、神を創造してきたのである。神も自然も人間を超越した実在である。
神は、愚かな人間の地球を守ってはくれないのである。
自然農法とは、自然の意思をくみ、永遠の生命が保証されるエデンの花園の復活を夢みる農法である。
しかし、私の自然農法への四十五年の道は、そのまま人間の復活をかける神への参道であったというよりは、自然から転落してゆく愚かな男の彷徨の過程でしかなかった。
この書は、自然に還れるものなら還りたいと苦悩してきた一人の百姓のボヤキ記でしかない。
百事を語るも、一事を語りえず、何一つ残すことのできなかった男の懺悔録である。」

正信翁の愛弟子の村上眞平さん〜自給自足カレッジの座学

自給自足カレッジの講師の村上眞平さんは、正信翁から自然農法を直接学んだ弟子の一人ですが、正信翁が2008年に亡くなった後も、その遺志を継いで自然農法の普及に勤められています。

自給自足カレッジでは、自然の永続性の基本原理となる

自然の循環性
生物多様性
多層性

と言ったコンセプトを学ぶ事に重きを置いて、その実践としての、無肥料、無農薬、による自然農法を学んでいます。

自然と共生する生き方を志向する方は、是非無料体験会に参加してみてください。

自分の生き方に、新たな視点を加える事が出来るかもしれません。

8月以降でも、第一第三週の週末(土曜日曜)に開催されています。

次回以降では、

8月・・・ 5日(土)・6日(日)・19日(土)・20日(日)
9月・・・ 2日(土)・3日(日)・16日(土)・17日(日)
10月・・・7日(土)・8日(日)・21日(土)・22日(日)

下記は、自給自足カレッジの紹介ビデオです。
見ていると気持ちが何となく穏やかになるので見てみてください。

YouTube動画(3分)

https://www.youtube.com/watch?v=N66HzZV7Td0

体験会等について詳しくは、下記のホームページをご覧ください。

https://self-sufficient-life.jp

自給自足カレッジ
小柴正浩

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