自給自足カレッジ53 開校記念2
昨日は、開校初日の講義の中でも、村上眞平さんが話された話しの中で、自然の森の「循環」と、「持続可能性」についての部分を解説させて頂きました。
今日は、その続きとして、「モノカルチャー」と「自給自足」について書いてみたいと思います。
まず、自給自足についてですが、江戸時代では9割の国民が農民で、9割の人が自給自足をやっていたということになると思います。
明治維新で、社会構造が大きく変わりはじめて、西洋諸国に対抗する為に、富国強兵策や殖産興業を進めた事で、第二次世界大戦前には、江戸時代の自給農民の比率の9割から、明治維新後70年程度で5割まで下がっています。
終戦後の農民の構成比は、ChatGPTに聞いてみると、下記のようになります。
「1945年以降、日本の農村社会では大きな変化がありました。都市化や産業化が進み、農業の近代化が進んだことにより、農民人口の比率は大幅に減少しました。以下に、日本における農民人口の比率の推移を示します。
1945年:農民人口比率 51.3%
1955年:農民人口比率 34.7%
1965年:農民人口比率 22.6%
1975年:農民人口比率 15.5%
1985年:農民人口比率 9.2%
1995年:農民人口比率 6.7%
2005年:農民人口比率 4.6%
2015年:農民人口比率 3.7%
このように、1945年以降、農村人口の比率は急速に低下し、現在では、日本の総人口に占める農民の割合はわずか3.7%にまで減少しています。これは、都市部への人口流出や高齢化、農業の近代化などが原因とされています。」
眞平さんは、初回の講義の中で、この「農業の近代化」について話しています。1961年農業基本法の制定から日本の農業政策で加速してきたのは、適地適作で、モノカルチャー (単作)を推進し、農家でさえも自給自足しない方向に日本の農村が向かって行ったということです。嬬恋村で高原キャベツだけを作っている農家は、キャベツを売ることで現金収入を得て、そのお金で自分の食べ物を買うという形に変化しています。今や、3.7%の農家でさえも、食の自給自足はなかなか出来ていないという現状があります。
眞平さんは、自分で味噌も醤油も作っていますが、今は農家でもやっているところは少ないのではないでしょうか。大豆や麦も自分で栽培していないと、やる事もないのだと思います。
戦前では当たり前だった事が、農業がモノカルチャー的になった事で、出来なくなっているのと、時間効率を考えての事だと思います。
ここで問題となるのは、売るためのお米や野菜と、食べる為のお米や野菜は、同じものなのか、という問題です。
売る為のお米や野菜に大事な要素は、「安さ」と「見た目の良さ」で、違いが分かるほど美味しいもの、希少価値の良いものには、高い値段がついています。
食べることに重要な要素は、「美味しい」「栄養価が高い」、「安全」で、「健康に良い」、という事になります。
今のほとんどの農家は、売るために必要な要素である「安く」て「見た目の良い」お米や野菜を作る事にフォーカスせざるを得ないので、本質的には消費者が求める「栄養価が高く」、「安全」で、「健康に良い」、というお米や野菜は、なかなか作るのが難しい状況になっています。農薬や化学肥料を使って効率的にお米や野菜をモノカルチャー(単作)で、ひとつのものを沢山、形の良い同じ規格のものを作る必要があります。農家からの作物の買い上げ価格も厳しいので、より高く売るために、わざわざ旬の時期をずらして(栄養価を低くして)普通の露地栽培ではなくて、ハウス栽培をやったりしています。その代償として、形は良いけれども、露地栽培で旬の野菜よりも栄養価の劣るものを作るような事もされています。
江戸時代や戦前に作られていたお米や野菜は、農家が自分で食べるものと売るものは食い違っていなかった事もあり、栄養価も今の数倍あったという研究もあります。もちろん、農薬は使われていませんでした。
自給自足カレッジでは、無肥料無農薬栽培=自然栽培によって、自らの健康にも良く、自然環境も保全出来る形での、お米や野菜の作り方を教えています。是非一度、VISON農園に来てみてください。
4月からは本格的に自給自足が学べる講座が、毎月第一第三週の週末(土曜日曜)に開催され、無料見学会も行います。
次回は、4月15日か16日の土曜日或いは日曜日になります。
今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。
詳しくは、下記のホームページをご覧ください。
https://self-sufficient-life.jp
下記の公式Facebookでも、色々なイベント情報等もアップされていますので、フォローして頂ければ幸いです。
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自給自足カレッジ
小柴正浩
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