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細菌が土を作る〜自給自足カレッジの座学第五講②〜自給自足カレッジ106

前にも何回かご紹介した長崎県佐世保市で菌ちゃん農園を営む吉田俊道さん。
最近は、農園を営むというよりも自ら開発した「菌ちゃん農法」の普及活動の方で有名な方です。

私も2度ほど佐世保の丘陵地帯にある「菌ちゃんファーム」にお邪魔して、お話を伺ったことがありますが、漫才師のような独特の話し方で人を魅了してしまう方です。

菌ちゃん農園訪問時の写真〜2020年6月14日

自給自足カレッジの5回目の座学では、前回のブログで書いたように、有史以来の人間による森林伐採や農地開発、石油化学工業の発達で、地中に固定化されていた5000億トンもの炭素が二酸化炭素等の形で空気中に放出されてしまい、環境問題、気候変動を引き起こしておりますが、それへの対応策のひとつとしても取り上げられているアメリカで行われている農法

Regenerative Farming (再生農業)

について解説されています。

座学の中では、NHKアーカイブから「Carbon Farming」という特集番組を取り上げて、その中で紹介されている上記のRegenerative Farming (再生農業)と合わせて、日本からは吉田俊道さんの

「菌ちゃん農法」

が取り上げられています。

https://youtu.be/NSoBIxakGNw

菌ちゃん農法の特徴は、普通の農家が忌み嫌う糸状菌を土の中で活性化して、無肥料無農薬で野菜を家庭や家庭菜園等でも簡単に育てられるようにする農法です。

家庭から出る生ゴミや雑草等を土の上に置いて、
雨が直接土に当たらないようにビニールマルチで土を覆って、適度な湿気を保持することで1〜2ヶ月程度で土中に糸状菌が育成され、野菜を植える土の環境が整う事になります。菌ちゃん農法では、1平米当たり5kgもの雑草や堆肥を入れるようです。

自給自足カレッジの座学の中で講師の村上眞平さんは菌ちゃん農法について以下のように説明しています。

野菜の病気の8割は糸状菌によるものなので通常農家は敵視するが、菌ちゃん農法ではそれを味方として見る。実際、病気のもとになる糸状菌は、沢山の種類のある糸状菌のうちでもほんの僅か数%で、本来多くの糸状菌は、植物の根と共生して植物にアミノ酸等の栄養素を供給する役目を果たしている。代わりに、植物は根から光合成で作った炭水化物をこれらの糸状菌等に供給もしているということが最近の研究でも分かってきている。
この植物が根から糸状菌含めて土の中に炭水化物を供給する事でも、空気中から土中に炭素が固定化される一助となっている。
もちろん植物の根や茎、葉っぱ自体も光合成によって作られているので、植物の存在自体も炭素固定に役立ち、枯れて腐植となっても、土中に炭素を留める働きをしている。

アメリカのRegenerative Farming (再生農業)も、日本の菌ちゃん農法でも、土中に炭素を固定化することで土を良くし、植物が育ちやすい環境を整えるという事を行っています。

化学肥料や農薬を使った農法では、前回紹介したように、土中の炭素含有量が12%から2%まで減少してしまっていたのが、再生農法に切り替えると10年で5〜6%まで回復したという事が説明されています。

環境に良い農業と、環境を破壊する農業。

日本では、今99%以上の農地で、環境を破壊する農業が行われています。

地球環境の未来を見据えて、早く環境再生型の農業に切り替える必要があると思います。

自給自足カレッジの実習で収穫した小蕪

自給自足カレッジでは、無肥料無農薬でお米や野菜を作る事が学べ、炭素の土中への固定化等についてもそのやり方を教えています。

一度、是非無料体験に来られませんか❓

6月以降でも、第一第三週の週末(土曜日曜)に開催されています。

次回以降では、

6月・・・ 17日(土)・18日(日)
7月・・・ 1日(土)・2日(日)・15日(土)・16日(日)
8月・・・ 5日(土)・6日(日)・19日(土)・20日(日)

今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。

下記は、自給自足カレッジの紹介ビデオです。
見ていると気持ちが何となく穏やかになる気がします。

YouTube動画(3分)

https://www.youtube.com/watch?v=N66HzZV7Td0

体験会等について詳しくは、下記のホームページをご覧ください。

https://self-sufficient-life.jp

自給自足カレッジ
小柴正浩

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