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自給自足カレッジ48

今日も、ナチュラルハーモニー代表の河名秀朗さんのお話しです。河名さんの本=「自然の野菜は腐らない」から、肥料と農薬の悪循環についての話しを抜粋しながら、その問題について考えてみたいと思います。
河名さんは、本の中で、例として北海道で一般的に行われているジャガイモの栽培法を以下のように紹介しています。

「まず種イモの消毒から始まります。種イモを畑に植えたら、 次に雑草を枯らすための「除草剤」を撒きます。その後、殺菌剤、殺虫剤を10数回散布。 そして収穫時期がきたら、ジャガイモの葉や茎を枯らし機械で収穫しやすくするために「枯凋剤」を
使います。そしてトラクターでいっせいに収穫します。
ジャガイモに限らず、どの農作物でもかなりの量の農薬や化学肥料を使っています。
地域や季節によっても異なりますが、きゅうりやトマトでは4~50回も農薬が散布されていることもあります。これらはあまり洗わずに食べられる野菜なので、注意が必要です。」

下記の表は、宮崎県の標準的な栽培における農薬と化学肥料の使用例で、少し古い資料で2008年のものと書いてあります。宮崎県には無肥料無農薬の自然栽培を行われている農家さんもいるので、これはあくまで慣行農法で行われている化学肥料や農薬散布の一般な使用量や散布回数になりますが、やはりビニールハウスや温室などを使って行われている「即成栽培」では、同じ種類の野菜を育てるのにも露路栽培と比較して化学肥料の量も農薬の量もかなり多くなっています。

日本は田畑の単位面積あたりの農薬使用量が、世界的に見てもトップを争うほど高く、河名さんの本では1キロ平米あたり1.27トン(2006年ベース)で、1.31トンの韓国(2004年)に次いで2位。因みにアメリカは別の統計で日本の4分の1から5分の1程度となっています。

化学肥料と農薬に頼った農業を推し進めるとどうなるのか❓
河名さんは下記のように説明しています。

「化学肥料で栽培すると、はじめのうちは収量も上がり、野菜の状態も抜群によくなります。しかし、いいことばかりではありません。化学肥料を使用し続けると、ただでさえ土が栄養豊富なために植物は根を伸ばす努力を放棄してしまうのに、さらに微生物の数が減って次第に土が固くなり、ますます根伸びが悪くなってしまいます。 しまいには植物が自らの力で養分を吸収する能力そのものが衰え、生育が悪くなります。
ところが、農家は育ちが悪いことを「肥料が足りないからだ」と錯覚し、さらに化学肥料を与えてしまい、すると植物はますます不健全になるという悪循環が起きます。
植物にも自分の身体を守るしくみがありますから、健康体なら多少の病原菌は寄せつけません。けれどもこのように体力が落ちると、虫や病気にやられやすくなってしまいます。
自然栽培では、「虫や微生物が集まってくるのは弱った植物を土に還すため。 病気は不健全の証し」と捉え、育て方を見直すところですが、一般的にはここで農薬を使います。農薬は、最初は目的の害虫や病原菌を殺してくれるからいいかもしれません。
しかし同時に、野菜にとって味方になる虫や微生物も死んでしまいます。畑が無菌室のようになってしまうのです。このような状態の野菜は、さらに病原菌への抵抗力を無くしてしまいます。つまり、殺菌剤は一時的には病原菌を防ぎますが、かえって病気に罹りやすい環境を作り出します。
このように、肥料を使えば使うほど、農薬も使わなければならなくなります。
ここでさらに問題なのが、「農薬は使えば使うほど効果がなくなってくる」という事実です。なぜ農薬が効かなくなるかというと、虫や微生物において世代交代が繰り返されるうち、それまで有効だった農薬が効かないような突然変異体が生まれてくるからで、これを、「(農薬への 耐性の獲得」と言います。そこで、これに対抗するため、より強い農薬が必要になるのです。このように、二重三重の悪循環が重なっているの
が近代農業と言えます。」

化学肥料と農薬は、生産者の効率性を上げる為のもので、消費者が望んでいるものではないと思います。
栄養価が高く安全な野菜は、生産コストは高くつきます。良いものは高いという認識を持って自然栽培の野菜を買うという方向に行くのか、或いは自分で育てるのか❓

自給自足カレッジでは、無肥料無農薬栽培=自然栽培によって、自らの健康にも良く、自然環境も保全出来る形での、お米や野菜の作り方を教えています。是非一度、VISON農園に来てみてください。
4月からは本格的に自給自足が学べる講座が、毎月第一第三週の週末(土曜日曜)に開催され、無料見学会も行います。
次回は、4/1か2、15か16の土曜日或いは日曜日になります。
今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。

詳しくは、下記のホームページをご覧ください。

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自給自足カレッジ
小柴正浩

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