コーチング理論に基づくマーケティング(CTBM)(はじめに)【無料公開】

はじめに

 この本は、タイス式または苫米地式コーチングを取り入れて、コーチングをされている方のための書籍です。

 私はルー=タイスや、苫米地英人博士のコーチング理論が、もっと広まってほしいと思っています。そして、それが広まることによって私のゴールの1つであるハラスメントがない世界を作り出せるとも信じています。

 そして、タイス式または苫米地式コーチングをされているあなたなら、この書籍の内容を最大活用してくださるとも信じています。それによって、あなたを通して、コーチングが加速度的に広まっていくと信じています。

 現時点では「コーチング」というもの自体がまだまだ認知がされていません。一般の方々に「コーチング」の存在自体が知られていないのです。これは私を含めたコーチたちの、マーケティング活動不足の結果です。私たちの普及活動がまだまだ足りていないことの証拠とも言えます。

 ほとんどのコーチは、コーチングを普及させたいと思っているはずです。しかし、実際にはマーケティング活動を積極的に行っている人は多くはありません。Twitter、FacebookなどのSNSは使っていても、それほど頻繁には更新していない人がほとんどです。

 コーチの多くは、マーケティングに消極的です。コーチングを普及させたいと思いながらも、マーケティングには消極的になってしまうのです。これはとても残念なことです。

 私はさまざまなコーチに対してインタビューを行ってきた結果、コーチがマーケティングに対して消極的になる理由が分かりました。それはコーチが「いい人」であるからです。

「いい人」であるからこそ、戦争に比喩されるビジネスには嫌悪感を持ってしまうのです。コーチを名乗る人が、戦争を好きなはずがないですよね。

 しかし、そもそもビジネスは戦争ではありません。ビジネスの本質は社会貢献です。コーチは“ビジネスは戦争である”というブリーフによって、自らを縛っていたのです。

 この書籍はその呪縛を取り除き、コーチがマーケティング活動を「want to」で取り組めるようにするためのプログラムです。そしてこれはコーチング理論に基づくマーケティング(Coaching Theory Based Marketing)(以下、「CTBM」といいます。)です。

 本書では「ビジネスの本質は社会貢献活動である」を出発点としています。言い換えると、社会の持つゴールを実現するための活動をビジネスと呼びます。

 そして、その社会のゴールを実現するために、社会の構成員に対して行う働きかけのことをマーケティングと呼びます。つまり、CTBMにおけるマーケティングとは、「社会」というコーポレートに対する、コーポレートコーチングのことを言います。

 そのため、私たちコーチがマーケティングにおいて行うべきことは、たった1つに集約されます。それは社会の構成員のエフィカシーを高める活動のことです。

 私たちが社会の構成員に対してエフィカシーを高める働きかけをすることによって、社会のゴールのリアリティが高まり、実現に向かいます。

 一方で、構成員としては、そのエフィカシーの向上体験は、強い付加価値の受領となります。

 私たちにとって付加価値とは、ポジティブな感情体験のことです。

 そして、エフィカシーの向上を実感することほど、ポジティブな感情体験はありません。

 つまり、私たちが構成員のエフィカシーを高める活動を行うと、構成員の人々にとって、それは高い付加価値の提供となるのです。

 その人々の受け取った付加価値が、あなたの提供するサービスの価格を超えたとき、あなたのサービスは購入されることになります。つまり、あなたのもとにコーチングの依頼がくるのです。

 あなたが社会の構成員の人々のエフィカシーを高める活動をすることが、結果的にあなたのコーチングを依頼する理由となるということです。

 つまり、私たちはコーチとして、社会のゴールを実現するために、社会の構成員の人々のエフィカシーを高める活動を行えばよいのです。それが結果的に金銭的評価を伴って帰ってきます。

 そこで、大切となるのが、私たちがどの社会のゴール実現のためにどの構成員に対して、エフィカシーを高める働きかけをするかです。

 すでに社会にはさまざまな人がいて、そしてさまざまな働きかけがされています。その他の人々と同じ働きかけは必要ありません。あなたは、あなただからこそエフィカシーを高められる人に対して、働きかけを行っていくべきなのです。

 私たちは、社会のゴールを共有し、かつ、自分だからこそエフィカシーを高められる人々に対して働きかけをすることで、社会のゴールの実現を促進させます。また、それはそれらの人々に対する付加価値の提供となるため、対価が支払われることになります。

 具体的にはツイッター、ブログ、YOUTUBEなどでの情報発信を通して、構成員の人々に対して働きかけを行っていきます。インターネット上での働きかけがメインとなるでしょう。つまり、文字、音声、動画によるものとなります。

 インターネット上のコミュニケーションは通常のコーチングとは違い、非同期的なコミュニケーションが中心です。私たちは非同期コミュニケーションでクライアントのエフィカシーを高める必要があります。

 そして、そのときに重要となるのが「予想外」を設計することです。「予想外」を適切に設計することによって、私たちは非同期コミュニケーションにおいて、スムーズにクライアントのエフィカシーを高めることができるのです。

 私たちは適切に「予想外」を設計した上で情報発信を行うことで、非同期コミュニケーションにおいても効果的にクライアントのエフィカシーを高めることができます。そして、それが非同期コミュニケーションだからこそ、時間軸上に存在する構成員に届けることができます。そうやって多くの構成員の人々のエフィカシーを高め、構成員の人々にとっての付加価値を提供することによって、最終的には私たち自身に利益が与えられるのです。

 ビジネスの本質は社会貢献であり、「いい人」でなければビジネスはできません。そして、コーチほど「いい人」であることが大切な職業はありません。つまり、コーチほどビジネスに向いている人はいないのです。

 この本をお読みいただくことで、あなたはきっとこれまで以上に、スムーズにビジネス、マーケティングに取り組んでいただけるでしょう。
そして、あなたのマーケティング活動によって、現在および将来に渡って人々のエフィカシーが高まっていくのです。

 この本はきっと、あなたの役に立つでしょう。ぜひ先を読み進めてみてください。

 あなたが本書により、積極的にマーケティング活動に取り組んでいただけたら、これに優る喜びはありません。

平成30年4月22日
 コーチ・コンサルタント 三國 雅洋

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