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それぞれが歩んだ道が、きっとこの瞬間に繋がる

3月16日水曜日
立川立飛アリーナにアルバルク東京vs秋田ノーザンハピネッツの試合を観に行った。

最近、写真も撮るのだが、その1枚に被写体の全てを詰め込むことが本当に難しい作業なのだと知った。

僕の場合は、まず被写体を定める。チームの戦術を把握し、被写体となる選手の動きとポジションを理解する。数パターンチェックした後、
「ここでドライブをする可能性がある」
「ここでシュートを打つオプションがありそう」
などを定めたら、そこを狙う。

写真の腕も、機材もプロではないからこそ、自分ができる最高の写真の方法論がそれだと今は思っている。

それに合わせて、空気感を大事にしている。
3月11日にアースフレンズ東京Z vs 佐賀バルーナーズ
前半のラストオフェンスでアースフレンズ東京Zの久岡幸太郎が声を荒げる。その瞬間、間違いなく久岡幸太郎は空気を変えようとした。
しかし変えることはできなかった。
結果、ビッグショットが決まり、アースフレンズ東京Zは歓喜でハーフタイムを迎えるのだが、久岡幸太郎は顔を歪ませ、頭を掻きむしった。

結果論ではシュートは入った。
けれど、それはチームで作ったものではなかった。
きっと彼の中で、なんとかチームをまとめたいという強い意志があったのだと推測できる。
答えはきっと、まだ見つかっていない。

かっこいい写真ではない。ただ、このシーンがシーソーゲームを制し、会場が熱狂したこのゲームの中で僕が最も印象に残った1枚だった。

話を戻そう。
3月16日のA東京 vs 秋田の試合で、多くの期待を背負いコートに立ったであろう長谷川暢。
僕も期待はしていたし、応援はしている。
けれど、どこかボタンをかけ違っている印象は拭えない。

長谷川暢らしさを期待しつつも、しっかりと仕事をこなす姿勢も評価できる。
けれど、どこか物足りなさを感じてしまう。

人生にはわかっていても、できない時が誰にでもある。

それは僕らもアスリートも変わらないだろう。

けれど、そんな瞬間さえも人の心を震わせることができる存在がいる。
その1人が長谷川暢だと思っている。

バスケ少年のような笑顔を見せたかと思えば、ふと見せる険しい表情も誰かの心の旋律を叩く。

あの選手、気になるな。

そう思わせるのが、長谷川暢だ。

久岡幸太郎と長谷川暢

どこか正反対の2人が、15歳までを共に過ごしたことも興味深い。
違うけど、どこか似ている。

様々な苦悩を一段ずつ上り、信頼を勝ち取って来た久岡幸太郎

スポットライトが当たる瞬間に、度肝を抜くような活躍を見せる長谷川暢

表向きは対照的だれけども、

2人とも様々な苦悩を支え合い、1段ずつ登ってきたことは間違いない。

25歳。

当時を振り返ると、僕はバスケで得た親友という存在に救われた。
小学校から共にいた親友が自分の大きな支えだった。

今きっと、2人は苦悩の真ん中にいる。

その出口の答えは、もしかするとあの日、
彼らが過ごした原点にあるのかもしれない。

最高の仲間として、そしてライバルとして
同じ場所で育ち、別々の道を歩んだ2人の

それぞれが歩んだ道が、きっとこの瞬間に繋がる。

今、僕はそんな気がしている。



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