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やりきったけど、後悔はある

久々にnoteを書いている。

バスケットボールを仕事にして1年と半年ぐらいが過ぎた。
飽きっぽい性格なのもあり、もう割とやりきった感じがありつつ
あと半月もすると新シーズンがスタートしてまた慌ただしく動き始めるのかと思うとこのまま時間が止まってほしいとさえ思う。笑

今シーズンは本当にやりきった感じが強い

シーズン最初に「B2は佐賀だ!」と思い、西川選手の取材に行った。
そして佐賀は見事にB2優勝、B1昇格を果たした。

B1昇格決定の試合は宮永HCに
「昇格の瞬間をご一緒させてください!」
と連絡し、
「もちろんです。佐賀で待ってます!」
と返事をもらった。
そしてエンドで取材しながら、目の前でB1昇格の喜びを噛み締める西川選手をみて、泣きそうだったが、仕事のスイッチが入っているとなかなか涙も流れないから不思議なものである。

学生で言えば、白鴎の男女に注目した。
色々あったから、詳しいことは端折るが、アランマーレ秋田に入団した松永夏海のプレーを親のような気持ちで見守った。
決勝直前にエンドから撮った彼女の精一杯の笑顔はなまら固かった。
何かもっと言葉をかけてあげられたんじゃないかな……
今でもそんなことを思うことがある。

そうやって、あっという間に1年が流れていく中で
やりきったことと後悔したことを天秤にかけると
今年はやりきれたなと感じる。
僕としては珍しい。

佐賀に行ったのは書いたが、秋田にも行ったし、福島にも行った、北海道にも行った。すべて自費で色々すっからかんになったからやりきった感を感じるのかもしれない。
その中で滋賀はトップボーイ蒲田店さんにスポンサーをしていただき、沖縄と能代はお招きいただき、サポートいただけることが本当にありがたかった。

そんな感じでやりきったという想いに駆られると
「あ、もう自分の居場所はここではないな」
と思ったりもする。

ちなみに
「なんでそこまでするの?」
と聞かれることがよくあるが、
それは、そのタイミングを逃しちゃいけないと感じるからだ。
物事においてタイミングがもっとも大切だと考えている。
本気だからこそ、少し無理してでも行きたい場所や会いたい人、その姿を見たい人がいる。
見ておかなくてはいけない瞬間がある。

それらを全部まとめてみると、後悔よりもやりきった感じの方が強い。
ただひとつだけ大きな後悔がある。

それは福島に復帰した猪狩渉にもっと何かができたのではないかということ。

僕のバスケ人生は彼なしには語れない。
けれど、きっと彼が辛かったであろう時に、僕は彼の力になれなかった。

そこには理由がいくつかあるが、一番大きな理由が
この立場になってしまったこと。

今シーズン、自分がこの立場になったことがよかったのかどうか
悩むことがすごく多かった。

今の僕に答えは見当たらないし、多分答えはないのだけど、今まで以上のことができるようになった代わりに今までできていたことができなくなったことも事実ではある。

猪狩渉がBリーグ復帰、福島復帰
それらをもっとも追いかけられる1人が自分だと思っていただけに
なんとも言えない気持ちになることが多かった1年だった。

ちょうど去年の今頃だっただろうか。
猪狩渉と電車に乗りながら、
「来シーズンは誰を追いかけるんですか?」
と聞かれて
「猪狩渉」
と答えたはずだったのに。

だからこそ、3月11日の試合に福島に向かったが
彼のプレータイムはなかった。

勘違いしてほしくないのは
そこでプレータイムがなかったことが悪いことだったり、チームについてどうこうという気持ちは全くない。

そうではなく、それまでにもっと何かができていたなら、
違う未来図を描けたのかもしれない。
僕はその時、素直にそう思った。

タイミングが大切であると書いたが、
そういうタイミングと巡り合うために、
それまでのタイミングを逃してしまっていた自分に腹が立った。

来年の猪狩渉がどこにいるのか
そして僕がどこにいるのかもわからない。

だからこそ、このタイミングでもっとできることがあったはず。
振り返るとそんなことがたくさんある。
そうやっていつも何かに後ろ髪を引かれながら、
自分の無力さを痛感する。

総じてやりきったことの多い一年でも
一番大切にしたかった部分をおろそかにしてしまった自分への後悔は
想像以上に大きなものだと、今感じている。

きっと僕は猪狩渉にとっているべきタイミングでその場所に入れなかった。
そんなことを考える6月がまた過ぎていく。

やりきったけど、後悔はある。
そしてその後悔が一番大切にするべきものだった。

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