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ファンになった記憶を辿ってみる #アスリートのファン創り

こんにちは、宮本です。

先日、株式会社BOKURAのししど代表が行った「アスリートのファン創りセミナー」に参加した。ちなみに僕はBOKURAさんの「ぼくカレ」にも参加させてもらい、これからファン創りを学んでいこうと思っている。

バスケットボールの活動だけでなく、働く上でも自分自身にファンがいること、ファンになってもらうことにマイナスはない。むしろプラスになることが多いのかな…と漠然と感じ、BOKURAさんのファン創りに興味を持った。そして、その辺が僕はすごく苦手なことでもあった。自分のことを知ってもらう、好きになってもらう、興味を持ってもらう、そしてファンになってもらう。

なんか恥ずかしいし、自分はそこまでの人ではない。といつも思ってしまう。

今回、このセミナーが行われた経緯を簡単に解説すると、BOKURAさんが行っているプロチームに対するファン創りの資料をししど代表がTwitterにて公開したところ、700?を超える引用リツイートがあり、僕のタイムライムもしばらく

#アスリートのファン創り

で埋まった。

そこで、今回、その資料を実際にししど代表が普段どのようにセミナーで行っているのか…などを有料セミナーとして開催!という流れだったが、本当に参加して良かったというのがまず、率直な感想だ。(多分、上記のnoteを購入するとアーカイブが見れるはず)

資料だけではわからないところや、意外と些細なんだけど、大事だよなそれ…という部分に気づけた時間だった。

今回、参加してみて、ちょっと気になったことがあり、このnoteを書き始めてみた。どんな結論に落ち着くかわからないが、もし良かったら、お付き合いください。

ファンになった記憶を辿ってみる

今回、セミナーに参加してみて僕が思ったのが、

「そういえば、自分はなんでファンになったんだっけ?」

という素朴な疑問だった。今回のセミナーは逆側の視点から学びを得ているわけだ。

アスリートがいかにファンと繋がり、関わりを持つか?それをいかに自身にプラスにするか?

その視点で見ると、僕はファンになる側。言ってしまえば、アスリートに転がされる側なのだが笑(表現)その時に、「じゃー…僕はどう転がされたんだ?」というのがふと気になり、今回、自分を事例として、いかにファンになったのか?そして、よりそのアスリートを応援したいと思ったのか?を考えてみたいと思い、

ファンになった記憶を辿ってみる

ことにしてみた。なんでもそうだが、客観視すると、思わぬ発見がある。今回は自分のファン歴を客観視することで、自分の傾向や新たな気づきを得てみようと思ったわけだ。

宮本のファン事例【Bリーガー 輪島射矢】

今回、どの選手、クラブを事例にしようかと思ったのだが、Bリーガーの輪島射矢選手にすることにした。(以下、輪島射矢選手のTwitter)

多分、ファンになる前に、何かしらのきっかけ、要するに前提条件があると思った。それは気になる。とか共通点があるとかそんなことだと思う。

【前提条件】輪島射矢選手の宮本の中学の先輩である。

それを踏まえた上で、過去の思い出や、なぜ輪島射矢選手を応援したい!と思ったのかを思い出してみることにした。

そもそも、前提条件で後輩という時点でファンにはなりやすい状況ではあると思う。逆に後輩だからこそ、それなりの距離感を保ちたいとも思う。

その中で、彼のファンになったということは、そこから更なるきっかけやポイントがあると思うので、色々深いところまで掘り起こしてみたいと思う。

1番古い記憶と共通点

輪島射矢選手との1番古い記憶は小学生の時まで遡る。僕が小4の時に試合会場に行くと、会場がざわついていた。

「宮本!外国人がいるぞ!!」(差別的意味ではない)

当時の先輩にかけられた声と共に、ダンクしそうな勢いでレイアップする選手、それが輪島射矢選手だった。

当時はハーフやクォーター自体が少なく、異彩を放っていたことを今も鮮明に覚えている。

そして、そんなこともすっかり忘れ、中学に進学すると輪島射矢選手がそのコートにいた。笑

だいぶ端折るが、もうそれそれはひどい先輩で…(以下自粛)

ただ、輪島射矢選手だけでなく、先輩たちはみんな僕にはかっこよく見えた。そんな先輩たちが優勝候補として向かった中学最後の大会で、まさかの初日で敗戦…泣き崩れる先輩たちをみて、初めて自分が関係ない試合で涙をした。

今思うと、あの瞬間が自分にとって輪島射矢選手を応援するという大きなきっかけかもしれない。何よりかっこいいと、強いと思ってた先輩たちが負けた。そして号泣していた。軽く言えば、いわゆるギャップ萌え的な瞬間だった。

その後、輪島射矢選手が進学した高校とも試合をしたりしたが、

出会った瞬間のインパクト中学最後の大会は自分のファン歴に大きな影響を作ったと言えると思う。あとはやはり単純に地元が同じ、中学の先輩後輩という関係も大きな影響を与えていると思う。

輪島射矢、月バスに載る

そこからしばらくして、輪島射矢選手がアメリカに行った。という話を人づてに聞いていた。当時、僕は高校生だったと記憶している。バスケをやめ、特にすることもなく、勉強もせず…近所の本屋さんにCDを借りにいく。カラオケ、ボーリング、ビリヤードと遊び歩いていたが、お小遣いも限られたもので、なんか飽き飽きしていた。唯一ずっとやってたのは、ギター…まー、燻ってた時期だった。笑

その本屋でふと月バスに目が行った。元々NBA好きだったため、HOOP派だった僕。月バスは愛読していなかったのに、その時はどうして月バスに目が止まったのか。パラパラとめくり、白黒ページに差し掛かると、ページの端っこに見覚えのある顔が…

「東京アパッチ 輪島射矢と練習生契約」

衝撃的だった。当時のバスケ界は混沌としていて、正直、誰がプロで誰がプロでないか?僕はよくわかっていなかった。ただ、bjリーグができて、そっちはプロだ…となると…イリヤさんはプロになるのか?

なんて、色々考えたことを今も鮮明に覚えている。

色んなところで書いているが、輪島射矢選手は凄かったが、決してトップオブトップではなかったし、北海道の同じ世代なら、あやめ野中ー東海第四高と進学し、現在は佐賀バルーナーズでプレーする小松秀平選手の方が大スターだった。なんなら、同じ中学のエースだった先輩の方がずば抜けていた。

「イリヤさんが、プロ?!」

あの衝撃は僕をバスケの世界に連れ戻すインパクトがあったように思う。

ここを考えると、何かしらの縁だったり、偶然的な要素、気付かぬ間に目に止まる、情報が集まるなどの要素があると思った。

SNSの登場

輪島射矢選手のさまざまな情報はキャッチしていたが、接点はなかった。そこで登場したのが、SNSだ。Facebook、Twitter、InstagramというSNSが登場し始めた。(ちなみに世代的にはmixi世代)

今回のBOKURAさんのセミナーもSNSを使ってのファン創りであるが、SNSの登場はプラス面もマイナス面も社会、日常に大きな影響を作ったし、今も作っていると思う。

その中で、関係性が途絶えていた人と繋がる、再会できたことが1つのプラス面だと思う。僕と輪島射矢選手もそうだった。

そこでやりとりが始まり(実際はファンとアスリートではそこから個人的な関係は始まらないので、先輩後輩という関係性という特別なケース)、2014−15シーズンのNBDL東京エクセレンスvs山形ワイヴァンズを教え子と観戦に行った。

ちなみに、成人式で再会して付き合っちゃう…なんてことは絶対に何組かいるだろう。かくいう僕もその1人だ。(そんな話はどうでもいい)再会というのはグッときやすいポイントでもある気がする。

SNSがなければ、僕らはアスリートをここまで身近に感じることはないのだと思う。

昔、アスリートはもっと雲の上の存在だったように思う。

僕はJリーグの開幕時に小学生で、サッカーブームのど真ん中をすごした。友達とはグラウンドや公園でサッカー、誰がどのポジションをやるか、むしろ誰が三浦知良をやるか?ラモス瑠維をやるか?対戦相手は誰がアルシンドをやるか?井原正巳をやるか?そんなやりとりが飛んでいた。

プロスポーツにもブームがあり、人気がある時とない時がある。それは競技レベルやプロモーションもあるのかもしれないが、何より「身近に感じることができるか?」ではないかと僕は思っている。

SNSの登場はアスリートがより身近に感じられるようになった。ダルビッシュ有や田中将大という世界で活躍するアスリートの何気ない日常や趣味、言動を知ることができる。

意外と同じゲームが好きだったり、同じ音楽が好きだったり、同じ食べ物が好きだったり…そんなことでファンは嬉しくなるものだと思う。

僕自身も、そんな何気ないやりとりから、一緒にお仕事をさせてもらうようになったアスリートやそれ以外の方もたくさんいる。

話はそれたが、SNSの登場がスポーツ、アスリートの在り方を変えたと思うし、ある意味プロとアマの境目が曖昧になったのではないだろうか?

プロだから影響力があるわけでもなく、アマでもいい意味で影響力を作ることができるようになった。

SNSの登場により、輪島射矢選手と再会した僕だが、その時にNBDLの試合に足を運んだことが「ファン」になる1番大きなきっかけだったと思う。

誠実さ、丁寧さ、向き合う姿勢

2014-15シーズンの山形ワイヴァンズはそこまで成績がよかった印象はない。(ごめんなさい。僕は東京エクセレンスを応援していました。笑)

現在のBリーグよりもファンとの距離の近かったNBDLは、試合終了後にファンと言葉を交わしたり、プレゼントを渡すくらい距離が近かった。ファンの数も数百人だったし、山形はアウェイなので、その時来ていたファンもかなり少ない。

輪島射矢選手が試合終了後、僕に気づき…「ちょっと待ってて!」と言われ、待っていた時間が正直ちょっとどころではなかった。笑

なぜなら、輪島射矢選手は挨拶をする1人1人のファンを覚えているらしく、かなり深い話をしている。もちろんファンも今よりも少なかったからできたことかもしれないが、一周をするのにかなりの時間を要した。

プレゼントを抱え、ほとんどの人と写真を撮り、笑顔でやりとりをする。

その姿に僕は初めて身近で「プロフェッショナル」という意識を感じた。

もしも、あそこで輪島射矢選手がファンを「はいはい」とプレゼントだけもらって、そそくさと僕のところに来たら、ここまで輪島射矢の「ファン」にはならなかったと思うし、現在、コンテンツなどの発信者側として活動する中でも何かしらの勘違いを僕自身がしていたかもしれない。

BOKURAさんのセミナーや資料にも出てくるのだが、「ファンが何を求めているのか?」という相手側に立った心遣いを当時から輪島射矢選手はしていたし、それを狙ってではなく、ナチュラルに行っていたのだと思う。

そこには誠実さ、丁寧さ、そして1人1人に向き合う姿勢が感じられた。

恥ずかしながら、正直、当時の僕は「あの選手と知り合いなんだぞ」という気持ちがあった。しかし、輪島射矢選手の姿をみて、そう思って少しいい気になっていた自分を恥ずかしく思い、反省した。

子供たちとバスケを楽しむ姿

僕が指導者をしていたこともあり、輪島射矢選手には何度かクリニックもしてもらった。

感動したのはそのクリニックに参加した選手みんなが、参加してよかったと言ってくれたことだ。レベルが違っても、経験に差があっても、みんなが同じようにそう言った。実際にその後のプレーに変化が起こった選手もいたし、親御さんから参加してよかったと連絡をもらった選手もいた。

そこで知ったことは、輪島射矢の準備する力だ。

僕も指導者側として、彼とコミュニケーションを取り、どんな選手がいて、どんなことを…という要望をするのだが、それに大して、いつもノート数ページをぎっちり埋めて準備し、実際に選手とやりとりをしながら、その中でまたメニューをコントロールしていく。

それは、繰り返しになるが「ファン(相手)が何を求めているか?」をしっかりと理解、または想像ができている証なのだと思う。

だからこそ、満足度も高い。

色んなクリニックに参加したり、企画してきた中で、共通して言えることはその参加する選手たちの空気感、反応に合わせて、「何を求めているか?」を感じとり、引き出しからさっとだせるコーチのクリニックは満足度が高い。広島の育成を担う尺野コーチもその1人だった。

限られた時間の中で、選手の心を掴む。

これもまた僕の中で大きな学びだった。

ファンが増えていく理由とそこから学んだこと

そこから輪島射矢選手は福島、新潟、東京とキャリアを進んでいく。

どこにいてもファンが増えていくのが非常に印象的だ。その中で、僕も1人のバスケ人として、東京Z所属の初年度からブログ連載を始めた。

 87BASKETBALL LAB 輪島射矢を追いかけて

最近は更新をしていないが笑(メディアなどになり、個人メディアが滞っている=言い訳)

先ほども書いた、ファンに対する誠実さ、丁寧さ、1人1人と向き合う姿勢が輪島射矢選手が最終的にその土地で多くの人の心を掴むのだと思う。

そして、何より僕自身も輪島射矢選手のオフコート、ファンとの向き合いから学んだことがたくさんあるからこそ、彼のファンとして、彼のことを発信したいと思ったのだと思う。

より多くの人に輪島射矢を知ってもらいたい。

それが大前提で、さまざまな行動の結果が現在の僕を作っているのは間違いないし、輪島射矢のファンとしてバスケ界に少しでもプラスの力になりたいと思うようになった。僕の場合、指導者経験や発信者としても活動していたからこそ、そう思うようになった特異な例でもあると思う。

ただ、そう思うきっかけというか、僕がここまで何か力になりたいと思ったのは単純に輪島射矢の後輩だからではなく、輪島射矢の「ファン」になったからだと思う。

そして、その「ファン」になった理由は輪島射矢というアスリートがどんな時も相手が「何を求めているのか?」ということを大切にし、行動をしているからだと思う。それはファンにも対してもそうだし、子供たちに対してもそうだし、僕自身に対してもそうで、それが僕自身には1人の人間として学びになっていることは間違いない。

まとめ

結局、自分よがりのアスリートは単発的なファンになることはあるだろうが、継続的なファンになることはないように思う。

それは今回のBOKURAさんのセミナーや資料を見させてもらっても感じた。

僕は輪島射矢選手のファンになった記憶を簡単に辿ってみたが、まとめると

自分や自分以外のファンの方への心地よい接し方を感じた時にファンになる

のだと思った。これは別にアスリートに限ったことではなく、社会全般で共通なことではないかと思う。そして、これは人気の向上(ここでいうとファンの増加)に伴い、荒くなってくる部分、なりやすい部分でもある気がしている。

慣れてくると…とか、対応が気分次第…とか。

もちろん人なので、そんな時はあると思うし、僕自身もそうやって人に対する態度や接し方にむらがあると思う。けれど、何よりも大切なのは誠実さであったり、相手の気持ちをしっかりと想像し、汲み取ることなのだと思った。

輪島射矢選手も先輩後輩という特異な状況でありながらも、やはり山形時代のファンへの接し方を見た時に、僕は心を打たれた瞬間だった。

そして、これはめちゃめちゃ大事だが、それから7年ほどだったが、今もその姿が変わらないところは個人的にファンであり続けるポイントだと思う。

そして、輪島射矢選手がファンとのやり取りで喜んでいるファンを見ると自分も嬉しくなる。

これも繰り返しになるが、ファンに対する誠実さ、丁寧さ、向き合う姿勢を体感した時に、自分もそういう人間でありたいと思ったことはすごく大きいと思う。それがなければ、何かを勘違いしてメディア活動をしてなくてよかったと本当に思うし笑

自分自身が大切にするべきことを見失わずに来れたのは、そういう選手に最初に出会えたからかもしれない。

だからこそ、何か恩返ししたい。という気持ちにもなっている部分がある。

ファンになると、何かそのアスリートのために自分なりにできることを探して、行動を起こしたくなることがある。それは自分が撮った写真をSNSへ投稿することなどかもしれないし、些細なこと、それぞれができることをしたいと思うことなのだと思うし、たまにものすごいことをしている人もいるので、なんか苦しくなる時もあるだろう。でも気にしなくていいのだと思う。

それはちょっと恋愛にも似ているな…なんて思ってしまった。笑

必ず何か引っかかりがある。気になるとか、目がいくとか…

前提条件もあると思う。地元が同じとか、年齢が近いとか…そういう興味をそそられる部分だ。恋愛でいうと帰り道が同じ…とか。

そして、知るタイミングがある。オンコートとオフコートのギャップであったり、ストレートな優しさであったり、人間性や性格など…

そして、それに触れる。もうその瞬間、ファンだ!笑

オンラインでもオフラインでも、ファンになるそのストーリー性のようなものは変わらないと思う。いざこうやって言葉にして並べてみるとなんかちょっと嫌な感じもするが、恋に似ている感じがあり、ファンになるアスリートはその対象同士が似ているか、そのストーリーが似ているかという傾向はあるのかなと思った。

ということで、簡単だが、僕のファンになった記憶を辿ってみた。

意外と辿ってみるとこんなことあったな…と思うこともあるし、自分が、ここでファンになったんだな!よりファンになった!と感じるポイントを見つけることができたし、僕のファンになる傾向を客観視できた。(役に立つかは分からないが笑)恋愛に似ているんじゃないかという謎の仮説もたった。笑

逆に言えば、それは1つの参考事例として、自分の社会人のこれからのキャリアとしても活用することができると思う。

ぜひ、暇だったら、皆さんも試してみてください。

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