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ここから先はガードだぞ

「富樫選手に勝ちたかった。」

1年前

とあるインタビューで彼はこう語った。

笑顔で話しつつも、そこには強い意志が現れていた。

争いごとは嫌いだと彼は言う。

けれど、誰よりも負けず嫌いだ。

勝ちたい。このチームで勝ちたい。

彼は幾度となく、そう繰り返した。

最近、そんな彼に僕もことあるごとに伝える言葉がある。

「ここから先はガードだぞ」

バスケットボールとは不思議はスポーツだ。

進化をたどり、現代のバスケットボールはポジションの意味が薄れてきた。

けれど、勝負を分けるその瞬間にポイントガードが必ずそのゲームを支配する瞬間があると僕は思っている。

CSを決め…日本一へ向かう。

その準備は間違いなく整った。

しかし、まだ定まりきってないポジションがある。

それがポイントガードだと僕は思う。

今日、富樫勇樹は3Qだけで15得点をあげ、

その瞬間のゲームを支配し、試合を決定づけた。

その中でおそらくディフェンスに注力し、対峙したポイントガードは、

アシストこそ6を記録したが、0得点。

その対比はどこか物足りなかったのが、正直なところだ。

それでも覚悟を感じた。

と同時に迷い、葛藤も垣間見えた。

あのダブルクラッチを決めていれば…あのアタックを続けられれば…

試合はどうなっただろうか…。

僕は単純にそう思った。

周りが見るほど、器用な選手ではない。

正直、日本一のガードには程遠いし、対峙した日本一であろうガードに勝負を決められた。

けれど、日本一のガードになる必要はない。

ただ、ディフェンスとアタック

これならば、間違いなくリーグNo.1ガードになれると僕は思う。

できることを続けろ。

余計なことは考えるな。

誰かと同じようにゲームを支配する必要はない。

日本一のガードにならなくていい。

ただ、1つ

秋田を勝利に導くために

ディフェンスとアタックではNo.1ガードと言えるように…。

「ここから先はガードだぞ」

その言葉に彼はいつもこう答える。

「うっす」

そんなことはわかってる。それでも僕はいつも繰り返す。

「ここから先はガードだぞ…はせのぼ」



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