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【感想】『有吉ダマせたら10万円』この大喜利の回答、バカリor狩野どっち?

以前『水曜日のダウンタウン』でも「狩野英孝、実は大喜利最強説」を自ら持ち込んでいた狩野。
「狩野英孝というフィルターを通して見ているから笑ってもらえないだけで、正体を隠して回答の中身だけを見れば笑ってもらえる」というそれ自体は正論な主張を検証。
(ちなみに結果は惨敗w)
松本人志の『一人ごっつ』への並々ならぬ憧れを見せており、今回はバカリズムを相手にするというなかなか無謀な挑戦。

有吉「大喜利のチャンピオンと一般参加の方」w

あるお題に対する回答を1つだけ見て、それがバカリズムの回答か狩野の回答かを当てるクイズ。
『くりぃむナンチャラ』『くりぃむナンタラ』の境界線大喜利をよりソリッドに削ぎ落としたような企画。

そこまでお笑い色の強い企画ではないと思って見始めたのだが、バカリズムと有吉が大喜利を解説してくれるような興味深い話がたくさん出てきて期待以上に面白かった。

ちなみに狩野1人での挑戦ではなくパンサー尾形とのチームでエントリー。
ただし大喜利に答えたのは全て狩野。
では尾形の役割は何なのか?

永島アナwww
間や表情が素晴らしかったけど、有吉から始まったやり取りということは台本に無いアドリブだったのかな?
実際は永島アナがいるのにお題を読み上げるという取って付けたような仕事w

第1問

即答で当てる有吉!
あんな簡単に分かるもんなのか。

有吉「大喜利ってパッと思い付いたものはダメで、捨てていく作業なんです。自分の中で短時間でブラッシュアップしていく」

狩野の思考スピードでは時間内にこの回答には到達できないと考えたそう。
いきなりガチガチの予想で唸らされる。

ここで出題形式の妙を視聴者に解説するバカリズム。

バカリズム「1枚だけ出されるとね?」
有吉「並べちゃうと絶対に分かる」

第2問

今度は悩んでしまう有吉。

有吉「やっぱりバカリズムに恥かかせたくないからなぁ」

初期IPPONグランプリの因縁を思い出すようなエモいコメント。
この企画全体を通して正解する度に少しだけ安堵の表情を浮かべていたのが印象的。

有吉「お題が結構単純だから、そんなに崩し方が一杯あるわけじゃない」

『古畑任三郎』の劇伴も流れた熟慮の末に狩野の回答をバカリズムのものだと誤答w
本物のバカリズムの回答も見てみる。

有吉「狩野が腕上げたんじゃなくてバカリズムがちょっと腕落とした」w
バカリズム「この流れで読んだから!」
有吉「あれ?何かバカリズムの方が単純な感じがしてきたなぁ」

ここで「大喜利における場の流れ」の話をバカリズムがしていて、もっと聞きたいなと思ったら次の問題ですぐ補足してくれた。

第3問

永島アナ「お題は難しかったですか?」
バカリズム「いや、お題自体は全然シンプルで大喜利としてはやりやすいんですけど、基本的にはみんなで並んで順番に出していくってスタイルだから」
有吉「みんなの様子を見ながら答え変えてったりとか色々」
バカリズム「そうそうそう」

まさにIPPONグランプリの話。

このnoteで自分も書いたけど、同じ回答でも出すタイミングが異なればウケも異なる。

狩野が回答を提示。

有吉「こうなってくると…」w

ここで特別にもう一方の回答も見せると自ら不利な条件を持ちかける狩野w

有吉「がっぷり四つですね」w

全然違うとプライドを覗かせるバカリズムw
「激!ビリビリペンは良くなかった」と消去法で正解する有吉。
狩野あっさり自滅w
正直「エジソン饅頭」単体なら勝機は十分あったと思うのだがw

第4問

有吉「結構シンプルな感じのね」

尾形に選んでもらう狩野。
そもそも尾形はここまでどういう感想を抱いているのか?

尾形「お二人(有吉とバカリズム)が話してることは全く分かってないです」www

そんな尾形のセンスに委ねる狩野。
さっきからシンプルに戦略が下手すぎるw

もう一方も見せてもらうことに。

有吉「がっぷり四つですね」www

バカリズムと予想。

有吉「SASUKE出演はちょっとベタすぎるというか。この問いに対する良い答えではないなって感じがしました」

ほとんど松本人志チュアマンぐらいの目線で有吉が喋っているのが印象的。
で、無事正解。

バカリズム「SASUKE出演ってダサいでしょ?」w
有吉「小学生が言いそう」w

第5問

有吉「今IPPONグランプリってお題が複雑化してるから」
バカリズム「これは昔のタイプのお題。結構答え尽くしてる」

先ほどから再三出ている話。
なるほど言われてみればそうだけど、お題がシンプルだと仮に大喜利スキルに差があったとしても回答には出づらいのか。
あと有吉が2014年を最後に出場しなくなっても(ちなみにその第12回大会の決勝がバカリズムvs.有吉)IPPONグランプリをちゃんとチェックしているのが垣間見えるのも何か嬉しい。

面白くないという単純明快な理由で狩野と予想して正解する有吉。

バカリズムの回答も同様にシンプルだったと訴える狩野にバカリズムが核心を突く。

バカリズム「セルフはギリあるからね」
有吉「回転寿司をそう捉えたりね」

ちょっとここガチのダメ出しっぽくてヒヤヒヤしてしまったw

最終問題

有吉「これは何でもいいっちゃ何でもいいから判断しづらいな」
バカリズム「そうですね〜」
有吉「まぐれ当たりがあるパターン」
バカリズム「こういう一言系はね」

お題を見て一瞬でここまでの分析が出来るのものなのか。

もはや企画趣旨を逸脱してでも完勝したいという個人のプライドだけでまたしても両方の回答を開示してしまう狩野w

有吉「互角だね」www

今までで一番悩みながらも正解。

有吉「ちょっと…『これ』が余計かなっていうか。バカリズムなら削ぎ落とすかなって」
狩野「この2文字ですか!?」
有吉「削げるんであれば削いだ方が良いよね」
バカリズム「うーん、ちょっと長いな〜」
狩野「僕だったら、“あの〜”充電器持ってる?って付けると思うんです」
バカリズム「あーもう多い多い多い!気遣いが出ちゃってるから。デリカシーの無さを出した方が良い」

いや、すごい話。
ちょっと鳥肌が立ってしまった。

  • 発想

  • 場の流れ(出すタイミング)

  • ワード選び(削ぎ落とし)

  • 言い方/プレゼン(今回の企画ではそこまで問われず)

期せずして大喜利の本質に迫るような内容になり、それをバカリズムと有吉が語ってくれるというのも豪華。
次回は尾形が狩野の仇を取るべくリベンジというオチだったけど、もし本当に実現したら言い方/プレゼンの話になりそう。

大喜利のお題を考えた作家陣も盤石。

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