![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98482202/rectangle_large_type_2_90dcd3e82f0661956e1c54fac945761b.png?width=1200)
【感想】DMM TV『大脱出』#1・2
大脱出(2/23):第1・2話。藤井健太郎によるDMM TVオリジナル番組。スタッフも『水曜日のダウンタウン』と一部共通。いわゆる「地上波NG」を謳った安直な過激路線に逃げない、水ダウの延長線上にあるような監禁企画。ネット配信だろうが戦い方を変えない横綱相撲。 https://t.co/NkdtKZ5pOp
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) February 23, 2023
佐久間Pが手がけた『インシデンツ』に続くDMM TVオリジナル番組の第2弾は藤井健太郎がTBS在籍のまま手がけた『大脱出』
シュワちゃんとスタローンが共演した同名の映画を思い浮かべる人も少なくないかもしれないが、英語の副題『THE GREAT ESCAPE』は往年の名作映画『大脱走』のオマージュ。
もちろん世代によってはJUDY AND MARYのベストアルバムを連想する人もいるでしょうし、もしくは少女時代の楽曲という人もいるでしょう。
閑話休題。
会社員がわざわざ同業他社でやる企画、すなわちTBSが会社として「これはウチでは出来ないよ」とお墨付き(?)を与えた企画って何だろうと期待して見始めたら(良い意味で。後述)拍子抜けした。
ほぼ『水曜日のダウンタウン』だったから。
いわゆる監禁企画。
ぶっちゃけこの辺とやってることはそんなに変わらない。
ツイートにも書いた通り「ネットだから地上波では出来ない企画を!」みたいな謳い文句で安易に過激路線に逃げていない。
強い。
となると、どの辺りが地上波NGだったのだろうか?
「全国指名手配犯の名前とか?」と一瞬思ったのだが、そもそも「情報を提供してください」と広く呼びかけるための指名手配なわけでテレビで扱えないわけがない。
実際たまたま昨日外出した先で街頭ビジョンに指名手配犯が表示されていた。
(番組内で出た名前もいくつかあったw)
ラジオ部屋(有料コンテンツにつきネタバレは最小限に留めたい)とかはそのまま地上波でも流せそうな気がするし。
てか「狩野英孝 実は大喜利最強説」が近いことやってたか。
そんなことを考えていたら佐久間Pと藤井Pの対談記事にその答えが。
僕は「クロちゃんを首まで埋める」ってことをずっとやりたかったんですが、地上波ではなかなか難しくて。
そこwww
無人島や落とし穴に置き去りにするのは地上波でもOKで、これはダメなのかw
難しい塩梅があるんだなぁ。
それにしてもダウンタウンの冠番組からダウンタウンを抜いたのに「水ダウっぽい」と感じられるとかよく考えたら異常事態だよなと。
(もちろん松ちゃんのコメントや浜ちゃんのリアクションが無いことの影響がゼロとは言いませんが)
『インシデンツ』が今まで見たことない新しい番組を志向していたのに対して、このコンプラ周りの調整だけで企画の根幹を変えない戦い方に痺れる。
やってることは変わらない、変えない。
配信直前に放送された企画がアイマスク着脱チャレンジだったのは偶然か確信犯か。
水曜日のダウンタウン(2/22):アイマスク着脱チャレンジ。ほぼソリッドシチュエーションスリラーw理屈こねて疑心暗鬼に陥るのマジで平子っぽいなwオフの相方を爆笑させるの難しい説は『チャンスの時間』の喜怒哀楽チャレンジのシンプル版。あの空気でも屁で笑う流れ星w https://t.co/rpblUqLXij
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) February 22, 2023
実は『水曜日のダウンタウン』の番組立ち上げ期にはこんなやり取りがあったそう。
松本さんに、最初の打ち合わせで案の定言われました。
「申し訳ないけど、笑いを全面に出したVTRはつまんなかったとき、こっちではどうすることもできないから……」と。
(中略)
「VTRがつまんなかった場合、さすがに取り返しがつかない。スタジオだったらある程度はなんとかできるけど……」とも松本さんは言いました。
それは、本当におっしゃる通りで、ダウンタウンの番組の場合、ちょっとくらい企画がダメでも浜田さんと松本さんの力で成立しちゃうことがほとんどです。
確かに『水曜日のダウンタウン』で笑いのきっかけを担っているのはスタジオの芸人ではなくスタッフが作ったVTR。
前述の対談で佐久間Pもこのことに触れている。
これは冗談とかではなく、もし自分がダウンタウンと仕事をするというときに、『水曜日のダウンタウン』の形式みたいに、ダウンタウンのふたりに面白いVTRを見せるっていう企画を選べなかったと思うんですよ。
キャストが変わっても作風・作家性が変わらない映画監督のよう。
もはや地上波と配信をことさらに区別する姿勢が時代遅れになりつつあると痛感させられるわけだが、そういえば地上波と配信を対立構図で考えたくなる“事件”が今週はあった。
2/19(日)の午前中と夜に発表された2本の番組。
既に一部で話題になっているように『名アシスト有吉』には吉本芸人が一切出演しない。
これは『大脱出』も(少なくとも第2話終了時点では)同様である。
かたや27時間テレビのMCは3組とも吉本芸人。
『名アシスト有吉』はNetflix配信でありながら制作・著作は日テレという座組みという文脈もある(ちなみに演出の橋本和明は昨年で日テレを退社して独立している)
吉本vs.非吉本でもありネットvs.テレビでもあり日テレvs.フジでもある。
千鳥かまいたちダイアンの27時間テレビ、MC陣と並ぶ天下獲り芸人の1人でありながら現在はフジテレビと関係性の薄い有吉がお祭り的に絡むのか(もしくは絡まないのか)は気になる。あとは港浩一社長経由でとんねるずが生放送に乱入したら面白そうだけどさすがに無いかw
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) February 19, 2023
そんなモヤモヤというか自分の中でも紹介しきれていなかった思いをなんとなくツイートしたのがこれ。
(とんねるずに言及しているのは前日に聴いた『秋元康と佐久間宣行のオールナイトニッポン』の影響w)
もちろんどちらの番組も面白くなってほしいと思ってます。
有料サービスでは「これなら無料の地上波を見てればいいや」なコンテンツでは厳しいわけで、クリエイターや企画力を全面に押し出す方向になるのだろうか?
でも、きっと地上波にもそれはゆくゆくは逆輸入される。
逆に吉本には劇場という芸人を育てる唯一無二の絶対的な強みがある。
M-1でSMAやタイタンが優勝する流れ然り他事務所も黙って指をくわえてはいないだろう。
群雄割拠の戦国時代の様相。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?