2020.08.01よんなな会@オンライン(講演メモ_01)
吉藤健太朗さん(オリィさん)
(オリィ研究所HP)
<講演要旨>
テクノロジーの力で、人の「寂しさ、孤独感」を消したい。
今の社会には1000万人の高齢者、4万人の学校に通えない人がいる。そうした外出困難な人がOriHimeを使って外に出ていって活躍してもらうことができる。
OriHimeが可能にするのは「存在感の伝達」。
買い物、コンサート、スポーツ観戦、結婚式への参加など。実際にその場にいるような感覚を得ることができる。
オリィさん自身、小さいころから体が弱くて4年近く不登校だった。だけど学校には行きたかった。その思いからOriHime開発が始まった。実際に学校に通えない、社会参加しにくい人たちに使ってもらっている事例が出てきている。
(オリィさん友人の番田さん)
OriHimeの利用者(パイロット)だった番田さんとのエピソードは、以下のオリィさんのnoteを参照。
”心が自由であれば、どこへでも行くことができる”。
その人が社会から、周囲から必要とされていることが実感できる。
肢体不自由者の就職率は5%程度。とても少ない。
支援学校を卒業する生徒が就職するに当たって、何をしてもらえばいいかわからない企業、何の仕事で活躍できるかわからない先生がまだ多い。そのような中で、どのような仕事ができるか、どのような新しい仕事を作り出せるか切り拓いていきたい。
今現在、OriHimeパイロット40名弱の方が、どんな社会参画ができるかチャレンジを続けている。移動の制約がある人にとっての活躍の場を作ることを通じて、実際の事例、ロールモデルを数多く作っていきたい。
<質問タイム>
Q. OriHimeを操作する人をパイロットと呼ぶのはなぜか?
A. OriHimeを使っていた当事者の少年が、OriHimeの操作をしていたことを「ロボットのパイロットやってた!」と言っていたのを聞いて、それいいね!となった。特別な深い理由は無い。
Q. OriHimeに役場の総合窓口をしてもらえることもできるか?
A. 神奈川県でもすでにやっている事例があるので可能。OriHimeのパッケージにしようと考えている。こうした機会を通じて活躍の場を増やしていってほしい。OriHimeは、遠隔から操作に入れるので、場合によっては外国語を話せるパイロットが複数人いて、必要とする人に応じて窓口案内することも技術的に可能。
Q. OriHimeのパイロットで、精神障害の当事者の方はいますか。
A. 実際にいます。OriHimeを介してコミュニケーションをとるとパニック障害の症状が出にくいという例もあります。
Q. 秘書の仕事は、特別支援学校の教育課程や経験ではできないのではないか。カリキュラムなどはあるのか。
A. 過去に当時者の保護者の方からも似たような意見があった。それはオリィ研究所だから、その方だから、できてしまうのであって皆ができるわけではないのではということだった。これは悔しかったので、当事者の方に経験を積んでもらい活躍できるような教育カリキュラムを様々な場を活用して今後作っていきたいと思っている。
<感想>
「コミュニケーションテクノロジーで人類の孤独を解消する」
オリィ研究所のHPを開けると、まず飛び込んでくるメッセージです。
今の世の中は様々な技術が発達して、コミュニケーションツールもとても進化したように感じます。しかし、それでも技術的なハードルがあって、人と人とのつながりを持ちにくく取り残されそうになる方も、まだ数多くいます。
そうした状況を乗り越えようとするOriHimeの登場は、フェイストゥフェイスでなくても、フェイストゥフェイスと限りなく近いコミュニケーションを可能にするという点で、人とのつながりを持たせてくれる希望になるのだと思いました。
たとえどんな苦難にさいなまれる状況にあっても、その苦労を分かち合い前向きにとらえることのできる気持ちが生まれれば、人は前向きに生きていくことができるはず。
どれほどきついと思う仕事でも、同僚がいることで乗り越えられた、という経験が私自身あります。これの逆で、どれほど負荷のかからない仕事をしていても、人とのつながりが感じられない、孤独感の中で突き進まねばならない仕事は私にとってはつらく、メンタル不調になりかけたこともありました。
そんなちっぽけなエピソードと一緒に語るのはおこがましいですが、OriHimeのパイロットだった番田さんのご活躍は、OriHimeを通じたつながりをもつことで孤独感が和らぎ、また、ご自身の活躍を実感することで新たな挑戦へとつながるといった好循環を生んでいたと思います。
人との「つながり」や「孤独感」の話は様々な人にも当てはまるし、自分自身も、つながりを感じられる存在に、孤独感を和らげる側の存在になれるように努めたいと思いました。
途中から自分の思うことばかり書いてしまい恐縮です。
読んでいただきありがとうございました。
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