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京都タワーで奏でる演奏スタイルの変遷

作曲家で大学教員の小松正史です。今日は、演奏スタイルによって音楽の表情がどう変わるかという話題についてお話ししたいと思います。同じ曲でも、聴く環境や聴き手の心情によって、受け止め方が大きく変わることってありますよね。最近、京都タワー展望室で演奏した経験から、そんな音楽の不思議な魅力について考えさせられたんです。一緒に音楽の世界を探検してみませんか?


BGMから主役へ:20年間の演奏スタイルの変化

私が京都タワーで初めて演奏したのは、20年近く前の2006年頃でした。当時の私の演奏スタイルは、とても控えめなものでした。BGMとして、お客さんの環境を整えるような、いわば縁の下の力持ち的な役割でした。音量も小さめで、目立たない場所で演奏していました。

でも、2010年後半くらいから、私の演奏スタイルが大きく変わってきたんです。徐々に音量が上がり、音の存在感が前面に出てきて、より積極的な演奏になっていきました。正直、人前で演奏することで満足感を得るタイプではないんですが、来場者のレスポンスに併せて演奏するようになってきました。簡単にいえば、周囲が騒がしくなったから、それに見合う音量や表現力を備えた演奏スタイルに変わってきたんです。来場者が増えるのはいいことなんですけど、ね。

観客の期待に応える:最近の演奏スタイル

先日の2024年7月7日の演奏会では、かなり変わった雰囲気になりました。音量もさらに大きめで、多くのリスナーが私の演奏を聴きに来てくれたんです。私自身、憑依体質というか、まわりの期待に敏感なタイプなので、観客の要望に応えようとする自分がいました。無条件にサービス精神を出すのが、僕のよいところでもあり、わるいところでもあり。。。

結果として、かなりがっつりとした演奏になってしまいました。ピアノソロや即興の部分では、思い切り盛り上げてしまったんです。これは明らかに自分の表現欲も出ている演奏だな、と弾きながら感じました。もっと正確にいえば、観客の要望に則した音の表現を探った結果、派手目な演奏になってしまったのです。

客観的な音環境と演奏スタイルの関係

このような演奏スタイルに変わってきた理由は、客観的な音環境に大きく影響されているからなのです。

例えば、最近は外国人のお客さんも増えて、携帯電話で話す声が聞こえたりすることもあります。そんな時、不快に感じるお客さんがいると思って、音量を上げたり、ざわざわした環境をマスキングするような演奏をしたりするんです。

結局のところ、私の演奏スタイルは、周りの音環境に合わせて変化しているんです。BGMから表現欲の強い演奏に変わったのも、実はこういった背景があったんですね。

さて、これからの演奏スタイルはどうなっていくのか。正直、まだ模索中です。でも、お客さんの反応を見ながら、実験的な試みを続けていきたいと思っています。次は冬の時期にやるかも!?

京都タワー展望室のピアノライブは、私にとって現在進行形の「実験の場」。これからどんな展開を見せるのか、私自身ワクワクしていますし、発見の連続です。みなさんも、機会があればぜひ聴きに来てください。それでは、今日も音の良い1日をお過ごしください。

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3.5 Sonnet

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