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吟行

初めての吟行、というより、吟行の意味すら分からず、俳句ワークショップに参加したことに、少し恥ずかしい思いである。
銀竹x芽部のコラボということで参加を決めた。〈銀竹〉は俳句の会、以前、ネットプリントで作品を読んだことがある。若者の集まる短歌、俳句の会。

 昔、一度だけ俳句の会に行ったことがあるが、ただ見ているだけで、関心もなかったので、俳句を詠んでいるくらいで見ていた。その時は、角川書店の角川春樹氏、他に、誰がいたのかも覚えていない。既に、遥か昔の話である。

今回 実際、吟行に参加しての感想は、司会進行にのせられて、あれよあれよという間に街に出て、散策。(本当は、句を考えながら歩かなければならないのだが)
決められた時間までに、2作品まで提出ということなのだが、少しも思い付かない。
素材となるのは、マンションのカーテン、色々な模様があったことを句にしようかと考えたが、色がない。模様付きの白いカーテン。上から下まで、建物自体が、単色の模様のみ付いている人間の集まりと化している。
 また、お店の軒先に吊るされた、ハエ取り紙。すでに、数十匹のハエが、吊るされている。カレーの彫刻に、その様な構図があったような。

素材があっても、加工する能力に欠けるのは、確かだ。
結局 「イヤホーン ペアーで聞く音 春の星」
少し前に、アベックが、線の付いたイヤホーンで、何を聴いていたのか知らないが、その光景を、俳句にしてみた。

「吊るされた ハエ取り紙に 春の蝿」

帰りに、煥乎堂書店により、古本を少々購入。
偉そうな店員さんに、100円の本を勧められる。
生方たつゑ氏の「虹ひとたび」歌集。
お安いので買い得品ということだが、生方たつゑ氏?誰
ということで、調べてみたら、沼田市に関係があり、有名な歌人とのこと、早々買うことにした。
家に帰り 今読んでいる、集英社の「私の古典」 蜻蛉日記、和泉式部日記の著者が まさしく 生方たつゑご本人。
誰が書いているかも知らず読んでいたとは、我ながら、呆れる

詩でもそうだが、誰々が書いているから良いというのではなく
良い詩があるが、誰が書いたのかな? 程度で良いのかもしれない。

吟行は疲れる。でも、楽しい。
私も意外と歩きながら、色々なものを見たり、感じたりする方だが、吟行のように目的(吟行中に俳句を作る)を持って見ると
少し気配が殺気だっているように感じられる。
季節は 冬から春へ ゆっくりと 凪がれているようだ。


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