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麻婆丼100人分の賄い。 やりたいからやる。

想像を超える動員と盛り上がりとなった11月16日のageHa 17周年。6:00過ぎにパーティーが終わった後、ageHaではその日の昼も14時からパーティーが入っていた。毎年恒例、ハウスシーンのレジェンドMasters at Workが来日するスペシャルイベントだ。

我ながらクレイジーだと思うんだけれど、 17周年の大仕事を乗り越えたその翌朝、僕は車で2時間ほど仮眠して、そのまま駐車場でageHaスタッフ達のための賄い100人分を作り始めた。去年のMasters at Workでは奥さんと二人でカレーを作ったんだけど、今回は一人でも出来るものを。ということで麻婆丼を作ることに決めていた。買い出しは外タレの送迎に行く前の前日に済ませておいた。

ここ最近も自分のパーティーの決起会といえば、手料理を振舞うスタイルでやっているんだけど、何故?と聞かれれば、単純に振舞うのが好きだから。ということだと思う。僕のパーティーの原点はそこにある。最近つとにそれを思うし、想い出す。

今年は連チャン営業で大変だったけど、昼開催のageHaじゃなきゃ賄いを自分で作れるチャンスもないので、今年は特別に頑張ってみた。無洗米を使ったことがなくて、最初、水の量を間違えてお米が硬くなってしまったり、麻婆丼の味の濃さのバラツキとか、反省は沢山あったけど、総じてみんな美味しいと言って食べてくれたので嬉しかった。

賄いをやると、普段のパーティーの仕事中には落ち着いて話をすることもできないスタッフ達の素顔を見れることがとても嬉しい。好きなだけ盛り放題の賄いだから、男のセキュリティースタッフよりもモリモリ食べる女の子とか、間をおいて2回目を食べに来てくれる奴もいたり、、、気兼ねなく、好きなだけ食べれることを皆素直に喜んでくれる。

分かるよ。僕も食いしん坊だから。。。笑

元をたどれば、僕がパーティーというものを意識したのは高校生の時だったと思う。親が留守をしている友達の家に10数人で集まって朝まで騒ぐ。みたいな夜に、少ないお金で美味しいものを一晩中作り続ける。というのが僕がその場に貢献できる一番の役割だと勝手に思い込んで、ともかくそれをやっていた。子供の頃から料理は好きだったけれど、みんなのために料理をする楽しさを発見したのだった。人によってはそれが音楽で、DJになるきっかけになったりするんだと思うんだけれど、僕にとってはそれが料理だった。

そんな僕の「パーティー = 料理」っていうライフスタイルは大学に行っても続いていったのだけれど、やがて代々木公園のゲリラレイヴや春風に出会い、衝撃を受け、そこに音楽も加わるようになった。でも僕は音楽に詳しくもなかったし、何の素養も持っていなかったので、発電機を買って、スピーカーを持ち出して、まずは場を作ることから始めた。

「場を作ること」とは、まさに僕が今ageHaでやっていることそのものだなと思う。いつしかそれが繋がり、繋がりが繋がりを呼び、ライフスタイルというより、ライフ = 人生そのものになっていった。

2002年か2003年頃だったと思う。友人が茨城のビーチでフリーパーティーをオーガナイズすることになったのだけれど、出店するご飯屋さんが無いからと「オバリくん地元でしょ?何かお店出してよ!!」と誘われて行ったのが、実は僕の奥さんとのた最初の出会いだったと後になって知った。

そう、その時も僕は麻婆丼を作っていたのだった。
美味しかったから、2回食べに来てくれたのだと彼女は言う。

あの時、僕はどんな気持ちで料理を作っていたのだろう?
未来の奥さんになる人が食べてくれた麻婆丼はどんな味だったのだろう?
ある日、そんなことを想像していたら、、、
記念すべき日に、愛すべきスタッフ達のために、僕は麻婆丼を作りたいと思いついた。

あとは、いつもシンプルだ。
やりたいからやる。

もし仮に、僕が王様みたいにお金持ちだったなら、財力にものを言わせて振る舞うだけでも、それはそれで楽しいかもしれないけれど、物事は制約があるからこそ面白い。予算の中でどれだけ満足するものを、期待を超えるものを提供してあげれるか?考え、実行し、自分と向き合い、せめぎ合う。料理はいつもクリエイティブな愉しみで、パズルやゲームでもある。ただし、そこに食べてくれる人がいないと成立しない。だから食べてくれる人に感謝する。僕の遊びに付き合ってくれてありがとね。と。。。

そんなわけで、よく「料理屋をやったら良いじゃん!?」「オバリくんがやったら絶対流行るよ!!」って言われることも多いんだけど、いつもそれは無理だなって思うんだよね。。。だって絶対振る舞いすぎちゃうから。。。笑
僕にとって、料理はスタッフの賄いぐらいがちょうどいい。
でも実は、音楽フェスのフードプロデューサーとか、そういう仕事を作れないかな?とか妄想したりもしています。

話は尽きない。料理もパーティーもいつも面白い。

何かと世知辛い話題が多い今日この頃だけど、自分にできることで、まずは身近な人たちに、ポジティブなバイヴレーションを届けていきたいと思う今日この頃なのです。

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