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日本のデフレマインドを強烈に感じた話


日本人の心理のなかに根付いているデフレ

最近物価が上がってきて、日銀も物価5%上げると言って量的緩和をし続け、政府も企業に賃金を上げるようにと言って、徐々に日本も長いデフレ経済から脱却しようとしています。
良いことだと思います。30年間、物価も賃金も上がっていなくて、外国人が、日本に来て、円安で、「なんだこれ安い」となりまくっているのは、もうどうかと思います。

しかし、日本の人々の、特に一般人レベルのなかに物の値段を如何に安く抑えることが至上の命題のように刷り込まれている気がします。
そんな体験をした話です。

安くなるしか言うことはないのか?

携帯電話の乗り換え時やネット回線、電気・ガスの業者、保険などのセールストークはまさにデフレマインド醸成の最たるものであると感じます。

節約を否定する訳では決してないのです。
ミニマリストを否定もしません。

しかし、「このプランにした方が月々1,000円程度安い」ですよ。「年間に直したら大きな額ですよね?(ちょっと威圧的に)」こういうセールストークを毎回毎回腐るほど耳にすると思うのですが、本当にお金を安くしたい人には響くと思うのですが、その契約変更に伴う労力と時間コストを考えると年12,000円程度では、全く割に合わない人もいるのです。
せっかくの休日にそんなことに時間を使うくらいなら、別のことに時間を使いたい人もいると思うのです。

そして、彼らのセールストークのなかで、今使っている料金が「高くなっているから」という言葉をしきりに使ってくるのですが、確かに彼らの論理では現在の「価格は高い」のですが、たとえば、思い入れがあってその業者を使っていたり、別の業者が信用できないから今の業者を使っていたりする場合もありますよね? そういことは考えてセールスしていますか???

仮に、乗り換えしても、セット割引がいつまで適応されるのか不確かで、中途解約金を含めると乗り換えで安くなった分が打ち消されて、結局大して得をしていないなんてことも十分ありえるのです。
例:auのネット回線を使っているなら、auのスマホ回線にした方が1,000円くらい得だったとしても、引越しでauのネット回線を使わなくなった(auの回線が引けないマンションや無料回線がついてくるマンションだった)ら、その割引は受けられない訳で、その度に毎回最安の契約プランを探して数千円のために契約を繰り返すのでしょうか。。

このセールストークの問題は、「高いから悪い」「安くすることが正義」という風に、一般の人は皆不文律のように思っているという前提に立っていることです。
なぜこうなってしまったのか。
それは、給料が上がらず、手取りが少ないなかで、少しでもやりくりをしないいけない期間が、なんと30年も経過した、日本人のなかにデフレマインドを形成したのだと思います。

何にいくらお金を払うのか、何に価値を感じるのかはその人次第、それを想像して営業しよう

100円ショップやファストファッションが悪いとは思いませんし、格安SIMにして携帯料金を下げることも必要だと思います。
しかし、そうやってどんどん安い物安い物にしていくことが、まるで「正義」のようになっていくと、日本は一向にデフレマインドから脱却できないと思います。
むしろ2極化するでしょう。
とにかく全部安くないと気が済まず、値上げは許容できない人と、価値を感じれば多少高くても気にしない人で。

夢のマイホームなんて言葉がありますね。正直注文住宅でいくら拘って家を作っても木造であれば築20〜25年くらいで建物の価値はほとんど無くなって土地だけの価値になりますよね。
でも、その人か自分の理想とする家にしたいと思って、そこにお金をかけたのであれば、そこに価値を感じているのであれば、別に損得ではないはずです。

洋服も同じです。シャツが1枚45,000円するブランドものと、1枚1,950円のものがあったとします。着れればいいのであれば、安い方がいいですよね。しかし、高い方のブランドのシャツに価値を感じて、その服を着ることで自分のテンションが上がって前向きになるのなら、それは「高くてもいい」訳です。
それを決めるのはその人自身で、ましてや人にモノを進めるセールスマンではないし、セールスマンであれば、その心理も最低限理解すべきでしょう。

「料金を安くする」というマインドがデフレを醸成している、そしてその人たちの「民度の低さ」

繰り返しですが、セールストークでよく言われる「安くなります」論は、お金に余裕が本当にない人たちにとっては刺さるかも知れませんが、その論法が万人に通じるとは思わない方がいいと思うのと、なぜ一番のセールスポイントが「安くなる」ことなかということももう少し考えて欲しいですね。

しかも、大抵の場合、大して安くならない。儲かっているのは仲介業者(代理店)だけのことが往々にしてあります。
こういう謎の代理店に騙されないようにしましょう。

最後に、営業されていたときに、
「これ今(料金が)高くなっちゃっているんで・・(正論を言う感じで)」
とか言われて、高い料金を払っているこちらが何故か悪いみたいな言い方をされ。せっかくの休日に時間をかけて乗り換えるメリットもないと思ったので、「検討します」と気を利かせて断ったのに、
「このキャンペーン今日までなんで”検討の余地”はないです!(ギロ)」
と返される始末。
はっきり「契約するメリットを全く感じなかったので結構です」
と言おうと思ったのですが、ここは大人に
「こういうキャンペーンって至る所でやっているので大丈夫です(笑)」
「あと、乗り換えでキャッシュバック25,000円じゃやる気にならないです」

と言って立ち去りました。

セールマンの態度が少し上から目線で微妙だったので、どこの業者かわからないですが、取引しなくて良かったかも知れないです。
もし少し親身になってくれればこちらも話を聞いたかもしれないですが。。

人に10万以上もする高いiphoneを「安くなる」という「エサ」で釣って、あわよくば買わせようとするなら、もう少し、頑張って欲しいところです。

感じたこと

私たちのなかに、もう払拭できないレベルで、「モノやサービスを安くする」というマインドが染み付いてしまって、こういった乗り換えの営業でも、それが一番のセールスポイントにされてしまっているのだなと実感しました。何か呆れというか、悲しさを感じました。

繰り返しですが、多少高くても、価格以外の面でそのモノやサービスに価値を感じてお金を払っている人もいると思うのですが、それが「他より高いから」という理由で一掃されると、「オマエに何かわかるんだ?」と思いたくなりますね。

愚痴というか、現代社会の深層に触れた話でした。

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