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Meta Quest Pro、VRがもたらすこれからの働き方の可能性について

10月25日にMeta Quest Proが発売されましたが、このVRヘッドセットが私たちの生活にどのような可能性をもたらすのか、まだお試しいただけていない方も多いと思い記事を書こうと思います。

今回はこの革新的なデバイスの紹介を含めて、メタバースの普及が今後の私たちの働き方をどう変えていくのかという将来を見据えた話をしましょう。

自分の分身、アバターがよりコミュニケーションを加速する

オンライン会議が一般的になり、オフィスでの対面とオンライン両方で会議をする場面が増えました。しかし、どうしてもオフィスにいる人とオンライン参加の人とでは、場の熱を共有するのが難しいという問題があります。個人的にオフィスから一緒に参加する人との方が話が盛り上がり、本音で話せるような気がします。

そこで、私はMeta Quest 2を用い、アバターとなってバーチャル空間で行う会議を積極的に取り入れるようにしているのですが、会議参加者がどこにいても、同じ会議室に集まっていると感じることができるので、同じ熱量を持って、本音を交えたトークがしやすくなりました。話題が盛り上がることも増え、新しいアイディアが生まれやすくなったとも感じています。

Meta Quest 2でも表情のトラッキングが可能でしたが、Meta Quest Proは従来の機能に加え、アイトラッキング、自然な表情機能によるアバターでの表情の表現も可能になりました。使ってみて初めて気づいたのですが、人は思っているよりもずっと相手の聞くときの表情や仕草を気にしています。相手の視線や表情を見ることで、話を理解してくれているのかどうかなどがわかることがこんなに嬉しいことだとは思いませんでした。皆さんにもぜひ体験してみてもらいたいです。

また、ハンドトラッキングの性能も向上しており、身振り手振りもよりリアルにできるようになりました。プレゼンをする際などにも嬉しい機能です。

自分の分身であるアバターは、より自然な表情や表現ができるように、常に進化を続けています。そんなアバターを介することで、お互いの存在をより近くに感じつつも、物理的なことは何も気にせずにコミュニケーションを取る、ということができるようになりました。これは、今までのコミュニケーション手段、例えば文章、音声、映像、そして対面とはまた違うレベルで人とつながることができるということであり、これからのビジネス、働き方を大きく変える可能性があると実感しています。

物理世界と融合できるフルカラーパススルー機能

Meta Quest Proのフルカラーパススルー機能は、物理環境をフルカラーで見ることができる機能で、仮想空間と物理空間を融合させる、いわゆるMixed Reality(複合現実)を実現することができます。

Meta Quest Proは、現実世界をカラーでかつ複眼で見ることができます。ヘッドセットをつけたまま、パソコンのセットアップやキーボードの操作などがしやすくなり、距離感も正確につかめるので私がルーティンにしている自分で淹れた机の上のコーヒーを飲みながら、仮想空間で作業することも容易になりました。

バーチャル空間での作業はもちろん、ヘッドセットをしたまま現実世界での作業も出来るのはかなり画期的であると思います。

より仮想空間と物理空間を融合させることができるMeta Quest Proの登場により、共同作業やクリエイティブの場が活性化するのではないかと期待しています。

Meta Quest Proの魅力

私は普段からMeta Quest 2をミーティングやインタビューなどで長時間使用することが多いので、ヘッドセットの装着感にはこだわりを持っているのですが、Meta Quest Proは装着感が格段によいと感じています。

パンケーキレンズを採用しておりヘッドセット前部が薄く、周辺が開いているため圧迫感も少なく、装着するのに心理的なハードルが低いように思います。またヘッドセット全体の質感が高いので、ガジェット好きには所有していてさらに嬉しいものになりました。

コントローラーとヘッドセットを一度に充電できる充電ドックもありがたいポイントです。

ここからは、これらの機能があることで働き方にどのような可能性をもたらすのか、具体的な体験とともに、ご紹介していきます。

①理想のデスク環境を実現する:Meta Horizon Workrooms

皆さんは自分のデスクにモニターを何台置いていますか?

私のデスクはモニターが一つとキーボードだけというシンプルな環境なのですが、仕事をしていると複数のモニターが欲しいと思うことが多々あります。

デスクスペースに限界があるため、大きなモニターを何台も置くことは物理的に不可能ですが、例えばMeta Horizon Workroomsでは物理的には小さなデスクでも、大きなモニターを3枚出して作業ができます。

作業スペースが広がるというのは、思っているよりも大きく作業効率に影響します。

使えるモニターが増える分、画面切り替えの手間が減り、資料を見ながら仕事をするのも容易になります。資料や素材の見比べもモニターを並べてできるので便利です。さらに、これまでは旅先などでは小さなノートパソコンでの仕事を余儀なくされていましたが、バーチャル空間に広い作業スペースを持てれば、ヘッドセットと接続環境さえあれば、どこにいても自分の慣れ親しんだ作業空間で作業することができるのも大きなメリットです。いつでもどこでも同じ環境で仕事ができるからです。

②新しい共同作業の可能性が広がる:Arkio

もうひとつ新しい働き方の可能性を体験できるアプリがArkioです。これは簡単にクリエイティブな作業が共同でできるアプリです。

コロナ禍でさまざまな会社がオンライン化を余儀なくされましたが、それでもオフラインでどうしても会わなければ成立しない、またはオンラインでなんとかやっているが、思い通りにいかない、という分野があったと思います。

例えば、展示場など実際の部屋を見てもらいながら購入を検討してもらう業界、実際に作業を見せながら物事を学んでもらわないといけない研修などがそれにあたるでしょう。そんな悩みの一つを解消するばかりか、一歩進んだところに連れていってくれるのがArkioです。

現実世界では模型を上から見る、いわゆる「神の視点」で議論や作業をすることが多かったものが、アバターで模型の中に入り、建物を建てたり、色を変えるなどの作業が共同で簡単に行えるようになりました。アバターになることで等身大で体感できるため、より現実感を持って作業が可能です。

また、前述でも少しお話しましたがMeta Quest Proでは、話相手の微妙な表情も細やかにアバターに反映されるため、相手の感情が読み取りやすく、現実世界と同等のコミュニケーションが取れます。

このように今までリアルの世界で行っていた共同作業をそのままバーチャルの世界で行えるだけでなく、VRだからこそ、デザインや色、形を容易に作り出し、変えることができるのです。バーチャル世界ではリアルの世界より出来ることが増える分、共同作業でのアイデアの促進やコミュニケーションの活発化にも繋がりそうです。

現実ではできない新たな働き方の可能性も広がるデバイスの進化

Meta Quest Proによるヘッドセットの進化は、私たちの働き方が大きく変わる可能性を示唆しているように感じています。

メタバース空間では、プレゼンス(実際にその場にいるかのような感覚)が重要なポイントの一つですが、アバターのより豊かな表情や身振り手振りを通じて相手の感情がより細やかにわかるようになり、本音で話しやすくなるということは、これから先の未来は、物理的、物質的な要素に左右されにくくなるということに他なりません。

例えば、大規模プロジェクトでは企画に参加する人間が多ければ多いほど、人が集まるのが難しくなります。しかしメタバース空間であれば、どんなに離れていても同じものを実感でき、作業をすることが可能です。些細な変更も、その場で現実の世界と同様に話し合うことができ、仮想空間で等身大のシミュレーションをしながら意思決定できる。現実世界では叶えることが難しいような働き方やアウトプットも、メタバース世界なら物理的障害のない新たなコミュニケーションのあり方によって期待できます。

VRを活用した人と人との新たなつながり方が身近になれば、より新しい技術やクリエイティブが生まれやすくなるのではないか、そう考えると心が躍ります。

さらに、革新的な技術も遠く離れたところから手に取るように学べるようになり、世界中の人と同じ空間で共同作業ができるようになる。現実世界ではできない新たな可能性がデバイスの進化によって広がるのを感じました。それはやはり、当社のミッションでもある「人と人がより身近になる世界を実現する」ための大きな一歩だと感じています。