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バカの壁⁈ あなたが知らない肉離れの基礎知識


こんにちは!!

イクサポです!

暑かったり、寒かったりと変な気候が続いてますね。
来週から冷え込むみたいなので、皆さんも体調気をつけてくださいね!!


今回は、ハムストリングスの肉離れについて見ていきます!

ハムストリングスの肉離れと言えば、スポーツ現場では必ずと言っていいほど生じる外傷の1つで、再発率も高いため治療やリハビリにおいても計画的に行うことが重要とされています。

ハムストリングスの肉離れの原因と言われれば、

・大腿二頭筋で生じやすい
・スプリントの前方への足の振り出し時(遊脚後半)に生じやすい

この辺りは皆さんが知っている事実だと思います!

しかし、現在では詳細に発生原因や重症度の評価についてもわかってきています!

また今回は発生原因に合わせて、肉離れの重症度の判断の仕方や疫学、スポーツ現場での評価方法についても見ていきます!!

それではいきましょう^^


肉離れの病態

・スポーツ動作中には発症する筋損傷で、明らかな直達外力による筋打撲症を除いたものの総称。自らの筋力(拮抗筋の力)あるいは介達外力によって、抵抗下に筋が過伸展損傷するものである。

・肉離れを起こす筋の多くは羽状筋の形態をとっており、これが遠心性収縮により筋腱移行部(または筋と腱膜の移行部)で損傷する。
                   
(臨床スポーツ医学,2017,Vol34)

つまり、肉離れは大きな力発揮が可能な羽状筋に多く生じ、過度に伸展しながら収縮する遠心性収縮によって筋腱移行部で損傷するとされています。

また、疫学についても見ていきましょう!!

肉離れの疫学

✔︎ 211件の肉離れのうち,ハム ストリングが最多で40%を占め,次いで大腿四頭筋26%,下 腿三頭筋18%,内転筋16%の順であったと報告
(Saita, JOSKAS 2012)

✔︎ ハムストリングスの肉離れにおいては、大腿二頭筋長頭に発生しやすく,半膜様筋,半腱様筋の損傷は少ない。(Ekstrand J,et al.AJSM 2011)

✔︎ 大腿二頭筋長頭(56%), 半膜様筋(32%), 半腱様筋(5%), 大腿二頭筋短頭(1%)の順である。(国立スポーツ科学メディカルセンター疫学調査)

✔︎ ハムストリングス肉離れ の既往歴は,ハムストリングス肉離れの発生リスクを11.6倍上昇させるとの報告(Arnason, AJSM 2004)

✔︎ ハムストリングスの肉離れの発生は利き足(蹴り足)と非利き足では差はなく,受傷機転はStretch type injury よりもSprint type injuryが多く、Stretch type injury の方が復帰に要する期間は長期となりやすいと報告(Askling CM,et al.BJSM 2012)


肉離れの重症度の分類

基本的に肉離れの重症度に関しては、MRIの画像所見から判断します。
重症度の分類から、復帰時期やリハビリ内容なども変わってくるので。必ず把握しておきましょう!

大きく分けて、2つの分類があります!

・Boutinらの分類
・奥脇の分類

①Boutinらの分類

次に紹介する奥脇の分類を使用こちらは、あまり使われませんが軽症時に見られるfeathery appearance、rim signはMRI所見による特徴的な画像所見です。

Ⅰ型(軽症)
筋・腱接合部に出血、浮腫
feathery appearance、rim signの表出

Ⅱ型(中等症)
損傷部位に広がる血腫や浮腫
筋・腱移行部にみられる血腫

Ⅲ型(重症)
筋・腱接合部の完全断裂を認める
血腫やときに筋肉の収縮を伴う

feathery appearance
出血・浮腫は脂肪抑制T2強調画像、STIR像で高信号として認め、筋線維に沿ってみられる信号変化が鳥の羽ように見える。

画像1

rim sign

筋束周囲にみられる筋膜表面の液体貯留は、脂肪抑制T2強調画像、STIR像で同様に高信号として認める。

画像2

②奥脇の分類

この分類は復帰に関わる予後予測や治療の方針の決定にも関わってくるので、必ず知っておいて欲しい分類です!

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