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【復帰基準あり】本当の基礎から学ぶ前十字靭帯損傷〜スポーツリハビリ編〜

こんにちは!

イクサポです!

今回は前十字靭帯損傷(以下ACL)のリハビリについて書いていきたいと思います!
以前ACLの基礎については記事にしたので、こちらも合わせて読んでもらえたら幸いです。

これを踏まえて、今回は実際ACL損傷のスポーツリハビリのために知っておかなければいけないことについて書いてきます!

それではいきましょう!!


前提として


今回はスポーツリハビリについて書いていこうと思いますが大前提として

・その選手の復帰像を描けているのか?

という部分は非常に重要です。

私はACLRのリハビリは非常に難しいと考えます。
なぜか?

・病院リハビリとグラウンドリハビリにギャップができてしまうこと
・何をいつしたらいいか明確ではないこと
・単独のテストバッテリーにおいてもはっきりとこれをやっておけばいい!というものがないこと
・再受傷怖い
などが理由として挙げられます。

ではその中でどのように適切なリハビリを行なっていくのか?というと
まずはACL再建術(以下:ACLR)を行った人たちがどのような能力低下やリハビリの流れを踏んでいくのかを包括的に知っていく必要があると思います!

そのため今回はACLRリハビリの全体像をしっかりと掴んでいける内容にしたいと思います!


ACLの疫学

ここは以前の記事でも書いた内容に+αをしてACLの疫学について書いていきます!
まずはリハビリをする上で知っておかなければならないACLR後の再受傷について見ていきます!

【再受傷率】
・ACL再建術5年間における再断裂は2〜10%と報告されている
(前十字靭帯診療ガイドライン 2019)
・ACLR後の最初の5年間で3-22%の選手が再建靭帯を再断裂し、3-24%が対側のACLを断裂することがわかっている(Melick et al. 2016)
・ACLR後の再受傷率は25歳以下でスポーツ復帰したものを対象とすると、23%である(Wiggins et al, 2016)

再受傷率に幅はあるものの患側はもちろん、健側にも危険があるとされています。
そのため慎重にリハビリを行なっていく必要がありますね。


次に受傷機転や受傷時のバイオメカニクスについて見ていきます!

【受傷機転】
「非接触型」が多いとされています。

・ジャンプ動作
・ストップ動作
・カッティング動作

などが多いとされています。

次にACL損傷のリスクファクターについて見ていきます!

【受傷時、ACLR患者の膝アライメント、バイオメカニクス】

・ACL受傷者約1700人を対象とした研究では約半数の800人が受傷したシーンでの膝アライメントが「Knee in Toe out」となっていたようです。(Kobayashi et al, 2010)

・女性は男性よりも有意に大きい膝外反モーメントを持っていた。
より大きな外反モーメントは、より大きな初期股関節屈曲および内旋、ならびにより大きな初期膝外反角度と関連していた。(Melean et al,2005)

・受傷時は股関節が大きな内旋位でロックした状態であり、床反力を吸収できず、膝関節に大きな負荷がかかり、ACL損傷を引き起こす(Koga et al,2013)

・膝が外反外旋位をとることが多い。ACL損傷による機能不全は単に前方の不安定性のみでなく、回旋不安定性が重要。
また垂直落下動作で膝が外反する症例、接地時の膝伸展モーメントの健患差、Biodexで片脚立位でのバランスの悪さ、股関節の回旋モーメントが再受傷の危険因子でもある
(前十字靭帯診療ガイドライン 2019)

・ACL受傷者の特徴として着地時の膝関節の屈曲角度が小さい、膝外反角度が大きい、体幹は損傷側への側屈角度が大きくなる、(女性)外乱に対する体幹の側屈角度変化量が見られた。
(Goto et al, 2017)

・ジャンプからの着地時に動的な膝の外反が発生すると、ACLの(再)損傷のリスクが高まる(Melick et al. 2016)

複数の論文で危険な状態として言われているのが

膝の外反

です。

画像1

(図1: https://www.physio-pedia.com/File:Dynamic_knee_valgus.png )


また、膝の外反の原因として

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