プレゼンテーション2

育成年代での個へのアプローチ

こんにちは!
イクサポです!!

今日は育成年代の選手にどのようなアプローチをするかを整理していこうと思います.
これは,僕が様々な年代の選手に関わる中で感じたことも踏まえて書いていくので,みなさんも自分の臨床でのアプローチを思い出しながら読んでみてください!

そもそも育成年代ってなに?

便利な言葉で育成年代とまとめて話していますが,育成年代という言葉にはいくつまでの選手が含まれているのでしょうか?

正直,育成年代という言葉の範囲を指しているものはありませんでした.
しかし日本のJリーグなども18歳以下の高校生までアカデミーや育成と呼ぶことから,そのあたりまでのことを指すと思います.

また育成年代に変わる言葉として知られているのが「ゴールデンエイジ 理論」です.

一番有名な分け方としてJFA指導教本には,
・8歳以下の選手:プレゴールデンエイジ
・9-12歳の選手:ゴールデンエイジ
・13歳以降の選手:ポストゴールデンエイジ

とされており,それぞれの時期で特徴的な身体の成長をします.

<プレゴールデンエイジ >
3~8歳頃は様々な運動によって動きを身につけ、神経回路を多面的につないであげる時期です。この年代にいろいろな動作を身につけることで年代が進んだ時に専門性の高い技術習得が速くなる時期です

<ゴールデンエイジ >
9~12歳頃は神経系の発達がほぼ完成に近づき、動きの「うまさ」を身につけるのに最適な時期です。また、あらゆる動作を短時間で覚えることができる「即座の習得」を備えた時期です。精神面でも成長し、より能力の向上を行うことができる年代です。

<ポストゴールデンエイジ >
13~14歳頃は、骨格や筋力の変化がみられ、徐々に負荷の高いトレーニングにも対応して行けるようになります。また理解力も上がり考えてトレーニングを行うことが出来るようになってきます。ポスト・ゴールデンエイジはゴールデンエイジで習得した技術をより正確により早く行うことを目指します.


各年代のフィジカル能力

またこのゴールデンエイジ 理論というのは,スキャモンの発達曲線や年齢別強化指針を参考にしています.
スキャモンの発達曲線はみなさんもよく見たことがあるでしょう!

スキャモンの発達曲線を見てみると,

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<一般型>
一般型は身長・体重や肝臓、腎臓などの胸腹部臓器の発育を示します。特徴は乳幼児期まで急速に発達し、その後は次第に穏やかになり、二次性徴が出現し始める思春期に再び急激に発達します。思春期春期以降に再び発育のスパートがみられ大人のレベルに達します。

<神経系>
器用さやリズム感を担う神経系の発達は脳の重量や頭囲で計ります。出生直後から急激に発達し、4~5歳までには成人の80%程度(6歳で90%)にも達します。
<リンパ系型>
リンパ系型は免疫力を向上させ扁桃、リンパ節などのリンパ組織の発達です。生後から12~13 歳までにかけて急激に成長し、大人のレベルを超えますが、思春期過ぎから大人のレベルに戻ります。
<生殖器系型>
生殖器系型は男児の陰茎・睾丸、女児の卵巣・子宮などの発育です。小学校前半までは、わずかに成長するだけですが、14 歳あたりから急激に発達します。生殖器系の発達で男子ホルモンや女性ホルモンなどの性ホルモンの分泌も多くなります。

それでは,この成長段階にどのようなトレーニングをすればいいのか考えます.

各年代で伸びやすい能力を考えると,従来の年代ごとのフィジカル面へのアプローチの考え方として,宮下充正教授が1986年に発表した「発育・発達パターンと年齢別運動強化方針」を参考にしています.

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このグラフを参考にすると,
・プレゴールデンエイジ =様々な動作の習得やコツの経験,コーディネーション能力
・ゴールデンエイジ =心肺機能(持久的能力)
・ポストゴールデンエイジ =筋力・筋パワー,アジリティ

と考えられます.
このように各年代で必要なトレーニングの背景をざっくりと知っておくことは重要です!

加えて,Peak height Velocity(PHV)も考えることは重要です.
PHVとは,身長の最高成長速度のことで要するに一番成長が伸びる時期のことです.半年で6cm〜8cmぐらい伸びてる選手はPHVに近い選手ですね!

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PHVは,人それぞれ来る時期が異なるため,個人個人のPHVの時期を把握し,休養や栄養について十分に考慮しておく必要があります.このあたりはチームで管理しておくと便利です.
自分のチームも月に1回必ず身長をとり,グラフ化しています.そうすると,日々の練習でもオーバーワークにならないように負荷を調整できたり,コーチ陣にも受け入れてもらいやすいためです.


個人にフォーカスしたトレーニングの組み方

そもそもなぜ臨床の方々にこんな話をするのかというと,傷害や疾患だけではなく,1個人として患者や選手を見て頂きたいからです.
つまり,個人の成長を捉えた上でトレーニングを組むことが重要です!

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