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【Physio365初!小児分野】 報酬系ループから考える重度心身障がい児の睡眠について


こんにちは!!

イクサポです( ^∀^)!!


あっという間に今年に入って2ヶ月が終わります!

Jリーグも開幕し、そろそろシーズンに入ってくる競技もあるんではないでしょうか??


スポーツ現場ではこのオフシーズンにいかに

怪我人を出さずに選手のパフォーマンスをあげていくか

が重要になります!


練習負荷のコントロールと弱点の克服を同時に行っていくのは相当の選手の努力とトレーナーやフィジカルコーチの努力が必要です!!

ただ、シーズンをうまく迎えられた時の嬉しさはなんとも言えないものがあります!!

あと1ヶ月弱突っ走ります!!!



さて、今回は、スペシャルゲストライターの小茂田さんにPhysio365では初分野となる小児の記事を書いてもらいました!!

小茂田さんは重度心身障がい児の放課後デイサービスを石川県と大阪府に立ち上げられた凄腕社長セラピストです!!!

現在、施設の経営もしながら、小茂田さん自身もバリバリ現場でリハビリをしておられるプレイングマネージャーなんです!!

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Twitter@MIRAI-KomodaRyo
MIRAI https://www.miraifukushi.com



そんな小茂田さんに書いていただいた記事のキーワードが

『報酬系ループ』『重度心身障がい児』『睡眠』

の3つ。


『重度心身障がい児って学校で少し習ったけど、、、、』

って方がほとんどではないでしょうか??

記事の中でこの3つのキーワードがどのように関係して来るのでしょうか??

小児スペシャリストが実際に小茂田さんの経験された実例を元に、これらのキーワードの関係性について紐解いていきます!!



前置きが長くなりましたが、早速記事をみていきましょう!!

それでは、どうぞ ( ´ ▽ ` )!





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みなさん、“こんにちは”。そして“はじめまして”小茂田 諒(こもだ りょう)です。

Physio365で記事を書かせていただけ、嬉しい反面かなりドキドキしています。この場を借りて自分の殻を破りたいので、書いていきます。

是非、最後まで読んでみてやってください!


今回のお題は“報酬系ループから考える『重症心身障がい児の睡眠について』”です。僕が重症心身障がい児に関わりたいと思ったきっかけからはじまり、実例を通して簡単にまとめていきます。

では、はじめていきます!



僕の原体験 〜何にも役に立てない自分〜


理学療法士になったのに、重症心身障がい児を目の前にしたら“助けたいのに何もできない”。

目の前で困っている子ども、家族がいるのに、何をどうしていいかわからず、嘘っぱちな笑顔で“リハビリはもうちょっと大きくなってからかな”的なニュアンスでその場を誤魔化していた情けない自分がいました。



大好きな自分のおばさんが困っているのに・・・
これが僕が理学療法士として変わろうと思ったきっかけです。



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そうなんです。僕の親戚には、脳室周囲白質軟化症で生まれた重症心身障がい児(Y君)がいます。

Y君は不眠に悩まされている一人であり、そのご家族も心身ともに疲弊していく姿を身近で見てきました。


“Y君のために、脳室白質軟化症のことだけでなく、重症心身障がい児のことをもっと根底から学びなおさないといけない”

と痛感しました。


その当時、自分の一番苦手だった脳の構造的理解を深めることを決意して、今日にいたるまでアップデートを繰り返してきています。


まだまだ何も解決できていない僕ですが、今回のお題である報酬系ループから考える『重症心身障がい児の睡眠について』のなかでも、『脳のループを復習してみよう〜ポイントは扁桃体〜』ということに焦点をあて、報酬系メカニズムを皆さんと共有しようと思います!




脳室周囲白質軟化症のY君について 〜基礎疾患を知ることはとても大事〜

ところで皆さん、脳室周囲白質軟化症をご存知でしょうか?

ざっくりとまとめるとこんな感じです。

【脳室周囲白質軟化症】
在胎32週以前の脳内では脳軟膜からの末梢動脈は脳室に近い白質で終わり、その部位の血流分布が少ない。髄鞘形成は深部白質(脳室周囲)で活発。脳血液循環の障害によって損傷を受けやすい。
<症状のまとめ>
 脳室の一番近くに下肢を支配する皮質脊髄路が位置し、下肢の痙性麻痺を伴うことが多い
 損傷部位が拡大すると、障害部位と程度は広がる(四肢まひ)
 視放線にまで損傷が達すると、視野狭窄などの視力障害を生じる


もう少し詳しく知りたい方は、こちらの文献も読んでみてください。



では、Y君の主たる症状がこちらです。

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※医療的ケアなし、投薬なし、食事はペースト状


出生時期、出生体重はこちらです。

出生時期:28週
出生体重:1042g


Y君の症状にも書いているように、不眠が蓄積されると一睡もせずに泣き叫び続ける日があります。

Y君の感情は崩壊するとともに、ご家族の睡眠サイクルや感情も同時に崩壊していきました。「飛び降りた方が楽になれるかも・・・」本当に極限状態になっていることもありました。


実体験を通して気になったことを調べていくと、多くの方が睡眠問題で困っている事実を知りました。


今回は、Y君の“四肢高緊張”に着目して、それがどう睡眠と関係しているのかを話していきます。




Y君はなぜ眠れないの? 〜睡眠問題の原因は〜


四肢高緊張は、重症心身障がい児に限らず成人の中枢系疾患の治療に関わっている方でもポイントになります。

なぜ、筋緊張が高いのか、どこに原因があるのか、病態生理から考えていくことがリハビリ計画を立てる上でも必要になってきます。


筋緊張と睡眠の関係性を話す前に、眠れるってどういう条件が必要でしょうか?

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