全ての人に知ってほしいアイシングをする本当の理由
こんにちは!
イクサポです!!
みなさん、お盆はどうお過ごしでしたか?
僕はずっとチームの活動でした(笑)
ただ、やっと夏の暑さも収まってきましたね!
そんなところにまた熱いセミナーです!!
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さて、今回はアイシングについて書いていきます!!
夏=アイスという単純なイメージから書きます笑笑
『痛かったらアイシングしとけよ〜』って気軽に言っていませんか??
指導者の方ってそんなにアイシングについて学ぶ機会はないと思います。
でも現場で選手たちが怪我をしたら対処するのは指導者のみなさんですよね?
アイシングの効果をしっかり知った上で目的を持った上で使いましょう!!
それではいきます( ^∀^)!
アイシングの本当の効果
アイシングで一般的に言われている効果としては、
・痛みの抑制
・筋肉の緊張の抑制
・浮腫の低下
・炎症の低下
などが言われています。
そのためスポーツの現場では、捻挫や打撲をしたらすぐにアイシングをすることが一般的になっています。
また怪我の応急処置として有名なものとしてRICE処置があります!
Rest (安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)
日本サッカー協会が主催している指導者講習会でもRICE処置は習いますよね!
しかし、現在ではこのアイシングについては非常に疑問視する声が上がっています。
なぜでしょうか??
その最大の理由として、
RICE処置を提唱したDr. Mirkinがアイシングを否定をしたため
です。
そう、RICE処置を提唱した人物本人が自身のサイトを通して、
『アイシンングは怪我からの回復を遅らせる』という記事を投稿しています。
本人が否定した理由としては、
①炎症反応を抑制する(ホルモンの分泌抑制)
②血管の収縮により損傷した細胞への血流減少
③臨床研究の結果による者(22本の論文レビューより)
1つ1つを説明していくと、非常に専門的な知識が増えてしまうので今回は簡潔にまとめて説明します。
まず始めに、今までは炎症反応を抑えることが重要とされてきました。
しかし、近年では炎症反応は組織を治癒する上で必要な反応であり、これを抑制してしまうと治癒が遅れることがわかってきたのです。
通常、損傷が起こると、組織を治癒する成長ホルモンが血液により運ばれ、損傷した組織細胞に送り込み治癒を促進させます!
しかし、アイシングをすると血管が収縮し、損傷した組織への血流が減少するため、治癒のための成長ホルモンも抑制されてしまいます。
加えて、捻挫後のアイシングの効果を調べた研究では、疼痛と腫れを抑えるのには役立ったがアイシングが治癒期間の短縮に貢献はしなかったとしています。
このようにアイシングの効果としては、
・疼痛軽減
・腫脹の軽減
には役立ちますが、治癒期間の短縮にはあまり効果がないことがわかります。
つまり、怪我をしてから1週間ずっとアイシングしかしてないという子供を見るときがありますが、それは逆効果です。
怪我をしてすぐの疼痛軽減と腫れの抑制に対してアイシングを用いるのが正しい処置の仕方と考えます!
アイシングは意味がないのか??
前の内容と逆説的な内容になりますが、アイシングに意味がないかと言われると、そんなことはありません。
しっかりと目的を持って行えば非常に素晴らしい処置だと考えています。
それではどのようにアイシングを使えば効果的なのでしょうか??
まず、RICE処置の提唱者であるDr.Mirkinはこう言っています。
”怪我が筋肉や他の軟部組織に限定されている場合、医師、トレーナー、またはコーチは圧迫する必要があります。
怪我にアイシングをすると痛みが軽減されることが示されているので、怪我が起こった直後に怪我をした部分を短時間冷却します。
アイシングを最大10分間適用し、20分間除去し、10分間のサイクルを1回または2回繰り返します。怪我をしてから6時間以上経過してもアイシングをする必要はありません。”
つまり、圧迫と短時間のアイシングが重要であると言っています。
圧迫をすることで、腫脹を抑制します。これに加えてアイシングをすることで疼痛を軽減させます。
この2つの処置の最大のメリットは、
”怪我してすぐから運動ができることです。”
”怪我しているのに運動!?”と思った人は多いのではないでしょうか??
こちらをみてください。
これは、RICE処置に代わる応急処置の方法として提唱されているPOLICEと呼ばれるものです。
Protection(保護):外部の衝撃から損傷部位を保護するが、全く動かさないのはよくない。
Optimal Loading(最適な負荷):怪我の早期から関節運動(筋収縮)を促すとで早期の治癒を促す。
Ice(冷却):怪我した早期の疼痛の抑制に役立つ。最大20分で数日間に限る
Compression(圧迫):腫れの抑制。アイシングと組み合わせる。
Elevation(挙上):腫れと疼痛の抑制。心臓より高い位置にあげる。
RICE処置から大きく変わったのが、適切な負荷をかけることです。
安静とされていたのが、怪我した早期からある程度の負荷をかけることにより、治癒が促進されるとされています!!
適切な負荷というのは、捻挫であれば足の指を動かしたり、関節の運動がない筋収縮(足裏を壁につけて、90度の角度を変えずに壁を押すなど)を入れたりすることです。
まとめると、僕が考えるアイシングを行う意味としては、
怪我してすぐの時期から適切な運動や等尺性筋収縮を行うために、痛みや腫れを抑えるためです。
アイシングの種類
ここまでアイシングについて話してきましたが、これらは怪我をした時にするアイシングの話でした!
しかし、アイシングは試合後やトレーニング後のリカバリーに関しても用いられることがあります!
また用いる時の方法も非常に様々です!
今回は最後にいくつかの方法を紹介します!
・アイスパック
一番馴染みのあるアイシングの仕方。氷を専用の容器やビニール袋に入れて患部に当て、バンテージなどで圧迫を行う。
0度以下の氷は凍傷のリスクがあるので、ビニール袋などで行う場合はタオルを1枚かましたり、2重にビニールをかぶせたりなどの配慮が必要。
・アイスバス
氷水を使った方法。 コップ、バケツ、クーラーボックス、ポリバケツ、浴槽など、使うものはさまざまで冷やす部位に適したものを使うのが良い。
手軽に行うことができるので、運動後のアイシングやクライオキネティクス(冷却と運動)などに多く使われます。
ただ、この方法ではRICE処置の挙上や圧迫を併用する事はできない。
・コールドパック
ゲル状のもので作られたアイスパック。形が自由に変化するため怪我した部位に密着させられる。
冷凍庫で冷やして使われますが、冷えすぎたものは凍傷を起こす可能性があるので、こちらもタオルで巻いて使うなりの配慮が必要。
・アイスマッサージ
氷や専用の容器で直接皮膚にマッサージを行う。
紙コップに水を入れて凍らせたものや、アイスキューブなどが適している。
マッサージをすることにより、広い範囲を短時間で冷やすことができるので、およそ10分で感覚が麻痺する。
リハビリテーションだけではなく、疲労回復のアイシングにも適用可能。
特にハーフタイムでのふくらはぎのアイスマッサージは非常に効果的。
以上の方法を状況に応じて使い分けて行きます!!
指導者の方々に知って置いてほしいのは、ビニール袋でのアイシングです
注意点は、凍傷のリスクがあるため、2重にビニール袋を重ねることと、時間としては目安で10分、最大でも20分とすることです。
今回は、アイシングについて書きました!!
アイシングについてもう一度考え、理解してもらえると幸いです!!
安易にアイシングを指示するのではなく、適切な処置が取れるといいですね!!
それではまた( ^∀^)!!
参考文献
・The American Journal of Sports Medicine、January、2004; 32(1):51-261
・Bleakley, PRICE needs updating, should we call the POLICE? Br J Sports Med, September 2011.
〜ライタープロフィール〜
イクサポ
理学療法士・アスレティックトレーナー!!
日本一に輝いた大学サッカーチームの専属トレーナーとして、日本トップレベルの選手のトレーニングや治療を担当。その他、育成年代のトレーニングサポートを行うべく "イクサポ "を立ち上げ、情報発信中!!
公式Twitter : イクサポ
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