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なぜ今、日経平均は上がるのか? 金融緩和と日銀の方策

こんばんわ。

日経平均は2021/2/9に30年ぶりの高値を更新しました。
コロナの影響で自粛が続き経済活動も制限される中でなぜ株価はこんなに上がっているのだろう。そう思う方は多いんじゃないでしょうか。

・コロナ禍でも企業が頑張って営業利益をあげているからかな。
・投資家は先を見越していて、もしかしたら明るい未来が見えてるんじゃないかな。

など楽観的な考えが浮かぶのかもしれませんが、20年度のGDP実質成長率はマイナス7.1%と企業などが生み出す付加価値(利益)の合計がこれだけ減っていて悲観すべき状況でしょう。
営業利益は減っていて、決して明るい未来を想像できるような状況ではないかもしれません。

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何故、今株価が上がっているのか?

では何故、こんな状況なのに株価だけが上がり続けるのか。。。

私はその原因は日本銀行がお金をばらまいているからだと考えます。(通説ですが。笑)

一般的に日本銀行は金融緩和策金融引締め策のどちらかをとりますが、今は緩和策の絶頂にいると言えるでしょう。金融緩和を続け市場にお金を投下し続けることで、経済の実態とは乖離する形で会社への投資が進んでいる状況です。

金融緩和策を取る時にどのような打ち手があるのか?日銀がとる政策は大きく3つあります。(本来はもっともっと打ち手はあると思います。)

1.  金利を下げる
2. マネタリーベースを増やす
3. 金融商品を購入する


日本銀行(日銀)が取れる金融緩和策

1.  金利を下げる

一つずつ説明します。まず金利の話。
中央銀行は国に出回るお金を増やすために金利を下げます。
今ニュースなどでマイナス金利というワードが取り上げられますが、マイナス金利とは民間の銀行が日銀からお金を借りるときにかかる金利がマイナスということです。
民間の銀行からすると、借りれば借りるだけお金が増える状態のことを言います。民間銀行はその借りたお金で企業、消費者にお金を貸し経済活動を活発化しようとしています。


2. マネタリーベースを増やす

また、日銀は世に出回るお金の量をコントロールすることもできます。
マネタリーベースという言葉があり、日銀が世に出回るお金をコントロールできます。主に現金と当座預金の二つをコントロールします。
現金の量自体はそこまでいじりませんが、今は当座預金の量をめちゃくちゃ増やしています。アベノミクス以来、当座預金の量は5~6倍(30兆→180兆)になっています。
(民間銀行から国債を買い入れ、当座預金に金額を打ち込むだけでお金を増やせる。打ち手の小槌)


3. 金融商品を購入する

3つ目は直接的に金融市場の商品を購入して、お金をばら撒こうとする施策です。ETFとかREITを購入しています。日本の時価総額の7%は日銀がばらまいたお金になっていて、民主主義の国家としては最も高いとも言えるのではないでしょうか。
GPIFも7%まではいかないが、それに近い割合を誇っていることから、いまの日本は官製市場と言えるかもしれません。中国のことをとやかく言える立場ではないかも。

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日銀のこれからの方策と日経平均の転換点

アベノミクス以降、こういった施策を最大限発揮し市場にお金をバラマキ続きてきました。
本来はばらまいて経済活動を活発にすることで、経済を上向きにしていこうとしていましたがうまくいっていません。GDPは停滞。そしてコロナがあり、日本の債務は膨れるばかりです。このままでは将来の世代が抱えきれないほどの債務を負うことになります。(というか現時点でかなり追い込まれています。2020の年間GDP成長率は-4.8%)

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本来なら今こそ金融緩和を行い、経済対策を行っていきたいところですが
いまの日本にはその体力がありません。(緩みきった金融のせいで)

なので財力を回復させるためにも、日銀はいつかは金融引き締めを行う必要があります。

その方策として(金融緩和策とは逆になりますが)

1. 金利を上げる
2. 当座の預金高を下げる
3. 金融商品を売っていく

というのが考えられます。

今は徐々にこの3番に着手している頃かなと感じます。ETFの買い付け予算は確保していますが、使い切ることはなく、機を見て売りをかけようとしているのではないかと。

市場の混乱を起こさずに、サイレントで売ることができれば良いのですがうまくできるか。途中で市場に感づかれないか。(ここが一つ目のポイント・転換点になりえそうです。)

1番の金利の話はかなり市場への動揺を生む可能性があるので、日銀から何かアクションを起こす可能性は低いんじゃないかと考えます。(いつかは行うでしょうが。)もし金利の引き上げを発表したら市場に出回っているお金はサーッと引いていくので投資家も売りに走ることは間違い無いです。

私が思うに金融引き締めの波は海外から起こると思います。特にFRB(米国の中央銀行)が利上げの策を取ってくる可能性があり、その波が世界に影響を与え、日本平均にも影響します。もしくはアメリカの金融市場が何かしらの原因で揺らぎ、世界の金融に影響を与えるかなと。


それがいつになるのか、1ヶ月後なのか、半年後なのか、それとも1年以上先なのか具体的な日時は定かではありませんが、遠くない未来に訪れるでしょう。


長いものには巻かれた方が良いと思います。中央銀行は今や金融市場のメインプレーヤーなので彼らの方針に逆らわず投資活動をすることをお勧めします。

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