見出し画像

システム開発の見積依頼 ~見積が入手しにくい理由~

みなさんはシステム開発の費用がどのくらいかかるか考えたことはあるでしょうか?
IT業界の方を除くと、費用の予想がつかないのではないでしょうか?
そんな折、上司から『うちの予算が余ったから、みんなが苦労している〇〇作業をシステム化したいと思う。ついてはシステム開発の費用を出してほしい』と言われたらどうしますか?ご自身では算出できないので、プロに依頼したいと思うのではないでしょうか?
自宅を建てるのであれば町の工務店や大手ハウスメーカーなどに行けば喜んで見積もりを出してくれるでしょう。条件(広さ、地域、駅距離など)が分かれば私たち素人でもネットなどを調べればある程度相場がわかるものです。
しかしシステム開発はそうはいきません。どの駅に行っても『システム開発承ります』という看板も出ていません。
皆さんが耳にしたことがある大手システム開発会社(NEC、富士通など)に電話したところで、一定金額(億以上)の開発でなければ話も聞いてもらえません。ましてや最近は技術者不足のため数億円出しても初取引であれば受けてもらえないと思います。
ではどうすれば良いのか?
世の中こんなにIT化が進んで、DXなどと騒がれているのに。
システム開発の費用や見積をもらうのがなぜこんなにも大変なのか?
ここではその理由と解決策を記載します。

-----------
自己紹介
私はIT業界経験20年以上、システム開発会社の代表をしています。
大手から中小企業に至るまで数多くのシステム開発の見積をしてきました。
-----------
※注
ここではシステムをゼロから要望に合わせて開発する、いわゆるスクラッチ開発を前提としてお話しします。ご要望があればパッケージシステムの導入も解説させて頂きます。

入手困難な3つの理由

なぜシステム開発の見積が入手困難なのか。
結論からお伝えすると理由は以下の三つがあげられます。
1.知名度の不一致
2.金額の不一致
3.見積工数の高さ

1.知名度の不一致

知名度(≒信頼度)の高いシステム開発会社に見積が依頼しづらいことにあります。
テレビCMなどの宣伝にて私たちがよく目にする大手システム開発会社(大手SIer)は何社かあります。大手システム開発会社の顧客は大手企業ばかり。
大手ユーザー企業のシステム開発予算は数億円、数十億円という開発案件が多い。
大手システム開発会社は、ロットの大きい案件を受注しなければ商売になりません。必然、大手システム開発会社の営業相手は大手ユーザー企業となります。
最近は技術者不足ですから、大手ユーザー企業からの案件も断っているほど。
大手システム開発会社に依頼できないとなると、名前を聞いたことがないシステム開発会社にシステムを依頼することになります。知名度もなく、信頼度も不透明。各システム開発会社には強い技術・業務もあれば弱いところもある。
中小規模のシステム開発会社も技術者不足ですから、初取引の見込み客を相手にできる企業も限られているというわけです。
こういう状況ですから、大手・中小問わず、システム開発会社から見積もりを簡単に出してもらえないということになります。

2.金額の不一致

システム開発は、未経験者が思うより多くのコストがかかります。
目に見えるのは画面や帳票くらいで、プログラムコードの量はユーザーから目に見えない。以前より開発効率は上がってきていますが、やはり多くの時間がかかります。システムを構築するのは、知識・経験を有する技術者が必要であり、単価も高い。
システムは正しく動くのが当たり前で、バグは許されないとなると、システム試験にも工数をかけて対応する必要がある。
見積もり費用が高いのには別の理由も考えられます。
システム開発会社の見積もりが間違っており金額が高い可能性もあります。また、大手システム開発会社に見積もりを依頼すると、間接費などが高いため、見積もり金額も高くなる傾向にあります。
ユーザーの予算感とシステム開発会社が算出する金額の相違が大きく、成約に至らないことが多い。システム開発会社の営業担当者はこのことを経験しているため、ユーザーからの見積算出に消極的なことがあげられます。

3.見積工数の高さ

精度の高い見積もりには相当のコストがかかります。
見積もりには、要件検討、システム範囲の検討・確認、使用する技術(プログラム言語、プラットフォーム、クラウドなどのインフラ)、運用設計、など多くのことを検討し、明確にする必要があります。
業務システムであれば、その業務に精通していなければなりません。
使用する技術にも長けている必要があります。
顧客から提供される情報が曖昧であれば、情報整理をする必要があります。
これら全てを考慮し、正確な見積もりを算出には多くの工数がかかります。
これだけの工数をかけて受注できないとしたら、どのシステム開発会社が喜んで見積もりを引き受けるでしょうか?
概算の見積でよいというケースもあると思います。
しかし経験上、「概算見積」を提出するとなぜか「概算」が外れ、金額があまり変動できないケースが多い。
ユーザーからすれば「概算見積」で上司や会社に予算を通すわけですから、数倍になっては困りますよね?「概算」の度合いを考えると、やはり工数はかかるわけです。

解決策

ここでは見積もりを得ることが大変な理由を記載しました。
最後に解決方法をあげておきます。
・自分の予算に合ったシステム開発会社を選ぶ
・信頼できそうなシステム開発会社を選ぶ
・複数会社に見積もり依頼をする
・自社に技術者がいるのであれば開発会社を選定させる
・自社に技術者がいない場合は専門家に依頼する
解決策の詳細については、別の記事で投稿します。
そちらもご覧ください。

ご参考に

ここで述べたようにシステム開発の見積もりを入手することは困難です。
弊社ではユーザーがシステム開発費用の参考となるように『システム開発 概算見積もりツール』をご提供しています。
質問にいくつか答えるだけで、システム開発費の目安を無料で簡単に知ることができます。

さらに期間限定で、弊社ベテラン技術者による見積もりの相談をお受けしています。ユーザー限定(IT業界の方はご遠慮ください)で短時間(リモートで20分前後)となりますが無料サービスです。
見積もりツールの精度を上げるための一環なので、遠慮なくお問合せください。
(無料相談は見積もりツール算出後、弊社からご案内しています)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?