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仕事の課題にうまく対応できる人が、キャリアの課題にはなぜか手こずる現象について考えてみた

すごく仕事ができる人でも、なぜか自分のキャリアのことになると、急にダメダメキャラになるの、なぜなんでしょうか?

例えば、仕事では専門性や難易度に合わせて適切な人に割り振ったり、任せるべきタスクはサラッと任せられる人が、なぜかキャリアについてはすべてのタスクを自分で抱えている。

または、仕事では「悩む」ではなく「考える」習慣がある人が、なぜかキャリアについては延々と「悩んでしまう」。

仕事で学んだり習得したスキルはたくさんあるはずなのに、なぜかそれを自分のことでは活かせない。これって、なんか変ですよね。

と言いつつ、数年前まで私もそうだったのでエラそうなことは全然言えませんが(苦笑)。

普段の仕事では冷静に対応できることが、自分のキャリアだとなぜか絶対に取ってはいけない対応をしがちという、不思議な現象を撲滅するためにこの記事を書いています。


仕事で苦手なことがあっても、みんなちゃんと対応できる

突然ですが、みなさんは仕事で苦手なことがあったら、どうしますか?

  1. 自力でがんばる

  2. 詳しい人・得意な人に頼る(教えてもらう)

  3. 詳しい人・得意な人に任せる

たぶん、このどれかを選ぶんじゃないでしょうか?

苦手だろうが何だろうが仕事なんでどうにかしないとマズイですからね。進捗ゼロで上司から怒られるかもしれませんし、怒られずとも評価下がるでしょうし。いつまでも苦手なんで…と言ってたら周りからの協力も得られなくなるし、とにかく「どうにかしないと!」と思うはずです。

ちなみに、どうしますか?と聞かれて、「いや、どうもしない(何もしない)けど」と思った人は、無意識に1番を選んでることになりますね


なのに、キャリアで苦手なことがあると、急に対応できなくなるのはどうして?

では、次の質問です。自分のキャリアで「苦手なこと」にぶつかったら、どうしますか?

(実際にどうしてるか考えてみてください)

答えを解説する前に、選択肢がどうなるか考えてみましょう。キャリアとなると、仕事のときとは選択肢が変わります。

0. 放置する
1. 自力でがんばる

2. 詳しい人・得意な人に頼る(教えてもらう)
3. 詳しい人・得意な人に任せる

まず、「放置する」という選択肢が出てきます。なぜなら、仕事と違って、苦手なことを放置していても、報告の義務もなければ、進捗ゼロで上司から怒られることもありません。だれからも文句を言われることはありませんし、だれにも迷惑かかりませんから。

次に、3の「詳しい人や得意な人に任せる」という選択肢がなくなります。なぜなら、自分のキャリアをだれかに代わってもらうことはできませんから。

もちろん詳しい人や専門家の助けを得ることはできます。でも、実際にやるのは自分しかいません。広義のキャリア(ライフキャリア)って人生とほぼ同義なので、人生の一部をだれかに任せることができないのは、当然ですね。

ライフキャリアにおいては、いくつか絶対に捨てられない要素があります。それらさえも「選択と集中」とか「強みにフォーカス」と言って切り捨ててしまったら、うまくいくものもうまくいきませんし、取り返しがつきません。

「選択と集中」というのは、リソースが豊富にあるがゆえに戦略を絞りきれていない会社(多角化に失敗した会社)や、あれこれ中途半端に手を出して疲弊するし成果も出てない人にとっては戒めとして良いフレーズですが、常に万能なワケではありません(当たり前)

強みを伸ばすのが大事なのでは?

「いやいや、苦手なことや弱点の克服に時間をかけるより、強みを伸ばす方が大事でしょ!」

そうですね、合ってると思います。ただし、それは仕事、つまり狭い意味でのキャリアにおいては、ですね。

ライフキャリアというのは仕事のことだけじゃないんですよ。

仕事では苦手なことや弱点をがんばるよりも、だれかに任せたり、頼ったりするのがいいでしょう。会社という仕組みがあったり、チームで仕事をする理由は、ひとりですべてのことをやるよりも、複数名でやった方が効率が良いからです。そういう状況ではあえてひとりですべてのことをやる必要はありません。だから苦手なことや弱点をがんばる必要はありません。

でも、自分のキャリアはだれかに代わってもらうことはできないんです

例えば、こんな風に言ってる40歳前後の人がいたら、どう思いますか?

自分は体力に自信があるし、健康第一でやっていきます!だから、仕事とか人づき合いとか、完全に捨ててます!

私はとにかく周りの人たちと接するのが好きだし得意!これさえあれば、新しいスキルの必要性は感じないし、お金のことなんかまったくわかってないけど、大丈夫だと思います!

お金の管理とか投資はめちゃ得意っす!あ、健康管理とか全然興味ないし、人とのつき合いも面倒だからなるべく避けてます。ここまで何とかなったし、なんとかなるでしょ!


はい、ツッコミどころ多いですよね。かなり極端に書きましたが、ライフキャリアにおいて、「選択と集中」や「強みにフォーカスする」ってこういうことです。赤の他人がこんなこと言ってたら「だいぶバランスおかしいし、あとで後悔しそうだけど大丈夫かこの人?」と思いながら、何も言わずにソッと距離を置くんじゃないでしょうか(笑)


もう一度、確認しましょう。

自分のキャリアで「苦手なこと」にぶつかったら、どうしますか?

0. 放置する
1. 自力でがんばる

2. 詳しい人・得意な人に頼る(教えてもらう)
3. 詳しい人・得意な人に任せる

仕事では2や3を選ぶ人でも、どういうわけか自分のことになると「放置する」を選びがちなんですよね。それは本当にダメ。ゼッタイ。

ダメの後は句点で、絶対はカタカナなんだね


弱点はあってもいい。大事なのはその後

弱点はあってもいいんです。それはしょうがない。大事なのは、弱点にどう対処するかを決めること。人に頼ったり助けてもらったりして、とにかく方針を決めること。放置しないことが大切です。

ライフキャリアの必須要素、例えば若いうちに仕事を頑張ってスキルを身につけたり、良い人間関係や健康に投資したり、自分なりの判断軸を持ったり、良い習慣を持つことは、複利的に効いてきます。つまり、早く始めるほど長期にわたってキャリアに良い効果をもたらします。

こういう必須要素を放置してしまうと、あとから追いつけないほどの差がついてしまいます。複利で効くということは、逆にいうと短期間では効果が出にくいので、ミドル世代が放置すると時間切れになってしまいます

納得感のあるライフキャリアに不可欠な要素を知る。苦手分野を放置せず、どうするかを決める。そして、ありたい姿に向かって、日々実践していく。

そのためには、まず現状を把握しておきましょう。

取るべきアクションを決めるためには、正しい現状把握が何よりも大事です。できるビジネスパーソンは、現状把握にめちゃくちゃ時間と労力をかけます。なぜなら、課題を正確に捉えることが、解決に向けた作業のもっとも大事なアクションだと知ってるからです。現状把握をちゃんとやらないままに、次のアクションを決めちゃう人もいますが、それは単なる思いつきと大差なく、望むような成果は得られません。

ライフキャリアでも同じです。多くの人が現状把握そのものを先送りにしているなかで、強みと弱みを把握できたら、もう解決に向けて相当前進したと言えます。

解決の方向性が見えたら、あとはやるかやらないかだけ。やり切る自信がない方のために、実行のためのヒントも「実行力」の講座にたくさん載せておきましたので、それに沿って進めていけばバッチリです。

ライフキャリアの現状診断ができるツールをつくりました

というわけで、現状把握をしたい方のために、ライフキャリアの実践状況を診断するツールをつくりました。ご興味ある方は記事末のリンクからご利用ください。

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ライフキャリアの実践状況の診断で聞く内容は、シンプルですが本質を問う質問です。つくった本人ですら、むむむ、と思いながら答える必要があるような質問になっています(笑)

ライフキャリアの実践状況診断にお答えいただいた方には、単に結果をお返しするだけでなく、回答内容に沿ってご提供するアドバイスを考え(手作業で)添えてレポートをご提供します。したがって、だれにでも簡単にご提供できるわけではありません。当面の間はコミュニティメンバーさん限定とさせてください。申し訳ありません。


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