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キャリアデザインの自由度を高める「マネーリテラシー」【40歳からのキャリアデザイン講座4】

このnoteは「40歳からのキャリアデザイン講座」の4科目め、テーマは「マネーリテラシー」です。


(注記)
2022/1/8 有料部分に「都心ワンルーム不動産投資のリスク対策」を追記しました。
2021/11/16 有料部分に「インフレが現実化しています」を追記しました。
2021/10/19 有料部分に「都心のマンションは本当に割高なのか?」を追記しました。


1. なぜ「マネーリテラシー」が必修科目なのか?

個人が幸せに生きるためというゴールを考えたとき、「マネーリテラシー」は必修科目として絶対に外せません。経済的な自立なくして、精神の自立はありませんし、納得感のあるキャリアをつくることは自立そのものです。

ほかの内容との兼ね合いで順番は4番になりましたが、けっして優先順位が低いわけではなく、むしろ苦手意識を持っている人にとっては最も大事な内容かもしれません。

このnote記事の後半(有料部分)では、これまでの投資成果や、ポートフォリオの管理方法、具体的な投資先など、生々しい私自身のプライベートな情報も記載しています。また、「スペシャル特典」として私が実際に10年以上使ってきた資産管理シート(をキレイに整えたモノ)もご用意しました。そのため他の記事よりも少々高額になっていますが、このような事情をご理解いただければ幸いです。


1-1. 経済の安定は、精神の安定につながる

企業活動では、どんなに高邁なビジョンを掲げていたり、社会的価値の大きな事業を手掛けていても、資金繰りが苦しかったら事業成長どころではありません。ビジョンを実現するためにも、社会的に大きな価値を提供するためにも、手元に余裕資金があることは不可欠ですから、余裕資金を継続的に生み出すための仕組みが必要です。安定した利益とキャッシュがあるから、企業は成長できるのです。

ライフキャリアも、好きなコトに囲まれるためには、余裕資金を生み出す仕組みが必要です。企業が手掛けるひとつの事業や製品の寿命(ライフサイクル)よりも、個人の人生(ライフキャリア)の方がはるかに長いことを考えると、個人にこそ「お金を生み出す継続性のある仕組み」が欠かせません。

マネーリテラシーとは、この仕組みづくりに必要な知識です。経済的安定は、精神の安定につながります。どんなに強い意志や精神力をもった人でも、経済的安定がないと、活動を継続できません。逆に経済的安定があれば、それが精神の安定につながり、多少の不安や恐れがあっても活動を継続することができます。

1-2. 世の中のマネー情報は偏っている、とても

お金は大切ですし、みんなが興味を持っているトピックなので、ネットにもYouTubeにも、とんでもない量の情報があふれてます。

ですが、それらの情報を分類すると、ものすごく偏ってるはずです。実際にネット情報のすべての情報を分類することはできませんが、アクセスされている情報が上位に来るネットの特性によって、どんどん偏っていく仕組みになっています。

どう偏っていくのか。

正しい情報、本当に大事な情報よりも、ウケが良かったり過激だったり一部の人に都合の良いネタの方がはるかに上位に表示されています。上位表示されるからまたアクセスされていき、そこに広告という形でお金が流れます。

その結果、正しい情報、本当に大事な情報はどんどん表示されなくなり、表示されないのでアクセスされなくなり、アクセスされないので更新されず、量も減っていきます。

このnoteを読んでいる方には、なんとか正しい情報を知ってほしいと、強く思って2万字近いこの記事を書いています。

正しい情報、本当に大事な情報を見ていきましょう。

人類の歴史に貨幣が登場して以来、お金持ちになる方法はたった3つしかありません。さらには、その方法はわずか1行の数式で表すことができます。
もったいぶらずにお教えしましょう。これが、お金持ちの方程式です。
資産形成=(収入-支出)+(資産 × 運用利回り)
(中略)
この方程式から、お金持ちになるには、次の3つの方法しかないことがわかります。
①収入を増やす
②支出を減らす
③運用利回りを上げる

『新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』 橘 玲 著


上で述べられているとおり、学ぶべきマネーリテラシーは①収入を増やす、②支出を減らす、③運用利回りを上げる、この3つの方法を学ぶだけです。橘さんによれば、世の中の「お金持ち本」はすべて、この3つのどれかに分類できるそうです。

ところが、そういった情報を発信しているファイナンシャルプランナーや自称経済評論家の方々の多くは、残念ながらファイナンスの基礎を学んだことがないようです

そのせいか、彼らのアドバイスは②支出を減らす話が中心になりがちです(例:生命保険や自動車関連費用、スマホ代などの固定費を見直しましょう)。①収入を増やすについては、最近では「副業」が話題ですが、こういった収入を増やすノウハウは数十年も前から、姿かたちを変えながら繰り返し喧伝されています(例:昭和の「財テク」も平成のFX投資も、③運用利回りを上げるという観点ではなく①収入を増やす観点で扱われていた)。

①②の情報に比べて、③運用利回りを上げるについての情報はどうしても胡散臭さがついて回ります。巷の書籍や情報も、「1億円儲ける」「株で生活する」とか「サルでも3億円稼げる投資のテクニック」「サラリーマン大家さんでFIRE達成」といったタイトルになりがちで、まともな人ほど③運用利回りを上げるについては「世間の言説を信じない・避けるのが正しい判断」のように見えてしまいます。そして残念ながら、ネットに出てくる情報の9割は実際に無価値な情報ばかりです。

だからこそ、ここで差がついてしまうのです。③をうまく活かせるかどうかで、想像以上に大きな差がついてしまうのです。後述しますが、具体的には金利の力によって、数10%どころではなく数倍の差になります。

納得感のあるライフキャリアをつくるためには、①~③の正しい知識を身につけることが欠かせません。詳しくは、2章の実践のポイントで解説していきます。

1-3. 残念ながら、世界は不公平にできている

意識しているかどうかにかかわらず、自分の力で生きている人は「世界は不公平」という残酷な事実を認識しています。知っている人だけが得をする、知らなければ損をする。そんな制度や仕組みは世の中に溢れています。

その最たるものがマネーリテラシーであり、そのことを過去200年のデータ分析から明らかにしたのが、 r > g という不等式です。数年前に話題となった、フランスの経済学者トマ・ピケティによる21世紀の資本で、この不等式によって明らかにされた内容は、現代の不公平さを如実に表しています。

過去200年以上のデータを分析すると、資本収益率(r)は平均で年に5%程度であるが、経済成長率(g)は1%から2%の範囲で収まっていることが明らかになった。このことから、経済的不平等が増していく基本的な力は、
r >g という不等式にまとめることができる。
すなわち、資産によって得られる富の方が、労働によって得られる富よりも速く蓄積されやすいため、資産金額で見たときに上位10%、1%といった位置にいる人のほうがより裕福になりやすく、結果として格差は拡大しやすい。

Wikipediaによる『21世紀の資本』解説


平たく言えば、「資産を持っている人はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」ということです。身もフタもありませんが、こういう現実のなかで、納得感のあるライフキャリアを送るためには、正しい知識を身につけて、したたかに生きるしかありません。

以下の内容は、普通のビジネスパーソンが長期で資産形成を目指す場合の実践ポイントとなります。したがって、短期で値上がり益を狙いたい!とか、投資を趣味にしている(楽しみを求めている)という方には役に立ちませんので、くれぐれも間違って購入しないでください。



2.「マネーリテラシー」実践のポイント

2-1. 資産とは何かを理解する

資産とは、あなたに価値をもたらしてくれるものです。もっと現実的に言えば、あなたにお金(キャッシュ)をもたらしてくれるものでなければ、資産とは言えません。

企業会計において、流動資産といえばすぐに現金化しやすい(流動性が高い)資産を指しますし、固定資産とは現金化はしにくにものの(流動性は低い)長期的に企業にお金をもたらしてくれるものを指します。工場の設備であったり、開発したソフトウェアであったり。

個人にとっても「お金を生み出す継続性のある仕組み」を持とうと考えたら、このような資産を持つ・つくることを考えなくてはいけません。

資産がお金をもたらしてくれる方法は2種類あります。


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