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40歳からのキャリアを考えると無視できない「健康」という基盤【40歳からのキャリアデザイン講座5】

このnoteは「40歳からのキャリアデザイン講座」の5科目め、テーマは「健康」です。


1. なぜ「健康」が必修科目なのか?

1-1. 基盤への投資が長期的発展につながる

あなたのライフキャリアを考える上で、基盤となるものは何でしょうか?

いや、タイトルでもうネタバレしてるやん!というツッコミはあろうかと思いますが、例によって優良企業とダメな企業から学んでみましょう。

どんなに事業が好調でも、組織力が弱い会社は、やがて市場環境の変化についていけなくなりやすく、事業も不調になっていきます。なぜなら、組織(つまり人)に投資していない会社は、自律的に市場環境の変化に対応するような人や仕組みがなく、また人心も離れやすい(組織に対するロイヤルティが低い)ため、環境が変化したときに対応できないからです。基盤が弱いまま経営していると、どこかで行き詰まります。

キャリアも同じで、日々の仕事やプライベートが好調でも、基盤に投資していないと、どこかで歯車が狂ったときに大きなダメージを受けることになります。会社にとっての基盤が組織(人)だとすると、個人にとっての基盤は「健康」です

好調な時にはそのありがたみや大切さを忘れがちですが、実はこの基盤がしっかりしていないと、日々の生活や仕事は成り立ちません。ましてや納得感のあるキャリアなど望むべくもありません


1-2. だれもカバーしてくれない

「健康」は、だれかに任せることも、だれかに替わってもらうことも、カバーしてもらうこともできません。自分でなんとかするしかないのです。

「いや~、健康管理ってなんかやる気起きないよね~」

と言っている人は、チームを率いる立場になったときに

「いや~、組織とか人材への投資ってなんかやる気起きないよね~」

と言っているのと同じです。経営者やリーダーならすぐに社員から見放されますね。

あなたは、自分のキャリアを見放すわけにはいきません。

大事なことなのでもう一度。健康については、だれかに任せることも、替わってもらうことも、一部をカバーしてもらうこともできません。

特に、40歳前後のミドル世代ともなれば、「放っておけば悪化する」という危機感をもって対応する必要があります。


1-3. 納得感のあるキャリアはまず身体の健康から

充実したキャリアや幸せな生活をイメージすると、つい精神的なことと捉えがちですが、実は幸せは「身体(身体的な行動)」によってもたらされることがわかっています。古代ローマの詩人ユウェリナスが言うように「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」のです(注)。

特に健康は、ありとあらゆる外的財宝にまさるもので、ほんとうに健康な乞食は病める国王よりも幸福である。申し分のない健康と恵まれた体質から生まれる、落ち着いた朗らかな気質、明晰で物事を生き生きと鋭く正しく把握する頭脳、節度ある穏やかな意志、ひいては曇りなき良心、こうしたものは位階も富も取って代わることのできない美点である。

『幸福について』 ショーペンハウアー

悲しいから泣くのではなく、むしろ泣くから悲しいのだ

ジェームズ=ランゲ説

自分から積極的に行動したかどうか、自ら意図をもって何かを行うことで、人は幸福感を得る。
行動を起こした結果、成功したかが重要なのではない。行動を起こすこと自体が、人の幸せなのである

『データの見えざる手』 矢野和男 よりソニア・リュボミルスキ教授の研究概要


古今東西の賢人から、科学的なエビデンスまで、すべての文献が口を揃えて、健康であることの重要性、身体(身体的活動)が精神を司ることを示しています。『7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィー博士ですら、第7の習慣「刃を研ぐ」で、再新再生の4つの側面として、まっさきに肉体を挙げています(残り3つは、精神、知性、社会・情緒)。

まずは身体の健康を目指してください

身体が不健康な状態で、精神の健康を得ることはできません。ちなみに、健康術について調べると、よく自律神経、交感神経、副交感神経といった内容がよく登場します。これらは「精神の健康」に見えるかもしれませんが、神経も「身体」の一部です。ですから、まずは身体の健康を得ることがこの科目の主眼となります。

(注: ただし原文の意味は異なり、本来は「大欲を抱かず、健康な身体に健全な精神が宿るように望むべきだだ」の意である、とされている)


2.「健康」を実践するポイント

2-1. どこを目指すのかを理解する

ところで、「健康である」とはどういう状態なんでしょうか?

そもそも「健康である」の定義がわからなければ、どこを目指せばいいのかがわかりません。

この点については、以下の記事に詳しく書きましたので、興味のある方はご覧いただければと思いますが、ここではポイントだけ抜粋します。

そこで私は、アスリートが試合に向けて目指す状態を参考にして、健康度を以下のように定義するといいんじゃないかと思っています。

1. 病気である。
2. 病気ではないが、体調は良くない。
3. 病気でもないし、体調も悪くない。
4. コンディションが良い。


皆さん、なんとなく2段階目を脱して、3段階目に入るだけで満足しちゃいませんか?

逆に、3段階目から2段階目に落ちて、ようやく「あー、そろそろマズいな」と思ってませんか?

そもそも、目指すべき姿が違うんと思うんです。

毎日が試合本番なビジネスパーソンにとって、目指すべきは「コンディションが良い」でないとおかしいはずなんです。

だって、試合に出るんですよ。コンディション整えないとマズいはずなんですよ。それなのに、ぼんやりと「体調が悪くない=健康」と思ってしまっている。

そうではなく、アスリート並みに、「コンディションが良い、整っている」というところを目指さないといけないんです。

常に「コンディションが良い」状態であってこそ、納得感のあるキャリアや幸せな人生を送れます。逆に言えば、コンディションが良くないままに、納得感のあるキャリアや幸せな人生を目指すのは、とてもむずかしい。

まずは、目指すべき「健康」とは、「体調が悪くない」ではなく、「コンディションが良い」状態だと認識しましょう


2-2. 健康のための3要素をマスターする

身体の健康を目指すうえで、大事な要素は実はそれほど多くありません。たった3つだけです。

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