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年齢を重ねるほどに実感する時間価値と、幸せな人生を支えるマネーリテラシー

4半期最終月の最終週末に、資産の状況をチェックする「Quarterly資産チェック」という習慣を続けています。
いま確認したところ、4半期ごとに資産全体をチェックするようになったのは2013年からなので、もうかれこれ8年も続けていることになります。Excelでオリジナルのテンプレートを作って、内訳も管理しはじめてからでも6年ほどになります。
継続するのが大の苦手な私としては異例の長さで、自分でもビックリです。


マネーリテラシーの大切さは本当に多くに人に知ってほしいし、特に若い人には早く行動してほしいと思っていますが、お金の話というのは、なかなか伝え方が難しい。リアルの人間関係があったとしても、急に「お金って...」と話しはじめるのは変です。
だから、これまで何度もnoteで書こうと思いつつも、筆が進まなかったテーマでした。
ですが、ちょうど Quarterly資産チェックを終えたところなので、この勢いで書いてしまおうと思います。


私が、本格的に投資をはじめたのはリーマンショックの直前あたり(2008年ごろ)だったので、投資歴は13年ほど。さすがにこれだけ長期に投資を続けていると、学びも多いですし、何より結果も目に見えやすいです。
ちょっと生々しい話になりますが、資産総額は〇%増どころか、〇倍ですらなく、〇〇倍(2桁)になっています(負債を除く純資産でも同様)。
突飛なことはなにひとつやっておらず、投資や資産運用における王道・定石と言われる手法しか取っていませんが、あらためて結果を見てみると、よく言われる「時間を味方につける」や「複利の力」をまざまざと実感します。

私が投資をはじめたのは30代ですから、決して早いとは言えませんが、少なくともその時点で、正しい知識を得て、行動しておいて良かったなと思います。
ちなみに、何度か痛い目にもあったのですが、それもひっくるめて、幸せな人生を送るためには、正しいマネーリテラシーを身につけることは本当に重要だなと、つくづく実感しています。

具体的にどうすればいいのかという話は、追い追いライフMBA(※)のコンテンツにしていくつもりなので、この記事では私にとって、いくつか学びが大きかった出来事を3つご紹介します。


1. 金利を実感する機会があった

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(出典:https://www.jibunbank.co.jp/products/wealthnavi/beginner/)

1995年時点で20歳前後またはそれ以下だった日本人にとって、金利の力(ポジティブな力)を実感する機会というのは、これまでほとんどなかったと思います。金利そのものを意識する機会も非常に少なく、おそらく住宅ローンを借りるときくらいではないでしょうか。
つまり、現在45歳以下の日本人の大半は、金利の力(複利の力)について「実感をもって」体験したことがないのです。これは本当に不幸なことだと思います。

私は本当に偶然ですが、金利が数%つくことの威力を実感する機会に恵まれました。海外に住んだことによって、日本の銀行ではあり得ないような金利がつく銀行口座をつくることができたのです。
絶対額はわずかでしたが、それでも金利によって数千円~1万円近い利息がつくという初めての体験に、「金利がつくってスゴイんだな」と思ったものです。

とはいえ、当時はまだまだボンヤリした理解で、その理屈をきちんと学んだのはビジネススクールのファイナンスの授業でした。

2. Time value of Money という概念を教わったこと

私はマクロ経済や金融についてはからっきし弱かった上に、そもそもあまり好きでもなかったので、ビジネススクールのファイナンスの授業は未知のことだらけでした。
そんな私にとって、ファイナンスの原理原則である「Time value of Money(貨幣の時間価値)」について学び、課題を解くためにExcelでちょこちょこシミュレーション(といっても非常に単純な計算)をする機会はとても大きな転機でした。

「現在の100円と将来の100円では価値が違う。なぜなら金利がつくから」
という説明は、理屈上はわかっても実感しにくいものです。ですが、先のような経験があったので、『言われてみれば確かに』と思えると同時に、日本でよく目にする0.01%のような数字をExcelに入れた結果の悲しさによって、金利差が長期的にどれほどの影響を与えるかを理解することができました。

入金はなるべく早める。支払いはなるべく遅らせる。
こんな単純なことも Time value of Money を知ったことによって、その本当の意味が理解できました。

3. 税金と向き合う機会があったこと

マネーリテラシーの醸成を阻む「不幸」のひとつが金利を実感する機会がないことだとすると、ツートップのもうひとつは「税金と向き合う機会がないこと」だと思います。
企業で働いていると(サラリーマンだと)、税金について考える機会がほとんどないですよね。「税金というのは、どうやら大変なことらしい」と感じたのは、私の世代だと伊丹十三監督の「マルサの女」を見たときくらいじゃないでしょうか。

これまた偶然にも、私には税金と向き合わなきゃいけない機会がありました。海外赴任中は Tax Filing(確定申告)を自分でやらなければいけませんし、日本に帰国した年は海外と日本の両方で申告が必要なのです。
面倒ではあるものの、どちらの国でも意外なほどに丁寧な説明書きがあるので、指示通りに書類を埋めていけば何とかなるのですが、ここでイヤでも税金と向き合うことになりました。

自分の字で記入(または自分で入力)していくにしたがって、『おぉ?!こういう仕組みなの?なんかすごく持ってかれてない?』と実感させられました。
さらには、『ここの数字(課税所得)を減らす仕組みがありそうに見えるけど、俺入れるモノ(控除)がほとんどないよ?』ということも分かったのです。
『金持ち父さん、貧乏父さん』に書いてあったことの意味がようやく分かった瞬間でした。


幸せな人生を送るためには、精神の安定が欠かせません。そして、お金というのは、精神の安定のために必要なものだと思います(それだけで十分というわけではありませんが)。
金利(複利)の力も、税金も、日本に住んでサラリーマンをやっていると、なかなか体感しづらいのですが、これはマネーリテラシーの基礎中の基礎で、ここの理解なくしては、正しい資産運用はできません。
ネットにはFXやら仮想通貨やら、いろいろな話が飛び交いがちですが、そういった投機の話ではなく、正しい知識を得たいというやる気がある人には、こういった基礎の理解を深める機会を提供するのが大事だと思っています。
だから、ライフMBA(※)の必須科目に「マネーリテラシー」を入れたわけです(なかなか筆が進みませんが)。

直接の知人・友人はもちろん、私をフォローしてくださっている方には、幸せな人生を送ってほしいので、頑張らねば。


※ライフMBAの基礎科目については、こちらの記事を参照ください。


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