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良いキャリアを選択するために不可欠な「意思決定」というスキル【40歳からのキャリアデザイン講座2】

このnoteは「40歳からのキャリアデザイン講座」の2科目め、テーマは「意思決定」です。




1. なぜ「意思決定」が大事なのか?

1-1. 自己決定度が幸せにつながる

幸福感と自己決定―日本における実証研究」と題された2万人の日本人を対象とした調査があります。この調査で実証された日本人の幸福感を決定する要因として、健康、人間関係、所得と並んで挙げられたのが、自己決定でした。

同研究レポートによれば、国連の世界幸福度報告書において、日本の幸福度はそれほど高くなく、また「人生の選択の自由」が低い傾向があるそうです。このような日本社会において、自己決定度の高い人の幸福度が高いということは、それだけ重要性が高いことを示していると言えます。

納得感のあるキャリアが歩めている状態とは、まさにこの自己決定度が高い状態です。なんとなく周りの流れにしたがって方向を決めるのではなく、ハンドルを握り右に行くか左に行くかを自分で「意思決定」している。

これまで「意思決定」についてあまり考えてこなかった人には、ぜひこの記事をきっかけにハンドルを握る感覚、自分のキャリアを主体的に選んでいる感覚を味わってほしいと思います。

そうは言っても、状況的に選択の余地がない、立場的に自分で決められないことばかりだよ、と思った方は、ぜひもう一度「1. ライフビジョン」に立ち返ってください。環境や状況に対して主体的に選択するための拠りどころとなるのがライフビジョンです。自分の人生の責任を引き受け、主体的になるならば、外からの刺激に対する自分の反応を「選択」できるはずなんです。


1-2. いまの選択が、未来のキャリアをつくっている

仕事も人生も選択の連続ですから、どれだけ質の高い意思決定ができるかが、すべてです。Amazonを巨大企業に築き上げたジェフ・ベゾスは、

良質な意思決定を3つできたなら、その日の仕事は十分だ。

経営者の仕事は、「少数の良質な意思決定」をすることであって、数多の意思決定を日々おこなうことではない。

と言っています。また、こうも言っています。

今期の成果が良かったのは、3年前に仕込んだことの結果だ。

ベゾスが言うように、今日の良質な意思決定が、あなたの3年後、5年後を決めるのです。

それは経営者の話でしょ、と思った方には、ぜひこう考えてほしいのです。あなたのキャリアの経営者はだれでしょうか?

あなた以外に、あなたのキャリアの経営者になれる人はいません

そう考えると、良質な意思決定ができるようになることは、だれにとっても大事なスキルです。

人生やキャリアの岐路のような大きな意思決定から、日常生活での小さな意思決定まで、それらの積み重ねが人生をつくっています。突然やってきた大きな決断の場面で、急に良い意思決定ができるようになるわけはありませんから、日々の小さな意思決定で「練習」し、スキルを磨いておいた方が良いでしょう。


1-3. 仕事の判断軸は単純。自分のキャリアの方がずっと難しい

会社の仕事で判断(意思決定)を求められるとき、「判断軸(判断基準)」は会社が用意してくれることが多いでしょう。

この件では利益が大事。
今は売上を取る。
ここは顧客のことを第一に考えよう。
社員の安全が最優先。

状況によって変わることはあっても、必要な判断軸は比較的明確になりやすいものです。なぜなら、会社は「ビジョン」や「目標」が明確だから。そして、そもそも営利企業という組織は、優先順位も比較的明確にしやすいのです。

ところが、多くの人にとって、自分のキャリアの「ビジョン」や「目標」はそこまで明確ではないですよね。仕事ほど、割り切って考えられないですよね。だから、判断に迷うのです。

人生にかかわるような大きな決断の場面で良質な意思決定をするためには、そもそも自分のライフビジョンや目標、そこに紐づく価値観といった「判断基準」が先に定まっていなければなりません。

それがなければ、質を測る基準がありませんから、良質になりようがないのです。ビジョンや目標が、企業よりも、むしろ個人にこそ必要なのは、このためです。

そして、ライフビジョンとそれを考えるときに認識した自分の価値観日々の意思決定に反映していけば、「自己決定感」を持つことができます

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2. 「意思決定」を実践するポイント

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