これからの時代に必要なアート思考というスキル
こんにちは、masa(@masa_cons)です。
いつもnoteを読んでいただきありがとうございます。
早速ですが、今回のnoteでは下記のような読者を想定しています。
・アート初心者だけど教養として理解しておきたい
・アートの楽しみ方がイマイチわからない
今回は「13歳からのアート思考」という本について紹介しながらアート思考について書いていきます。この本めちゃくちゃ面白かったです。
この本は、「アート思考」という考え方について書いている本ですが、アート思考と聞いて「あぁそれね。」となる人は少ないのではないでしょうか。
むしろ「何それ?そもそもアートってなに?」と感じる人の方が多いかもしれません。私もこの本を読むまではその1人でした。
ただ、何となくニュースなどで「アート思考」という言葉が取り上げられているのは知っていて、少し勉強して見たいと思い、この本を手に取りました。
読んだ感想としては、まさに目から鱗でした。アートというものに対する考え方が180度変わりました。
これは大袈裟に言っているわけではありません。
自分がこれまでアート(=美術)というものに対して持っていた知識はほんの一部の表面でしかなく、むしろ大切なことはもっと別のところにあると気づいたからです。
それでは、いくつかポイントを紹介したいと思います。
1. 多くの大人が苦手な美術という授業
多くの人が「美術」という教科に対して苦手意識を持っています。それは、中学校での「技術・知識」偏重型の授業スタイルが原因とされています。
思い返してみると、中学以降、美術の授業では得意でもない絵を書かされたり、過去の偉人の代表作を暗記させられた記憶しかなく、全く楽しい思い出はありませんでした。
そしてそのまま大人になり、アートというものはなにか特別な才能を持った人たちが作る美しさものという漠然としたイメージしかないのが正直なところです。
このような現状に対して、疑問を投げかけているのが本書です。そんな大人こそが今一度「アート」について学び直す必要があると唱えています。
なぜ、今アートが必要なのでしょうか。
2. なぜアート思考が必要なのか
アートについて考える時、まずはアート思考を知る必要があります。
アート思考とは、以下のように定義されています。
「アーティスト」は、目に見える作品を生み出す過程で、次の3つのことをしています。
① 「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
② 「自分なりの答え」を生み出し、
③ それによって「新しい問い」を生み出す
アート思考とは、まさにこうした思考プロセスであり、「自分だけの視点」で物事を見て、「自分なりの答え」をつくりだすための作法です。
つまり、アート思考は現状に対して自分なりの考えを持って、答えを導きだす思考法であると言えます。
そして、アーティストが作品を生み出すときには、この思考プロセスを辿り、1つの表現の形として作品が作られます。
だから、アートについて重要なことは、作品の見た目の創造性や、美しさを評価するだけでなく、むしろその思考のプロセスを理解して、ものの見方やその人の考え方を学ぶことなのです。
アートとは、何か美しい絵を描いたりするもので、アートを理解することは教養を混ぜながらウンチクを語ることだと勘違いしていた私にとっては、この時点でかなりハッとさせられ、アートに対する考え方が変わりました。
では、なぜ今このアート思考が必要なのでしょうか。理由は大きく2つあります。
① VUCAの時代に対応する
② 人生100年時代に備える
1つ目の理由は、「VUCA」の時代に対応することです。
VUCAとは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の4つの言葉の頭文字を取ったものです。
つまり、簡単に言えば変化のスピードが早く、不安定な時代ということです。このような時代に、人から与えられる正解を探すのはとても難しいことです。なぜなら、常に正解が移り変わるからです。
そうではなく、自分の中で問題を見つけて正解を作っていく態度がなければいつも周りに流されてしまうことになります。
そして2つ目の理由は、「人生100年時代」に備えることです。
人の寿命は大きく伸びて平均で100歳まで生きると言われています。人生のフェーズが増え、様々な場面でこれまでの常識が通用しなくなっていきます。
VUCAの時代に対応するのと同じように、今後は何歳なっても自分なりの答えを持って主体的に生きていくことが求められていくでしょう。
本の中で「これからは太陽を見つけるのではなく、雲を作る力が必要」という表現があります。これはとても的を得た表現だと感じました。
太陽はいつも同じ場所にあって、同じ形で私たちを照らしてくれます。それは安心感があって頼りになる存在ですが、太陽に頼ってばかりではいつか太陽がなくなって時に露頭に迷ってしまいます。
だから、自由に形を変える雲を使って自分たちが必要なものをその都度作っていくような考え方が今後は必要になっていきます。
3. ピカソが変えたかったのは「リアル」という概念
この本では、いくつかの美術作品を取り上げて鑑賞体験をしながら話が展開されていくのですが、その中の1つにピカソの「アビィニョンの娘たち」という作品があります。
女性のような人たちが何人か並んでいますが、よく見ると正面を見ている人の鼻が横に曲がっていたり、右手前の女性は背中を向けているようで顔は前を向いています。
実はこの作品は、ピカソが「リアル」という概念を自分なりに捉え直して表現した作品なのです。まさにアート思考です。
① 「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
⇨ 本当のリアルって何だろう?
② 「自分なりの答え」を生み出し、
⇨ リアルであることは、遠近法や明暗法を使うことではない
③ それによって「新しい問い」を生み出す
⇨ 本当にリアルなのは、複数の視点で再構成されたものだ
この本を読むまでは、この絵を見たとしても「不思議な絵だなぁ」くらいしか感想を持てませんでしたが、
アートに対して「どうしてこんな表現をしたのだろう?」とか、「何を伝えたかったのだろう?」という新しい疑問を持つことができるようになりました。
そして、作者の考え方を理解した上で、自分だったらどう考えるかという意見を持てるようになりました。
4. さいごに
ここまで聞いて、少しはアートに対して興味が感じている人がいればいいなと思います。
この本の中では、全部で6人のアーティストの作品について触れられていて、それぞれのアーティストが導き出した答えと表現がとても面白いです。
現代にも過去にもたくさんのアーティストがいて、自分なりの答えを作品で表現していると考えると、もっと色んな作品に触れて、色んな考えを理解したいなと、今ではアートに対して前向きな気持ちを持っています。
中学校や高校でも、この本のような話があると美術に対する見え方も少しは違うのかなと思ったり...
ここまで読んでいただきありがとうございました!
「13歳からのアート思考」は私のようなアート初心者にオススメの1冊です。
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それではまた。
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