文書と文章で食っていく

長らく経理マンをやっている。来年4月で定年を迎える。
経理=お金の達人、数字の達人 みたいなイメージが強いと思うが果たしてそうだろうか?
自分は、自分のことをお金の達人でも数字の達人でもなく、「帳簿、決算書、有価証券報告書、税務申告書」といった経理関連の書類を長らく作ってきた人間だと認識している。
文書というと契約書や役所への申請書式などをイメージすると思う。担当部署は法務部とか総務部とか。
実は、企業が活動するのにかかせない媒体が「文書」である。どの部署でも多かれ少なかれ「文書」を作成し提出開示している。
自分は経理関連の書類を専門に作成してきたということ。

また、経理の書類だから数字だけなんでしょ?と思いがちだがそうでもない。有価証券報告書や決算短信には文章で記述する箇所がある。
大企業なら他の部署に任せることもあるが、自分の経験した中堅規模の上場会社では、経理部がほとんどの文章部分も担うことになる。
会計処理にあたり、契約書、社内稟議書などを見る必要がある。文書に全く無縁ではない。リーガルチェックは法務部門が行うにしても、文面をまるで理解できないようでは会計処理の適正さを検証できない。
さらには、会計処理に必要な思考には理詰めの要素が含まれている。よって決算を組むということは、文章を練ること割りと近いように思える。

経理で長年飯を食ってきた、ということは、「文書」「文章」のプロになる要素技術を知らず知らずのうちに磨いていることに経理マンのほとんどは気づいていない。

「行政書士」とは文書のプロという資格であるが、自分がこの資格を目指そうと思ったのは、まさに、自分が文書のプロとしてのポテンシャルを秘めているかもしれないということに気づいたから。
そして、数年前に経理に関するプログ書いていた経験を踏まえ、文章についても苦手意識が少ないことに気づく。
60歳からの人生を”「文書」と「文章」で食っていく”と決めたのは58歳、今から一年前のことであった

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