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現代アート「My fair prisoners!?3」の川端康成さんの調書とエッセイ※全文掲載

この方は日本の作家をやられていました。ノーベル文学賞を受賞されています。「伊豆の踊子」の作者です。川端康成さんです。

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                                  My Fair Prisoners!?調書

囚人番号:20170829185147

名前:かたわれ

服役した日付け:1899年6月14日

音楽:エディット・ピアフ、浪曲、Jazz

映画:「夫婦善哉」

本::哲学、スピノザ

罪:小さい頃、兄弟で栗拾いをしたこと

喜:ノーベル文学賞を取り、今までの仕事が評価されたこと

怒:原発 三島由紀夫の公威

哀:妻に先に旅立たれたこと

楽:バーボン(サントリー角)を飲みながら、人の話を聞くこと

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                                            「かたわれ」さん

 「かたわれ」は、小さな子供だった。よく戦争ごっこをして遊ぶ子供だった。近所のガキたちと、しょっちゅう喧嘩ばかりしていた。ボス的な立場だった。

 小学校では、成績は優秀。将来は大臣か医者かと言われていた。でも本人は、作家になる事を、小学校二年で決めていた。だから、国語以外はあまり勉強しなくなった。

 菊池寛さんには、本当に感謝している。菊池寛さんのお蔭で、作家になれたからだ。それ以来、菊池寛さんとの交友は、菊池寛さんが亡くなるまで続いた。

 三島由紀夫の公威とは、公威が作家デビューする前から交流があり、手紙のやりとりをする仲だった。その時期の事が本になり、公威が自決するまで交友は続いた。一言相談してくれたら、「かたわれ」は自死する事はなかった。自分が自死し、「学園Heaven」に行った時に、公威がいたので、散々文句を言ってやった。「お前が自決しなければ、俺だって自死しなかったんだ!」と。

 ノーベル文学賞を頂いた事は、今までの仕事が評価されたと思い、本当に嬉しかった。戦争での厭な事だった事を全て忘れさせてくれるほどだった。

 「「病名命名屋・命名屋」君、ぜひ俺の作品も読んでくれ」と頼まれた。「かたわれ」の作品は全て買ってあるが、今は小説を読みたい時期ではないので、いつか必ず読みますとインタビュー時に返答して、インタビューは終わった。(了)

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※この方も刑期を終えました。


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