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【読書録130】「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」5月編

「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」(致知出版社)を毎朝読むことを日課にしている。6月編からはじめて今回が最後となる、5月の中で特に自分のなかで気に入ったものについて取り上げる。


5月5日 成功する人は脳に何をインプットしているのか 西田文郎


 成功している人の共通点として、サンリ会長の西田氏は、「自分には運があると思う」というアンケートの欄に〇を付けていることだという。

脳に「自分は運がある、ツイている」というソフトが組み込まれていれば、目標をインプットすること、こうしたらできる、ああしたらできると、「できる」ことばかりがイメージとして浮かんでくる。

西田氏は、運を感じる力を「運感力」と言っている。
こういう、自己効力感がどこから生まれるのか?過去の成功体験かもしれないし、元々のその人の資質なのかもしれない。

生きていく上で大切な感覚だと思う。私は、どうしても少しうまくいかないとどうせ無理だとか、どうせ俺なんてという気持ちが浮かんで来てしまう。
 
 でも人生振り返ると、周りのみんなのサポートでなんとか上手くやってきているなという感覚もある。運がある、ツイてると思う気持ちを持っていきたい。

 運があると感じている人間は、根拠のない自信を持っているんです。根拠があれば自信なんて誰でももてますから。

運があると信じることにしたい。確かに節目節目に私を良い方向に向かわせてくれているのだから。

5月16日 試す人になろう 野中郁次郎

 
 この日は、私の大好きな野中郁次郎先生。

本田宗一郎が通っていた小学校にある言葉を紹介する。

「試す人になろう」

世界は見たり、聞いたり試したりだけれども、一番欠けているのは試したりだ

マイケル・ポーターの市場構造がすべてを決めるとする考え方に対して野中先生はこう言う。

人間の自由度というものがあって、主体的に世界をつくっていくんだという考え方が必要だと私は思います。天命を受け入れつつ、それを超える人間の自由度、何%かは分からないけれども、そういう創造的、弁証法的な考え方がやはり必要です。その際に先ほどのオプティミズムをもっていないと、不都合な問題が起きた時に天を恨むことになるんですね。

この考え方にものすごく惹かれる。経営学者であるということとこのような世界観をもっているということが掛け合わさって、野中先生の魅力を作っているのかなと感じる。

野中先生は、まわりから運がいいね、しっかりとした長期戦略がないのにどうして活躍できるんだと言われるというが、それに対してこう言う。

ただそういう私でも、やっぱり動きながら考えている。思いを持っていると不思議と繋がっていくんですね。

自分の中になんらかの思いやビリーフがあると、人とのちょっとした出会いを通じても、そこになんらかの関係性を見出すことができると思うんです。

 思いを持って、試し、動いていると見えてくるものがある。
そう信じたい。
 
 今、私が踏み出した道を信じたい。

5月22日 病気も「ようこそ」と考える 青山俊董


 致知でおなじみの青山俊董老師。
病気を通じて、当たり前のことが当たり前で無くなって、色々なことを学べるとする。

同じ病気をしましても、それをチャンスと受け止めれば、失うことを通し、病むことを通して学ばせていただくことがたくさんある。平素から、三つ失ったら、そのことを通して五つ気づくくらいの心構えでおれば、すべて喜びとなります。それが機を活かし、変に応ずる心構えと申しましょうか。

また還暦後の人生を二度目の旅として、こう言う。

二度目の旅は「老病死」の景色が頻繁に出てきて、一歩引いて自分自身と向き合う時間が多くなる。老いを見据え、病を見据え、死を見据えて、いかなることも人生を深め、豊かにする景色として頂戴していこうと思い至ったのです。

 とりわけ、何かあるとすぐに落ち込みがちな私は、三つ失ったら、そのことを通して五つ気づくという心構えが重要だと思う。 何かあることは、学びのチャンスだと思うこと。これはこれからの人生で重要である。

5月24日 人を恨む行為は、人生をつまらないものにする 河野義行

 
 松本サリン事件で、被害者でありながら、当初容疑者と疑われた河野義行氏の話に深い感銘を受けた。

「あなたはなぜオウムを恨まないのですか」とよく聞かれるというが、それに対してこう答える。

人生は有限です。人を恨むという行為は、その限られた人生を実につまらないものにしてしまうと私は思うのです。恨んで、恨んで、自分の時間すなわち自分の命を削っていくような人生を、私は送りたいとは思いません。恨むことに費やすエネルギーがあるなら、逆に妻が生きていてくれたことに感謝する方に注いでいきたい。

 このような心境にどうなったらなれるのであろうか?
恨むことは命を削ること。たしかに健全ではない。健全な気持ちで無くなるくらいに尋常でない体験をしたときに、冷静にこう言えること。なかなかこうはなれない。

サリン事件で、奥様を介護することになった松本氏は、最後にこのように締めくくる。

愛する人に尽くせること。そのためにどんな犠牲を払うことにも私は喜びを感じます。妻が生きることは私が生きる事。心に芽生えたその思いはあの事件により突き落とされた悲しみの底から私が見出した光といえるでしょう。

私にとっても妻は、家族は一番大切な存在である。こういう心境になれるようにして生きていきたい。

5月29日 人生は三切るー踏み切る、割り切る、思い切る 津田晃

 
 野村証券元専務の津田氏が、就職後に悩んで、大学時代の教授に相談に訪れた際の、言葉が大学教授の言葉が秀逸である。

 「人生は、踏み切る、割り切る、思い切るの三切るだ。踏み切ったらまずは割り切って一所懸命にやってみなさい。それでダメなら思い切ればいいじゃないか。君は踏み切ったばかりでもう思い切ろうとしているが、それはまだ早い。もうしばらく割り切って続けてみるべきだ」

踏み切ることは、とても大事である。踏み切った以上は、まずは割り切って頑張る。「賽は投げられた」のである。

 踏み切ること、まずは試して見ることだ。まず、踏み切って歩みだすことが重要だ。そして、私の場合、踏み切るのも腰が重いが、踏み切った後も「やっぱり」とか「やめときゃよかった」とか思ってしまうことがある。割り切って頑張るステージに移ったのだと思うことは大事である。

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